秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

チャレンジ精神欠乏時代

2012年06月18日 | 囲碁と、日本の未来。

「日本の水資源、中国に狙われる」
 ここ数年、報道などで聞く事があります。その要因として、経済発展する中国国内では食生活も豊かになり、質が良くなおかつ多品種の肉・野菜が消費者から求められており、それらをを育てるには大量の水が必要である為。もしも水だけの問題ならば、日本の国土の数倍ある中国では、本来問題は発生する筈がありません。
 中国で水不足問題の発生原因となったのが、環境汚染問題。
 東洋医学の故郷である中国は、良質の農作物が育てられていました。そこへ経済発展の為に他の先進国で培われたノウハウを取り入れられたのですが、それらを使うにあたって起こりうる環境問題、農薬による土や水の汚染、化石燃料によって発生する大気汚染。これらが原因となり、住民の生活は勿論、食料生産の現場にも多大な悪影響を及ぼしているのです。当然中国政府も対策を執ってはいるのですが、あまりにも早すぎる経済成長のため、環境政策がまるで追い付いていないのが実態の様です。

 そんな問題を抱えている中国に、水の浄化を得意とする日本企業が進出しています。水浄化の手法も多彩で、通常の浄水機を利用する方法、最新科学の光触媒を利用する方法、カキなど貝類の生態を利用する方法、納豆菌で水を綺麗にする微生物を増やす方法…… 水の浄化だけをとっても、色々な方法があるものだと驚きました。


 水問題に限らず、日本企業は外国との取引に力点を置く様になりました。メイドインジャパンの製品が、消費人口が減少する日本国内では売れなくなってきている事。高品質の日本製品が、急成長する新興国で求められている事。最新の精密機械や難病治療の薬開発に必要な資源が、日本には無く外国に多い事。様々な要因が重なりあって、海外進出を迫られているのです。

 しかし、実は日本国内では別の問題が発生。それは、
「有能な日本人の若者が集まらない、集められない」
 と言われているのです。




声にならない声

2012年06月17日 | 囲碁と、日本の未来。
「声無き石の声を聞け」
これは石の働きを最大限に活かす、梶原武雄先生の芸を表現するフレーズだそうです。そんな事出来る訳が無いと言うのが普通の碁打ちの意見。しかし私には全く違和感がありません。
「石の声を聞くのよ、わしらの様にのう……」
という、墓石・石材店のテレビCMをよく見ていたのです。

では、声無き声を聴く、本当にそんな事が出来るのか。そのヒントとして、ドラマ『科捜研の女』から例を。
ある事件の検死の際、死体の口の中を見て、歯や歯ぐきの痛み具合から、被害者は右利きか左利きかを推察するエピソードがありました。例え無言でも、正しい知識を持った人が見れば、必要な情報を見抜けるのです。

別の例の場合。例えば営業マンの間で行く使われる合言葉に、
「お客様が欲しい物はお客様に聞け」
と言うものがあります。しかしそれは疑わしい。誰であろうと、本当に欲しい物は何なのかは実はわからない。かつて、大型の真空管ラジオを自宅に置いて聞いていた時代。誰も見た事が無い、ポケットサイズの小型ラジオをどうやって売り込むか。そこで開発に成功したソニーは、
「これからのラジオは、一人一台」
「いつでもどこでも、あなたが好きなラジオ番組を聴ける」
というフレーズで、新しい物好きのアメリカの人々の心に訴えた。そうした結果、ラジオを新商品として売るだけで無く、これまでにはないライフスタイルを創造する事にも成功したのです。

囲碁の場合、特に指導者の立場にあれば、教えを受ける人がどんな問題に戸惑っているかを察する感受性を鍛える必要があります。棋力が低い人は困り事を自分の言葉では説明出来無いし、有段者の場合には思い込みによる失敗がある。そんな問題の際には、指導者自身の知識やチカラを自慢する事はせず、相手の自尊心を傷付けない配慮が必要。その上で、相手が確かに上達する為の策を提供する。それこそが、真の指導者の役割なのです。

日本の不安  

2012年06月04日 | 囲碁と、日本の未来。


 先日の若者の自殺が増加していると、東京新聞の記事にあったそうです。
 自殺の原因とされるのが、リーマンショックに始まる世界恐慌、それに追い討ちをかけるのが昨年の大震災、欧州経済の悪化とそれに伴う急速な円高、タイの大洪水による日系企業の操業停止。これらが原因となり、企業が新卒者の採用人数を少なくしている為だそうです。

しかし、それだけが原因なのでしょうか。私が考える所、現代社会の市場に対し、日本の公教育が良い人材を送り込めない為ではないのか。これは金儲けに関してでは無く、具体的にはモノ作りや街興しの現場との関係性について。更に付け加えれば、地域によっては近所付き合いや違う世代との交流が乏しく、家族以外との関わりは学校と学習塾だけという小学生も多いのではないでしょうか。

これらの問題、どの様に対応すれば良いのでしょうか。囲碁をやればいいと言う人もいるでしょうが、では具体的には?
これから数回に分けて、このブログで取り上げる予定。
宜しければご覧下さい。