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駆け込み選挙ラッシュの西アフリカ〜三つの選挙情勢

2016-12-18 07:30:38 | アフリカ情勢
2016年、年の瀬。アフリカの多くの国ではクリスマスモードに向かいつつある中、年末駆け込みで政局が動いている。そのどれも目が離せない。

筆頭は先日もお伝えしたコンゴ民主共和国情勢。

コンゴ民主共和国、いよいよ迫るXデー(1)〜カビラ政権のレジティマシー

17日の与野党協議は物別れに終わり、どうやらこのままあす19日、いよいよ大統領任期切れのXデーを迎える。18日予定されていたサッカー国内リーグの試合は延期が決定され、明日の夜からはSNSのみならず、インターネットの接続が遮断されるという。日本人を含む外国人もも早くから事実上の出国措置を取っている。

旧宗主国ベルギーとの関係は一層緊張している。16日、フラマン系の公共放送VRT、民間テレビ局のVTMの取材チームが「理由なく」強制退去の措置がとられた。15日にはベルギー軍のC-130輸送機の定期便が「外交上のアグレマン取り付け未了」を理由に、着陸直後に帰国の途につかされた。コンゴ側はXデーへのベルギー軍の介入を排除するとの板があったと伝えられる。ベルギー大使は在留民に一時退避を勧告した。

緊張の中、はたしてキンシャサはXデーをいかに迎えるのか。


次のトピックはガンビア大統領選挙後情勢。
【速報】「やっぱいまのナシ!」ジャメ大統領が敗北を否定〜ガンビアという国(11)

当地本日の17日、西アフリカ経済共同体(ECOWAS)サミットがナイジェリアのアブジャで開催された。議長国リベリアのエレン・ジョンソン・サーリフ大統領のもとに参集した加盟国大統領たちの主要議題は、もちろんガンビア問題である。

これに先立つ13日、リベリア・サーリフ大統領、ナイジェリア・ブハリ大統領、ガーナ・マハマ大統領、シエラレオネ・コロマ大統領がバンジュルを訪問。ヤヒヤ・ジャメ大統領への説得を試みた。特にガーナのマハマ大統領は、12月7日の大統領選挙で敗れ、当選したナナ・アクフォ・アド候補に政権移管を約束したばかり。しかしこの交渉では残念ながら大きな進展はなった様子。そんな中、選挙管理委員会は軍の管理下に置かれ、国連事務総長西アフリカ特使であるジャンガス女史との会談は拒否された。

今回のアブジャでのECOWASサミットはクローズで行われた。報道によればECOWASとして選挙結果の尊重を基本姿勢とし、ジャメ大統領に迫っていくことで一致したものの、具体的アクションにはなかなか踏み込めていない、と報じられている。ガンビアの憲法に定める職務引き継ぎの期限は選挙の日から60日間とされている。ガンビア、ジャメ大統領にもXデーが来るのか。


そしてもう一つの選挙。きょうは当地コートジポワールの国民議会選挙の投票日だ。
(街中の選挙広告)

コートジボワール「乾季の陣」(2)〜選挙制度と政局

7日間の選挙キャンペーン中には選挙集会への妨害や支持者への襲撃などが報じられたものの、おおむね平穏に選挙戦は進行した。そして他の周辺国同様、選挙前日17日(土)は「熟慮の日」(Journée de réflexion)として、集会や街宣は禁じられる。アビジャンは静かにこの日をやり過ごした。

10月の憲法改正国民投票では、投票日に投票所の襲撃などが相次いだ(→参考過去ログ)。今回、ギグロなど一部の投票所では、撤退オペレーションの最中にある国連コートジボワールミッションの軍による警護が行われている。



年末の駆け込み選挙戦。いずれの国の政局においても、この週末がポイントとなる。サンタクロースはアフリカ諸国に平和というクリスマス・プレゼントを届けに来ることができるだろうか。かつてない慌ただしい年の瀬が続く西アフリカだ。

(おわり)

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