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カメルーン大統領選挙速報2018(1)〜フライングにはイエローカード?!

2018-10-09 07:30:00 | アフリカ情勢
ブログでトピックにしたいことがニラゴンゴ山級に積み上がっているのだが、その話題を先送りにしてまで、この話題に触れないわけにいかない。

7日(日)に全国2万5千ヶ所の投票所で行われたカメルーンの大統領選挙。与党が描くポール・ビヤ大統領7選の無風選挙のシナリオどころか、荒れ模様を呈してきた。

(前回の記事)
カメルーン、そして大統領選挙へ〜サプライズか、茶番か。

内外のメディアの報道によれば、投票当日、首都ヤウンデや経済都市ドゥアラでは、いつになく整然とした準備、粛々とした投票が行われた様子。メディアのインタビューの答えた女性は「毎年、投票時間に行っても開いていなかったり、自分の名前が登録されていなかったりバタバタ。でも今年は時間通りに準備されていて、混乱もなかったわ」。若手の男性「貴重な一方を投じてきた。国は変化を必要としている」。はたまた少し歳を召した男性「自分は投票にはいかないつもり。透明性も、公正さも、全く信用ならないから。」

他方、予想通り荒れたのは英語圏地域の2州。投票所にはほとんど人影がなく、それぞれの州都バメンダ、ブエアでは銃声が聞かれたとの報道もある。8日、シンクタンク機関のインターナショナル・クライシス・グループが発表したところによれば、同地域の投票率は「5%にも満たない」。

(Jeune Afriqueウェブサイトより)


有権者、そして候補者は、選挙開票の結果発表を待つこととなる。メディアでは、すでにドゥアラ、ヤウンデでの開票は終了。地方部では停電が続き、闇夜に懐中電灯で開票が行われたところもあったという。開票結果は独立選挙管理委員会(CEI)がとりまとめ、憲法裁判所で承認される。発表はそのあと、法令上は2週間以内に発表すべきと定められている。速報値の発表にも、まだ数日を要する見込みだ。


投票から一夜明けた8日(月)、野党モーリス・カムト候補は支持者を集め行われたスピーチの中でこう述べた。
「ここに自分がペナルティキックを蹴る任務が課せられた。そしてゴールに得点が刻まれた。・・・ポール・ビヤ大統領は速やかに職務交代に応じるべきだ。」
開票を待たず、自らの当選を主張したのだ。

これに対して与党側は「レッドカード」を提示。イッサ・バカリ政府報道担当大臣は「法やプロセスを無視した非常識な言動」と批判。ポール・アタンガ・ンジ内務大臣も「正式な結果発表を踏まえない法の精神を無視した行動、看過できない。」と述べた。


これまでもアフリカの選挙で、結果を待たずして一方の候補が当選を主張するような場面が散見されてきた。最近では2016年のガボンの大統領選挙で野党アリ・ボンゴ候補が開票結果発表の前に当選を主張、大きな衝突の種となった。イヤな予兆。

今回のカムト候補の発言をどう見るか。一つには、いささか軽率であった、本当に選挙結果をめぐる係争が生じるとしたら、冷静で賢明な姿勢を示しておいたほうが、後々自の信頼性を高めることにつながった。まして彼は法曹界の出自、弁護士なのだから、との見方もある。

他方、いや、どう転んでも選挙結果は操作され、最終発表はビア当選を告げるだろう。であれば今から当選を主張し、票の操作ができないようにしたほうが賢明、あるいは票の操作が行われてもそれが誤りであることに注意を引くことが賢明だ。そういう見方もある。

一部の情報では、すでに金曜日の段階で、各投票所の「開票結果表」がSNS上を出回っていた、との情報もある。本当にそれが真実であれば、選挙はまさに茶番だったということになる。真実はわからない。

そして今後、何が起きていくのか。予断を許さないカメルーンの選挙速報は次回につづく。

(つづく)


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