甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

M-1グランプリ2010 総括

2010-12-29 01:17:54 | お笑い全般
最後の年だったのですが、私は今年敗者復活をリアルタイムで見ることが出来ませんでした。
人生で一度は大井に行きたかったのですが、残念ながらそれもかないませんでした。
そんなわけで、どうもいまいち気持ち的にM-1への盛り上がりが少なくなってしまったままの決勝だったので、今年は少し簡単に。
敗者復活を録画してあるので、見終わって何か書きたいなと思ったら、また裏総括やるかもです。
あと、ちなみにお知らせなのですが、諸事情により、現在2009年の裏総括を非公開設定にしております、ご了承ください。

私は元々、笑い飯がそんなに好きではありませんでした。
何がダメだか自分でもわからないのですが、なんとなくハマらないなとずっと感じていて。
そんな私が、思わず笑ってしまったのが、2005年の最終決戦でのハッピーバースデーでした(笑)
なんてバカなんだろうと思ったんですよね(笑)
こんな大舞台で、こんなネタをやるのか!!とびっくりして。
普通、M-1ってきっちり細部まで「練習しましたー」っていう漫才を見せるものだと思っていたんです。
それが悪いと言ってる訳じゃないし、そういうネタだって面白いし、実際にこのネタだって練習してない訳ないのですが、それでも私は、その力の抜けた感じが好きでした。
もちろんその年の優勝はブラマヨで文句なかったのですが、「こういうのが本当のお笑いなのかもしれないな」と思っていました。
そこから、毎年出番前の煽りVTRや控え室でボケてるところや、敗退コメントの「思てたんとちがうー!!」なんかを見て、
このお二人は結果ももちろんだけど、それ以上に楽しんでやってるんだなって思った。そこから好きになっていきました。
去年も、なんで最終決戦であんなネタをやったんだと責められていても、自分達の好きなネタで優勝したかったんだと堂々と言っていたし。
M-1で勝てる漫才を追求していたのだろうけど、それでもぶれずに自分達のやりたいことをしっかり持っている。
優勝するべくしてしたのだと思いました。
おめでとうございました!!

なんか、今年は今までで一番面白くなかったという意見が多くてびっくりです。
そうかなぁ?私はむしろ、全体的に結構面白かったと思うんですけどね。
それは、全組まんべんなく受けていて、まぁ悪く言えば無難な感じだったということかもしれません。
だから、ずば抜けて面白いという印象が少なくて、それで面白くなかったという感想につながったんですかね。
そんななかで、大健闘したスリムクラブ。
本当に面白かった~!!
最近のM-1って、ボケを入れるだけ勝てるみたいな風潮があった気がして、実際そういうことを論じていらっしゃったライターさんの文章を読んだ覚えもあるのですが、漫才ってそれだけではないだろうと思っていて。
なのでそれを表してくれたスリムクラブの登場は、とても嬉しかったし、そしてとても笑いました。
M-1の魅力は、M-1ドリームって言葉の通り、無名の芸人さんが一夜にしてその名を全国にとどろかせることが出来るってことだと思うんです。
面白いのに面白いと認められていない人が、一気に自分達の面白さを知らしめることが出来るってことだと思うんです。
それを多くの芸人さんが、そしてその彼らを応援している人が目指している。
でも残念ながら、全ての人がその夢をつかめる訳ではないから。
今回のスリムクラブは、そういう人達の思いを乗せて、そういう人達が出来なかったことを代わりにやってくれているような気がしました。
世の中には、まだまだ無名でも面白いやつらがいるんだぞって、それを大勢の視聴者に伝えてくれていると感じたんです。
私は決勝進出者が発表された後、私の求めていたM-1の姿はもうなくなってしまったのか、というようなことを書いてしまいました。
でも最後で、こういう展開になってとても嬉しかったです。

当たり前のことだけど、世の中に、M-1王者という称号のコンビって、たった10組しかいない。
2006年という年に、その10組のうちの一組のファンでいられたこと、そして自分がファンでいるときに優勝してくれたこと、本当に幸せだったと改めて実感しています。
王者たちにとってはもちろん、自分の苦悩と戦い続けてきたからこその栄光。
けれどもそれと同時に、その裏に、多くの悔しい思いをした人達がいるってことを忘れないでほしい。
それを忘れた漫才師には、もう人を楽しませる資格なんてないと思います。
なんか私自身も、そういう事実を忘れちゃいけないなって思っています。
優勝者のファンなのに?
優勝者のファンだから、言ってます。

新しいプロジェクト、ってなんだろう。
どんなことが始まるんだろう。
形はまだわからないけれど、でも、面白い人達がもっと世に出れるようにと願うばかりです。
結局、一度も予選にも大井にも行けなかったけれど、でも毎年毎年本当に楽しませてもらいました。
10年間の歴史にありがとう。