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久しぶりに村上春樹の「螢・納屋を焼く・その他の短編」を読んでいる。
僕が本を読み始めたきっかけは村上春樹の「スプートニクの恋人」だったのだけれど、
本を読むことで自分の中にそれまで存在しなかった思考が生まれること教えてくれたのが、
村上春樹なんです。
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ひとことで言えば小人の踊りは観客の心の中にある普段使われていなくて、
そんなものがあることを本人さえ気づかなかったような感情を
白日のもとにひっぱり出すことができたのだ。
------「踊る小人」より抜粋------
と、例えばこの文章を読んで、そういう感情が人にはある、
っていうことを知ったのが僕にとっての革命で、
僕にも普段使っていなくて、そんなものがあることを気づかない感情があって、
芸術というものはそれを引っ張り出してくれるから芸術なんだ、
というこをまさに「知る」わけです。
やはり僕自身の中にある知識や経験なんていうものはちっぽけで、
自分の中だけでは絶対に見つけられない鉱脈を、
本というものは照らし出してくれる。
当たり前のことを、自らの経験を通して本気で知ることは、
それなりに意味があることであるなあ、
ってなことを考えました。