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カメルーン列車事故の余波(前編)〜未曾有の事故はなぜ起きたか?

2016-11-07 07:30:27 | アフリカ情勢
10月21日に発生してから、アフリカメディアで連日大きく報じられてきたカメルーン、カムライ鉄道の列車事故の大惨事。死者79名、負傷者約600名を生む惨事となった。これまでのメディアの情報を総合しながら事故を振り返ってみたい。



事件が起きたその日、ヤウンデ・ドゥアラ間の国道3号線が寸断していたことから、この列車にはかなりの旅客が集中していた。そのため、通常9両で運行する列車に8両を増結し、17両という超長編成で運行することとなった。そして車内には床に座る人、立席の人などを含め、1,300人の乗客であふれていた。

この列車が事故現場であるエソカ駅付近に侵入した時の速度は約80キロとみられている。これは通常の速度の倍であった。死傷者の多くは編成後部の車両にいたらしい。過負荷運行が指摘される。

このスピード超過の原因は何か?過積載の他にも、整備不良などの可能性も指摘される。事故列車を運転していた運転手は保護観察下にあり、健康・精神状態の安定を待って事情聴取が行われることになっているが、あわせて鉄道運行における技術や経営管理についても全面的に操作が及ぶことが示唆されている。

その中で注目すべき記事を10月28日のフランス国際ラジオ放送(RFI)が報じている。この記事は、カムライ関係者に「箝口令」が引かれていたというある事実について触れている。それは、カムライに新しく調達され、運用に供されていた事故車両には、もともとブレーキの欠陥が指摘されていたというのだ。そしてこの車両は、通称「中国車両(Wagon Chinoises)」と呼ばれていた。事故との直接因果関係はまだわからない。

未曾有の大事故。カメルーン政府は事故後、負傷者の医療費をカムライ鉄道会社とともに負担するとともに、事故調査委員会を組織して事故原因の解明にあたることをさしあたり発表。なんなとかその場を取り繕うとした。しかし犠牲者とその家族のみならず、国民からは、かつてない厳しい視線が向けられている。

(つづく)

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