1年遅れとなってしまいましたが、一昨年は謝さんが女流本因坊5連覇を達成、去年は6連覇を決めました。日本国内の女流棋戦では前人未到の快挙。その快挙を達成した打碁の着手に、謝さんの変化らしきモノが感じられるのです。
..まずは第30期女流本因坊戦の振り返りから。
第30期..女流本因坊戦
五番勝負 第1局目
..黒;向井千瑛
..白;謝依旻
「白30は打ち過ぎ。打つなら白53に……」(王銘エン)
※白30のすぐ近くには、白が手抜きし黒が強くなったツケヒキ定石(黒03〜黒13)がある。この形には、白が寄り付く隙がない。これは私見。
この碁は、NHK教育の囲碁将棋フォーカスで紹介され、黄孟正・九段が解説されました。序盤戦や中盤戦に関しての鋭い黄先生の解説は何度か聞いていますが、そんな黄先生が向井さんの打ち回しをべた褒めされていました。
この碁については、謝さんの過ぎた剛打を正確に受け止め、その後は向井さんが返し技を的確に決めました。剛打の謝さんに剛打で打ち勝った向井さん、並外れた潜在能力が見事に発揮された1局でした。
向井さんについての意見を当ブログで書いた事がありましたが、それは撤回致します。
そしてもう1つ。黄先生や銘エン先生が疑問視した白24。実はこの下がりが、今の謝さんの棋風を表しています。これを前提に、第31期の五番勝負をみてみます。