![]() | ミドルトン一家、ニューヨーク万博に行く有限会社フォワードこのアイテムの詳細を見る |
内容紹介
原題:The Middleton Family at the New York World's Fair
製作(公開)年:1939
監督:ロバート・R・シンドリー
出演:マージョリー・ロード/ジミー・ライドン/ラス・リー/ハリー・シャノン/ジョージ・J・ルイス
音楽:エドウイン・E・ルディグ
脚本:リード・ドラムンド/G.R.ハンター
”未来”が田舎を通るその時
1939年と云う時代は、後のアメリカ合衆国国民にとって未来を想起させる。「NYワールドフェア(ニューヨーク世界博)」の想い出が語られ続けて来た故だが、しかし、当時の状況はとてもじゃないがそんなものではなかった。 4月にナチスドイツがポーランドとの不可侵条約を破棄、9月には電撃作戦を以てポーランド侵攻、5月大陸において日本軍とソ連軍が衝突。世界はきな臭さの絶頂で第2次大戦へと転がって行く。 世界各国がドイツを非難、続々と宣戦布告する中でアメリカ合衆国は中立を宣言する。これは世界博と関係がある様に思える。世界博をつつがなく行うために中立を宣言したのか、中立国として傍観を決め込むために世界博をやったのか、はなはだ不明瞭である。 と、云うのも、NY世界博自体の企画は35年にスタートしている。30年代の大不況で落ち込んだ国民感情を盛り上げるのが目的だったと言われているが、きな臭い世界に対する合衆国のスタンスを明確にすると云う意図もあったと思われる。ヒトラーのナチスドイツが政権を取ったのは34年の事である。
アメリカは、世界博においてアメリカがリードする”世界の未来”を喧伝する必要があった。合言葉は「電化」である。プーさんの森の12倍以上のごみ捨て場だった”フラッシングミードゥ/コロナパーク”が会場に設定され、テーマは「明日の世界(ワールドオブ トゥモロー)」に決定した。 アメリカ中産階級(ミドルクラス)の家族がこの世界最大の博覧会を見物に来ると云うのが本作のストーリーだが、実はアメリカ最大の家電メーカーの一つ、ウェスティングハウスのプロモーションである。しかし、単なる宣伝に終わらず、共産主義者をやり込めたり、アメリカの未来をメンタルな面で描写したり、面白い脚本になっている。
この作品は第二次大戦前夜、突如として世界の田舎アメリカに現れた”未来”が垣間見える貴重な映像である。 (解説:聖 咲奇)
過去から見た「アメリカの未来」。おもろい発想の映画。






