秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

囲碁上達 「『ヨミ』は省略できるか」(2009-12-20)

2009年12月20日 | 囲碁の話題
 12月05日深夜、日付が変わるかどうかという頃に、三浦浩さんが当店(碁席秀策)にいらっしゃいました。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、アマチュアの全国大会で何度も優勝されている実力者。その三浦さんが、途中打掛けではありましたが、当店のお客さんと打たれました。
 『三浦浩 三子局指導碁』
 対局の途中、お客さんに対しアドバイスされたのが、「戦いに対する心構え」。なるほどと思った一言を、少しご紹介したいと思います。


   ☆ヨミは『戦い』が始まってから☆
 あるお客さんがネット碁を終えた後、「打とう」と三浦さんから誘われ、三子局の対局が始まりました。
 白、一手目小目。
 黒、小ゲイマガカリ。
 白、三間高バサミ。
 黒、二間飛び。

 そこで定石が一段落した後、別の場でまた別の定石。二ヶ所目の定石がまた一段落した後、最初の定石に対し、白は上手に対しある戦い(注文?)を仕掛けます。確か「桂馬につけ越し」です。
 つけ越しの数手後、黒は地所を取りに行く打ち方をしました。
 実は、それは失着だったらしい。
 「あなたが一生懸命考えて打った一手なら、定石でなくても私は反対しない。でも、戦う場所で戦わないのはよくない。切れる石があったら切る。そしてそこからヨミをはじめるんだ」
 なるほどと思いました。
 ヨミが大事だというのは当然で、強くなるには三手のヨミを心がけるということはよく言われます。しかし、囲碁は初手から終局までが長い。長い時間、ヨミを続けるのは大変。そこで三浦さんのアドバイス、
 「ヨミは戦いが始まってから」
 を意識して打つようにすれば、上達には大変なチカラになると思うのです。

 それに併せて心がけたいのは、以前、当店で師範をされている佐々木修先生には、
 「1に連絡、2に形」
 の言葉でした。仔細は以下のとおり。
  「石をつなげるように打ち、形をきれいに打てば、不要なヨミを省略できる」
 との事。ううん、おっしゃるとおり。
 さらに付け加えれば、

 ①自分の石はアキ三角(愚形)を打たないように心がける。
 ②相手にはアキ三角(愚形)を打たせるように心がける。

 のが、佐々木先生からのアドバイス。これは、級位者にも有段者にも大事なことだそうです。


 これまで出版された多くの囲碁本には、「詰め碁でヨミを鍛える」ことが大事だと書かれています。しかし、詰め碁は難しいということも大勢いらっしゃる。それなら、アマチュアでも最高峰の実力の持ち主である三浦浩さんや佐々木修先生のおっしゃったアドバイスが、きっと力になると思います。

 これをごらんの皆様、一度お試しください。