出版社/著者からの内容紹介
演技派小学生子役として、現在最も注目される美山加恋ちゃん
の初著書です。子どもから少女へと変わりつつある微妙な年頃、10歳を迎えた
今、何を考え、どのように日々を生きているのかーー。
学校のことから友だち、趣味、家族、将来の夢、そして仕事のことなど。この1
冊のために、半年の時間をかけて取材、まとめあげた完全語り下ろしの書です。
インタビュアーは、『セックス・ボランティア』がベストセラーとなったノン
フィクションライターの河合香織さん。果たして10歳とはナニモノなのか。美山
加恋ちゃんを通じて、10歳のリアルな姿が浮かび上がってくるハズです!
カバーの折り返し
まだ10年しか生きていないから大人の人が言う「幸せ」とか「生き
る」ってこととかよくわからないけど、10歳の私は、友だちがいっぱいできて、
みんなで遊んでいるときが一番幸せです。--メッセージより
著者について
美山加恋(みやま・かれん) 1996年12月12日生まれ
の10歳。2002年舞台でデビュー。『僕カノ』こと、SMAP草なぎ剛さん
主演の高視聴率ドラマ『僕と彼女と彼女の生きる道』(04年フジテレビ系)で、
草なぎさんの娘・凛ちゃん役で一躍注目を浴びる。以降、大ヒットを記録した映画
『いま、会いにゆきます』(東宝)に出演、ドラマ『ちびまる子ちゃん』・たま
ちゃん役を好演。人気バラエティ『脳内エステ IQサプリ』では「名探偵 加恋」
として準レギュラーで出演中。
抜粋
『10歳のキモチ』エピローグより、一部抜粋------(インタビュ
アー・河合香織)
原宿駅の道路わきで、美山加恋は笑顔で力強く手を振っている。
私は、過ぎ去るタクシーの後部ガラスから後ろを振り返った。彼女はまだ手
を振っている。
結局、車が見えなくなるまで振り続けていた。
そのとき、私はそれを彼女のプロ根性だと思った。子どもであれ、プロとして
第一線で仕事をしていく上では、そういう他人への気配りが欠かせないのだろうと......。大人への配慮に長けた子ども、最初の出会いで私の目にはそう映った。
美山加恋へのインタビューは、八月の猛暑のスタジオに始まり、早稲田の戸
山公園、秋の高尾山でのハイキング、年の瀬に彼女の地元で、と場所を変えて行ってきた。大人のように深遠なことを言ったかと思ったら、無邪気な子どもらしい顔を見せる。折り紙を教えてくれたり、似顔絵を書いてくれたりもした。その間に、九歳だった彼女は、十歳になっていた。
私は、十歳の少女にまつわる事件を数年間取材してきていた。その少女は、連れ去り事件に巻き込まれた被害者とされた。しかし同時に、自ら連れ去り犯と行動することを望んで、すべての持ち金の管理も少女がしていた。保護されたとき、「家には帰りたくない」と言ったという。家にも学校にもどこにも居場所がないからこそ、中年男性とともに行動をしたように思われた。
最近は、小学生の自殺も相次いでいる。今まで私は十歳というのはまだ子どもだと思っていた。だが、現在、十歳というのはどういう年なのだろうか。
少年は十四歳が変わり目になりやすいと言われたが、少女の場合は、身体的にも子どもから女性に一歩足を踏み入れ始める年齢である十歳、十一歳あたりが岐路になりやすい。その年をどう過ごしたのかは、将来をも左右する重要なものとなるのだろう。
そういう時期を、美山加恋はどんなふうに過ごしたか。私はその成長をテレビ画面や取材を通して見つめてきた。もっと天才的な女優はいるだろう。もっと整った容姿の少女もいる。
なぜ彼女が国民的に人気を獲得しているのだろうか。彼女の最大の魅力は、その普通さにある。収入があるのにも関わらず、十歳だからお小遣いは一か月千円。言葉遣いや考え方、まさにどこでもいる十歳の少女である。
もちろん芸能人という、普通とはいいがたい職業についている。十歳で仕事をしていていること自体、特殊なことである。一緒に仕事をした大人が絶賛しているような普通ではない忍耐力やプロ意識、才能も兼ね備えている。人よりも何十倍努力もしているだろう。
だが、美山の常識を逸脱しない普通さは安心感を呼ぶ。画面の向こう側にいても、近所にいる少女のように気さくに有り続けている。それは素顔もそうだ。作り物ではない、普通の感覚を持っているからこそ、彼女が愛されるのだ--------。
「子役」という職業は難しい。「大人の社会を普通の子供より早く知り、かつ、子供の気持ちを保ち続けないといけない」から。
「ケンちゃんシリーズ」の宮脇康之も、自伝の中で、家族崩壊を起こした事を告白している。
僕は「10歳の少女が何を思って生きているのか」にとても興味がある。
出版社/著者からの紹介
名子役から転落して20年、極貧生活から億万長者に。感動の、人間賛歌!
人間は生まれてきただけでも充分立派なんです。この本を読んで希望という言葉をまた信じたくなりました。――劇作家 つかこうへい
なまじ芸能界で頂点を極めただけに、転落したあとの生活は耐えがたいものだった。だから、リストラされた人や、受験に何度も失敗した人、ひきこもりになっている人の気持ちも、少しはわかる気がする。ぼくは、居酒屋で皿を洗いながらも、サングラスとマスクで顔を隠して看板持ちをしながらも、「でも、明日はもっといい日になるだろう」と信じて生きてきた。何度人にだまされても、そのたびに「もっと人を信じよう」と思って暮らしてきた。ぼくにできたのだから、だれだってきっと、いつか笑顔になれるはず――。100回失敗しても、101回明日を信じてよかったと、ぼくは心から思っている。――「はじめに」より抜粋
内容(「BOOK」データベースより)
名子役から転落して20年、極貧生活から億万長者に。感動の、人間賛歌。
内容(「MARC」データベースより)
「ケンちゃん」シリーズの名子役から転落し、40近くの仕事を転々とし、家族崩壊も経験した20年以上の極貧生活。「明日は今日よりいい日になる」と信じてきた著者が、これまでの波瀾万丈の半生を語る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮脇 康之
1961年、東京都生まれ。3歳から劇団「日本児童」に参加し、NHK連続ドラマ「おはなはん」で注目を得る。その後、TBS「チャコねえちゃん」の弟役に抜擢され、1969年から8年続いた「ケンちゃん」シリーズの主役として活躍。シリーズの各作品はつねに25パーセント前後の視聴率を獲得し、テレビ界始まって以来の「お化け番組」と呼ばれる。20歳前後から学園ドラマなどに出演したあと、子役時代のあまりに強いイメージを乗り越えるため、「日活ロマンポルノ」に出演。これが災いして、仕事を失う。以後、漫才師の運転手、ディスコの黒服、墓石の営業、SMショー出演、沖縄での不動産販売、居酒屋の皿洗い、交通量調査など40近くの仕事を転々としながら20年以上も極貧生活を送る。その間、両親は離婚、父親は莫大な借金を残して病に倒れ、兄は自殺を図る。2003年、ビジネスに成功し、どん底の生活から脱却(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)












