8月11日、石井茜・初段との対局を持って、向井さんが女流本因坊戦の挑戦者に決定しました。(220手完、白番中押勝)
向井さんはプロとしてデビューした時、謝依旻・女流本因坊、奥田あや・二段とともに、「女流黄金世代」と呼ばれた実力者。この三人は平成16年にデビューした同期。プライベードはとても仲がいいとか。またヨミのチカラも抜群で、女流の中ではもちろん、現代のトッププロと比較しても全く引けを取らない。謝さんがタイトルを独占する事を考えれば、向井さんや奥田さんは少し遅れを取っている感じがあります。未だタイトル奪取はかないませんが、それでもこのお二人を弱いと評価するトップ棋士はいないそうです。
昨年の女流本因坊の挑戦手合について、
「向井四段の神髄を試される5番勝負になる。
もしタイトルを取れなければ、タイトルに挑戦する事が出来なくなる可能性がある」
という事をこのブログに書きました。それは、
「女流棋戦の世代交代は激しい」
という現実があるからです。そんな現実をものともせず、向井さんはタイトルホルダーへの挑戦権をつかみました。
ここで少し、向井さんの過去の挑戦手合について振り返ってみましょう。私が確認しただけで、過去4度、挑戦手合に出場されています。この数年は謝さんが女流棋界で独走する中、向井さんと梅沢さんがタイトル戦にて活躍されている。このお三人の実力は別格という事でしょうか。
さて、今回はどうなるのか。
女流本因坊戦……2010(平成22)年 謝依旻・五段が防衛
女流名人戦 ……2011(平成23)年 謝依旻・五段が防衛
2010(平成22)年 謝依旻・五段が防衛
女流棋聖戦 ……2008(平成20)年 梅沢由香里・五段が防衛
過去の挑戦手合いでも、見事な戦いを演じてくれました。
さあ今回はどうか。
前回よりまた実力を上げられた事を願い、五番勝負を楽しみに拝見させていただきましょう。
さて、惜しくも挑戦権を逃した石井茜さん。
「序盤から中盤にかけては(石井さんにとって)打ちやすい形勢。
中盤以降、お互い失着を出した後、最後のポカで投了」
と、ご自身のブログ に書かれていました。
しかし負けたとはいえ、石井さんが弱いという評価にはなりません。この負けは勝負どころで向井さんにヨミ負けしてしまった事であり、それ以外では互角かそれ以上。あくまでも、中盤戦以降の勝負所の問題であるのです。
それにこれは私の感覚なのですが、院生をやめてアマチュアの世界を経験した事のある女流棋士は、なぜか序盤から中盤にかけての打ち回しがうまくなる。これは石井さんに限った事ではなく、梅沢由香里さん、青葉かおりさん、中島美絵子さん、万波奈穂さん、下坂美織さん、他にも数名。序盤戦は勝ち負けにあまり影響しないと考える人も多いでしょうが、それでも序盤に握手を打たないためには、やはり人並み以上の修行が必要なのです。
石井さんへは、これからの御活躍の期待を込めて、次の言葉をメッセージとしてお送りします。
たしか、梶原武雄先生の打碁集にあったと記憶しています。
「どんな一流のプロでも、一局を通して悪手を出さずに打ち切るのは困難。
それが出来たら道策・秀策・秀哉といった大名人の実力、神授の領域に等しい。」
向井さんはプロとしてデビューした時、謝依旻・女流本因坊、奥田あや・二段とともに、「女流黄金世代」と呼ばれた実力者。この三人は平成16年にデビューした同期。プライベードはとても仲がいいとか。またヨミのチカラも抜群で、女流の中ではもちろん、現代のトッププロと比較しても全く引けを取らない。謝さんがタイトルを独占する事を考えれば、向井さんや奥田さんは少し遅れを取っている感じがあります。未だタイトル奪取はかないませんが、それでもこのお二人を弱いと評価するトップ棋士はいないそうです。
昨年の女流本因坊の挑戦手合について、
「向井四段の神髄を試される5番勝負になる。
もしタイトルを取れなければ、タイトルに挑戦する事が出来なくなる可能性がある」
という事をこのブログに書きました。それは、
「女流棋戦の世代交代は激しい」
という現実があるからです。そんな現実をものともせず、向井さんはタイトルホルダーへの挑戦権をつかみました。
ここで少し、向井さんの過去の挑戦手合について振り返ってみましょう。私が確認しただけで、過去4度、挑戦手合に出場されています。この数年は謝さんが女流棋界で独走する中、向井さんと梅沢さんがタイトル戦にて活躍されている。このお三人の実力は別格という事でしょうか。
さて、今回はどうなるのか。
女流本因坊戦……2010(平成22)年 謝依旻・五段が防衛
女流名人戦 ……2011(平成23)年 謝依旻・五段が防衛
2010(平成22)年 謝依旻・五段が防衛
女流棋聖戦 ……2008(平成20)年 梅沢由香里・五段が防衛
過去の挑戦手合いでも、見事な戦いを演じてくれました。
さあ今回はどうか。
前回よりまた実力を上げられた事を願い、五番勝負を楽しみに拝見させていただきましょう。
さて、惜しくも挑戦権を逃した石井茜さん。
「序盤から中盤にかけては(石井さんにとって)打ちやすい形勢。
中盤以降、お互い失着を出した後、最後のポカで投了」
と、ご自身のブログ に書かれていました。
しかし負けたとはいえ、石井さんが弱いという評価にはなりません。この負けは勝負どころで向井さんにヨミ負けしてしまった事であり、それ以外では互角かそれ以上。あくまでも、中盤戦以降の勝負所の問題であるのです。
それにこれは私の感覚なのですが、院生をやめてアマチュアの世界を経験した事のある女流棋士は、なぜか序盤から中盤にかけての打ち回しがうまくなる。これは石井さんに限った事ではなく、梅沢由香里さん、青葉かおりさん、中島美絵子さん、万波奈穂さん、下坂美織さん、他にも数名。序盤戦は勝ち負けにあまり影響しないと考える人も多いでしょうが、それでも序盤に握手を打たないためには、やはり人並み以上の修行が必要なのです。
石井さんへは、これからの御活躍の期待を込めて、次の言葉をメッセージとしてお送りします。
たしか、梶原武雄先生の打碁集にあったと記憶しています。
「どんな一流のプロでも、一局を通して悪手を出さずに打ち切るのは困難。
それが出来たら道策・秀策・秀哉といった大名人の実力、神授の領域に等しい。」