クレアメゾン入間

　不動産の広告(折込チラシ)を見るのが好きである。購入を検討するわけではない。正確には、チラシの片隅に印刷されている案内地図の間違いを探すのが好きなのである。
　不動産の広告に載っている地図は、意外とテキトーなのである。３年前に開業したコンビニはしっかり書いてあるのに、１０年近く前に店仕舞いしたガソリンスタンドが載っていたり、スーパー「オリンピック」出店予定地に建ったドラッグストア「カワチ」が「オリンピック」になっていたりと、いかに不動産会社が現地を見ていないかがよくわかるのだ。
　これから広告を片手に販売現地を訪ねる方はぜひ、周辺も歩き回っていただきたい。案内地図の一つも満足に作れないような不動産会社の物件は・・・ね。まあ、営業さんが良い人だったり、ありもしない店が地図に載っているくらいなんともないとおっしゃるのなら、止めはしませんが。

　さて、表題の「クレアメゾン入間」である。
　西武池袋線入間市駅から徒歩５分という場所にできるマンションの広告を見ていて気がついた点がある。大きな活字で、「駅前の利便と閑静な住環境」と書かれている。その文字の背景は平成１７年１１月撮影という販売現地の航空写真となっている。
　物件の周辺の大型商業施設や駅の位置などが書きこまれた写真なのだが、この写真の右上に、広々とした平坦な土地が写っている。実は「駅前の利便と閑静な住環境」という文字はその平坦な土地を隠すように配置されている。
　その部分をよく見ると、緑地帯に挟まれた道路のようなものが見える。その横にはカマボコ型の建物が建っており、８機の航空機が並んでいるのがわかる。ちなみに内訳はＣ－１が６機、Ｕ－４とＣＨ４７が1機ずつである。
　つまり、このクレアメゾン入間が建っているのは「航空自衛隊入間基地」のご近所なのである。
　さて、もう一度広告に書かれた売り文句を見てみよう。
「駅前の利便と閑静な住環境」
　閑静・・・？「閑静」って「朝から夕方まで(昼休みを除く)ジェット機の音が聞こえる」という意味だったっけ？
　「クレアメゾン入間」の購入を検討している方はどうか「平日の昼間」に現地を訪問し、入間基地を離発着する航空機の音を聞いていただきたい。実際の音を聞いた上で購入するか否かを決めてもらいたい。音を聞かずに入居して、「ヒコーキの音がうるさい」などとは間違っても言わないでほしいのだ。
　「駅前の利便」は申し分ないと思う。自転車があれば普段の買い物に困ることは無いだろう。
　ただ、「閑静な住環境」を望む場合は疑問符がつく。「閑静」なのが、夜間と休日だけで良いというのであれば、これも申し分ない。ただ、平日の昼間は「閑静」と言えるかどうか・・・。

　蛇足ですが、「製油所火災による消化剤輸送」は一晩中、「毒蛇(ハブ)用の血清輸送」は明け方、「離島からの急患輸送」は深夜でした。いずれもジェット輸送機で行われております。