少年の日々

はじめて考えるときのように

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

2011年07月18日 | Weblog

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久しぶりに村上春樹の「螢・納屋を焼く・その他の短編」を読んでいる。

僕が本を読み始めたきっかけは村上春樹の「スプートニクの恋人」だったのだけれど、

本を読むことで自分の中にそれまで存在しなかった思考が生まれること教えてくれたのが、

村上春樹なんです。

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ひとことで言えば小人の踊りは観客の心の中にある普段使われていなくて、

そんなものがあることを本人さえ気づかなかったような感情を

白日のもとにひっぱり出すことができたのだ。

------「踊る小人」より抜粋------


と、例えばこの文章を読んで、そういう感情が人にはある、

っていうことを知ったのが僕にとっての革命で、


僕にも普段使っていなくて、そんなものがあることを気づかない感情があって、

芸術というものはそれを引っ張り出してくれるから芸術なんだ、

というこをまさに「知る」わけです。


やはり僕自身の中にある知識や経験なんていうものはちっぽけで、

自分の中だけでは絶対に見つけられない鉱脈を、

本というものは照らし出してくれる。


当たり前のことを、自らの経験を通して本気で知ることは、

それなりに意味があることであるなあ、

ってなことを考えました。

どんより

2011年07月09日 | Weblog


自分の職階が上がれば、それだけ発言力(影響力)が増すのだろうけど、

まだその拡大範囲というものがわかっていなくて、

とりあえずいままで続けてきたスタンスを保ち続けている。


思い出すのは入社2年目。

弊社に提案賞というものがあって、

まあ、よくある業務の改善コンクールなんだけど、

その新人賞と最多提案賞を受賞したので、

人事部から「課長研修でどうやって受賞に至ったかを話してくれ」という

オファーを受けた。


もちろん、課長クラスの人たちに若手を活性化するための

起爆剤として僕を投入したのだろうが、僕はその場で課長のみなさんに

「提案コンクールなんていらない」という話をしました。


7年前のことなんで、詳細までは覚えていないけど、

形骸化したコンクールでいくら賞を取ったところで、

受賞者はうれしくもないし、会社が変わるとも思えない、

という理由だった気がする。


まあ、入社2年目の社員がそんなことを言っても

「若いなあ」という目で見られてちゃんちゃんと終わるんだけど、

入社8年目の係長がまったく同じスタンスで各会議で

縦横無尽に発言している。


はっきり言って、それなりに筋が通っていることを、

言われる方は結構つらい。

つらいのも分かる。

でも、なあなあな感覚で続けるくらいなら、

止めたほうがいいことはあるし、

アイデアが必要ならばいくらでもいっしょに考える。


そんな気持ちもありつつ、

それでも、言われるほうはつらいだろうな。


もうちょっと自粛しよう。