少年の日々

はじめて考えるときのように

ノルウェイの森

2010年12月18日 | Weblog

GR DIGITAL III

トラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」を観ました。

もちろん、村上春樹の小説によって本の世界に引き込まれた僕は、

原作のイメージと対比しながら観ざるを得ない。


「ワタナベ」と呼ばれる主人公は、例によって、1969年という時代に

大学生でありながら、他の大学生とは一線を引いている。


時間によって洗練された本を読んで、

時々永沢さんに誘われて女の子を抱いて、

直子を想うことでバランスを取っている。


不安定でいて、確固たる世界を築いている

ワタナベの世界を、重たく、美しい映像で

見事に描き出している。


ストーリーは切り取られ、

象徴的なシーンのみ抽出され、

原作のイメージを持っていない方には

掴みどころがない作りになっているため、

たぶん、大ヒットはしないが、それでも、

原作を再度読み返したい想いに駆られるには

十分だ。


ということで、みなさん、原作を買ってください(笑)