秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

囲碁観戦記の鑑賞術≪12≫ 〜総まとめ〜

2016年02月15日 | 囲碁の話題
  プロがアマチュアに奨める勉強法の1つに棋譜並べがあります。私の場合、まだ誰とも対局した事が無く、自宅用の碁盤を買って間も無くの頃からしていたので、何の抵抗もありません。ところが、意味がわからない、やった事も無いと言うアマ高段者が実に多い。
  原因は何か。私はプロによる指導碁を何度か見た事があります。それを見て感じたのは、囲碁愛好家の多くは実戦一辺倒で、あまり本を読んでいなさそうな感じをうけました。
  いつの碁でも誰の碁でも、毎回手直しや検討がされます。下手の疑問手などをプロが指摘するのですが、その内容の大半は、過去の囲碁のテキストで何度も取り上げられた物ばかり。少し調べればわかる筈の事を、実はアマ高段者ですら知らない。そんな人達は、
「囲碁の本や解説は、何を説明しているのかわからない」
  という過去の経験があるのではないか。難しい、わからない、そんな経験が続いてしまうと、普通の人間であれば、よいはずの物でも遠ざけてしまうものです。

  残念ながら休刊になってしまいましたが、ある囲碁雑誌に、『名局細解』という付録がありました。プロの碁を数手単位で解説する、背広の胸ポケットに入れて持ち運び出来るプロの碁の解説本。
「初学者でも、碁盤が無くてもわかるプロの碁の解説を」
  と言う、名物編集者であった勝本哲州さんの発案で誕生した付録。当初は初学者の為に作られた物が、いつしかプロにも愛読者が広まっていった。分かり易く読み易く、しかし内容は妥協せず。勝本さんが執筆された物を一度だけ読んだ事がありますが、それは打碁の解説書にあらず。ポケットサイズの小説。胸踊る感覚を体験しました。

  難しい事をわかりやすくする工夫。これは私の昔からのライフワークであり、佐々木修先生とも幾多議論しました。それらを、
『囲碁観戦記の鑑賞術』
  という題目で連載致しました。面白かった、何かしらの役にたった、そう思っていただけたら幸いです。




★☆★インデックス★☆★


1≫棋書嫌いの原因は?⇒本を読まない習慣、難しいからと避ける人が多いのではないか?


2≫新聞連載の観戦記を集める⇒詳しい解説がある上に、お金が余りかからない。


3≫好きな人への注目⇒技術はわからなくとも、好きな人の碁は並べやすい。


4≫作戦に注目する⇒あれこれと手を出さず、好きな打ち方を見つけ、詳しく研究する。


5≫つなげる事の重要性⇒石のつなぎ方と切り方をセットで学ぶ。

6≫読み物としての楽しみ⇒対局解説以外にも、様々な面白い話題がある。

7≫分かりやすくする工夫⇒拡大コピーをしたり進行手順を色分けしたりすると、棋譜が読みやすくなる。


8≫先攻めか後攻めか⇒戦いの大まかな流れを意識すれば、戦いのポイントがわかりやすくなる。


9≫棋譜分類について⇒布石別や定石別に分類すると、勉強する際に役に立つ。

10≫ネットサービスを活用しよう⇒プロのブログ等には、雑誌や新聞などに取り上げられなかったエピソードが紹介される事もある。

11≫セカンドオピニオン⇒わからない事はプロに聞く。アマチュアにはわからない事があるのは当然なのだから。

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