支倉凍砂「狼と香辛料」第10巻。
最初は全く考えもしなかったが、気付けば既刊を全て読んでしまっていた。
さて、この第10巻。
読んでいて、「今回は難産だったのだろうか?」となんとなく思ってしまった。
所々読みにくいと感じたのは、私の読解力が足りないせいだろうか?
とはいえ、それは不満につながるほどのものではないし、
十分に満足できる水準にあったように思う。
それに、(自覚的な)引き延ばしの為のエピソードでありながら、
物語の結末に向かうという姿勢は決して忘れていない(ように見える)というのも良い。
第6巻や第10巻が示唆するようなハッピーエンドというのは安易すぎるだろうが、
それでも一読者として安心できることは否定できません。
***
今回も、いろいろとニヤニヤできる小ネタが散りばめられている。
そして、それ以上に私には分からないネタも散在しているのだろう。
小ネタというには大きすぎるが、
例えば中世ヨーロッパにおける入植・新都市の建設の様子などは、
詳しい文献が読みたくなってくるネタである。
ローマ帝国以来の都市が発展して~という話は意識しなくとも読むことができますが、
無からの発展というのはなかなか……
***
時折「コル不要論」を見掛けますが、
私にはコルの存在が物語に厚みを持たしているように思えるし、
飽きさせないための装置になっているようにも思えます。
***
<<前:「狼と香辛料」第9巻について 狼と香辛料第11巻読了:次>>
最初は全く考えもしなかったが、気付けば既刊を全て読んでしまっていた。
さて、この第10巻。
読んでいて、「今回は難産だったのだろうか?」となんとなく思ってしまった。
所々読みにくいと感じたのは、私の読解力が足りないせいだろうか?
とはいえ、それは不満につながるほどのものではないし、
十分に満足できる水準にあったように思う。
それに、(自覚的な)引き延ばしの為のエピソードでありながら、
物語の結末に向かうという姿勢は決して忘れていない(ように見える)というのも良い。
第6巻や第10巻が示唆するようなハッピーエンドというのは安易すぎるだろうが、
それでも一読者として安心できることは否定できません。
***
今回も、いろいろとニヤニヤできる小ネタが散りばめられている。
そして、それ以上に私には分からないネタも散在しているのだろう。
小ネタというには大きすぎるが、
例えば中世ヨーロッパにおける入植・新都市の建設の様子などは、
詳しい文献が読みたくなってくるネタである。
ローマ帝国以来の都市が発展して~という話は意識しなくとも読むことができますが、
無からの発展というのはなかなか……
***
時折「コル不要論」を見掛けますが、
私にはコルの存在が物語に厚みを持たしているように思えるし、
飽きさせないための装置になっているようにも思えます。
***
<<前:「狼と香辛料」第9巻について 狼と香辛料第11巻読了:次>>