音楽というものから一時も離れたくない時期があって、学校からの帰り道も、家に帰ってからもウォークマンから手を離さなかった。
そういった時期に吸収した音楽たちが僕を形作っている。
音楽を聴くとき、僕は大抵現実逃避に陥ってしまう。その音の世界に入り込み、上手く抜け出す事が出来ない。音楽と言うものは僕にとって現実とは一線を隠した存在で、そこにある繋がりをどうしても見出す事ができないのだ。
前にも書いたけど、小説は不思議と僕を世界から切り離す事をしない。世界はそこにあり、僕はその一部である。言葉で綴られた世界は僕の中にある。
世界史が日本史よりも苦手だったのは(と言っても日本史も苦手だ)、人名がカタカナだったことに起因する。頭にまったく入ってこない。音で名前を覚える事が出来ない。日本史ならば、漢字というビジュアルから名前を覚える事が出来る。意味を手繰り寄せて頭に括り付ける。
だから、なんで音楽やっているんでしょう?