秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

精神的なたくましさを!!

2008年01月28日 | 囲碁の話題
 26期(2007年)女流本因坊戦の5番勝負、特に2局目はあってはならない逆転劇。対局者双方にとって手痛い1局だったようです。プロの対局でもごく稀にあるようですが、タイトル争奪の最前線で戦う矢代さんであれば、 また世界大会の日本代表の一人であるならば、これは見過ごしにはできない欠点でありましょう。今すぐにでも克服しなければと、内心焦りがあるのかもしれません。

 これについて私が思うところ、矢代さんには、
  「特定の『師匠』がいない」
 事が一因としてあるのではないでしょうか。
子供の頃から院生で鍛えられ、プロの入門試験に合格した人なら確かな実力があるのでしょう。 しかし「師匠の存在」は入段後の人生そのものにもおおきな影響を与えるようです。武宮正樹・九段は田中三七一・七段に鍛えられたことが、「 『宇宙流』 形成」するきっかけになったのは知る人ぞ知る話。小松英樹・九段が安永一さんに師事するきっかけになったのは、確かスランプがきっかけだったと聞きます。

 さて、矢代さんには「特定の師匠」がいないようです。強いて言うなら、実の「お父さん」らしいのです。矢代さんのお父さんはアマチュアの実力者のようで、
「院生になってからも、父にはなかなか勝てなかった」
 と、矢代さんご本人が語っています。
 師匠の有無でよしあしを語ることはできませんが、血縁者でない師匠を持つことはやはり大切なようです。もしかしたら今、今後のプロとしての進むべき道、目標を見つけられずにいるのかもしれません。暗中模索、不安からの脱却こそが、矢代さんの当面の課題ではないのでしょうか。
 できればこれからの3年、小林光一九段の門を叩き、ご主人の金澤秀男・七段とともにしっかりと学ばれるものと思います。
 矢代さんのバランスよい碁に、トッププロとしてのたくましさが備われば、そう簡単に負けることはない。今後、楽しみにしてよいプロのお一人。

 応援しております。