秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

碁的vol.4  発行を祝う

2011年05月28日 | 囲碁の話題



  女性プロ・かくも美しく 

 碁的、ご覧いただけたでしょうか。
 私が知る限り、多くのフリーペーパーは、各地域のイベントや店舗の紹介であったり、また商品広告の媒体のようです。一方碁的は、よく考えられた企画記事がたくさん掲載されており、読み応えもある。ゼロからの模索であった創刊号ですら、雑誌製作の経験がない素人が作ったとは信じがたい、充実した構成。もしご覧になった事が無い方がいらっしゃったら、ぜひ読んで頂きたいものです。
 先日放送された『グラン・ジュテ』によると、囲碁のフリーペーパーを作ろう。この発案者はダイヤモンド囲碁サロンのスタッフ、枡由美さんだったそうです。
 「手間がかかるからやめた方がいいよ」
 等々の反対意見が仲間内からあったようです。確かに、IGO・AMIGO(以下、アミーゴ)はボランティア団体。予算にもスタッフにも余力があるわけではない。そもそもフリーペーパーは、営利組織が広告の一環として発行するものですから、仲間の反対というのはむしろもっともな事です。


 しかし一方で、囲碁界のアマ強豪の方がこんな事をおっしゃっていました。

「囲碁の女流棋士の写真集は出版されているの?
 もし本気で囲碁の普及活動をするのなら、その位しなければいけませんよ」

 また私自身、囲碁に関するフリーペーパーがあってもいいのではないかと思ってはおりました。
 囲碁の興味を持っている方がまずフリーペーパーを読み、その次に専門雑誌の購入をする。囲碁を学ぶきっかけづくりには欠かせないだろうという考えからです。
 そんな話をして間もなく、碁的の第一作目が発行されたのです。
 女流棋士の写真集とフリーペーパー、別の場所(碁会所)で話題になっていた事が、まさか別の組織によって実現されるとは考えてもいませんでした。
 東京では、20~30代への囲碁普及がされていました。これらはエアポケット(囲碁ファンが少ない)世代と言われ、特に女性やお子さんの囲碁ファンは特に少ない。そこで有志が集まり結成された団体が、アミーゴ。碁的は、囲碁を知らない若者世代に興味を持って頂ける為の企画や構成がされており、評判も良い。特に、万波佳奈さんを表紙に採用した三作目は、ツイッターでも話題になったとかで、4万部あった在庫もあっという間になくなってしまったそうです。専門の女性ファッション誌以上のインパクトがあったようです。囲碁界初のフリーペーパーは、大成功でありました。

 
   『碁的』 これこそ正攻法の戦略!! 

 碁的の創刊号が作られたのは、アミーゴが主宰する大型イベントの広告としてでした。先に述べた他に、「飛び道具を使うようなもの」という、フリーペーパー発行に対する反対意見もあったそうです。アミーゴの方針は、フェイスtoフェイスを大切にしている。雑誌を大量に印刷して不特定多数の人に配っては……、という最もたる意見。
 しかし一方では、飛び道具も大事。これまでの囲碁の普及方法としては、特に20~30代世代に限って指摘すれば、その大きな役割を果たしたのが『ヒカルの碁』でした。過去の囲碁普及は両親や祖父母等の近親者、あるいは近所付き合いによって囲碁を覚えたというのがこれまでの定石。『ヒカルの碁』世代は、親族や近所づき合いの中で囲碁に接触する事すらなかった、いわば 「断絶の世代」 ともいえるのです。

 全国どこであってもそうでしょうが、『ヒカルの碁』の連載が終わった後、囲碁を学ぼうとするお子さんが減ってしまった〈a〉と聞きます。特にこのときのブームに期待し懸命に普及活動をされていた方にとっては大変なショックであったようです。そんなブームの後の空白を埋めるためには、雑誌による広報戦略は欠かせないはず。とくに、地方では今でネットによる広告活動をしていないところも多いので、フリーペーパーというのは広報としてはこの上ない広報戦略になり得るのです。囲碁を始めたいという方、あるいは囲碁のイベントを手伝ってくださった方々へ雑誌を手土産としてお渡しすると、大変に喜んでいただけるのです。
〈a〉 福島県福島市で長年普及活動をされている宮腰紹子さんと言う方から伺いました。

 囲碁のフリーペーパーとは奇抜な発想と考えられ、碁的発行までには多難多難の連続であったようですが、その結果は大成功のようです。その要因は、
 「必要なものを作り、当たり前のことを当たり前のこととしてやった」
 だけの事と、私は考えています。これがコンスタントに発行されるとしたら、今後の囲碁普及のかなめとしての役割を果たしうると考えています。

 とにかく、碁的のスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。
 次回の発行、楽しみにしています。




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