甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

「ライスはもう解散したよ」 8月21日 東京シュール5 ~村上プロデュース~

2009-08-21 23:00:00 | ライブ感想♪
幕が開いて、村上さんが登場。
今回の村上プロデュースは、村上さんが一組ずつとトークをしていくというものだそう。
題して「純の部屋」。
一度暗転して明転した後、テーブルとイスがあり、村上さんとライスが座っている。
村上「記念すべき、一回目のゲストということで」
田所「純の部屋……殺風景ですね」
観覧のお客さんが多すぎる純の部屋(笑)
ここから本当にまったりしたトークの始まり。
関町「なんかあらためて…恥ずかしいよね。」
今回は、各コンビの歴史をたどる感じにしたいそう。
ウィキペディアで調べた村上さん(笑)
村上「お二人は、高校時代からの同級生ということで?」
関町「はい…え、知らなかった?」
純は知らなかった体でいくようです(笑)
ここからは、基本情報みたいな感じのトークが進んでいきます。
高校時代、関町さんはクラスの人気者だった。かっこいいとかじゃなく、マスコット的な意味で。
村上「緑だったらガチャピンだもんね」
一方、人見知りの田所さんは、入学してから3カ月間誰ともしゃべれなかった。
さすがにまずいと思った時、
田所「(自分が)仲良くなって得するのは誰だ?……(関町を指し)こいつだ!」
ということで(笑)、関町さんに近づいた。
村上「今でこそ(田所が)Sと(関町が)Mですけど、最初は力関係が違ったんですね?」
下から下から行っていた田所少年。
田所「『せ、関町くん……ピッチの番号交換しようよ』って」
ピッチをずっとぶら下げていたのに、3カ月間誰からも番号を交換しようと言われていなかった田所少年(笑)
そんな二人は、大学を中退し、お笑いの道に進む。
元々、すぐにNSCに行くことは出来なかったので、大学にいる間にお金を貯めようということだった。
2年と3年の間の春休みに、入学金40万円が貯まったので、一緒に退学届を出しに行くことに。
学部が違った二人は、別々の事務所で手続き。
田所さんが先に退学届を出し、近くのイスに座って待っていると、関町さんがヘラヘラしながら(笑)、歩いてきて言った。
関町『ごめん、休学届出しちゃった』
田所「こいつ、一年間保険かけてたんですよ!俺は何も知らないで退学しちゃったのに!!」(笑)
関町さんの言い分。
大学に行くにもお金がかかっている。4年間通って卒業してほしいというのが親の望みだった。
関町「親がせっかくね、子作り…あ、子育てしてくれたのに――」
あまりのコスさに顔を見合わせて笑ってしまう田所村上(笑)
村上「あの、最近クレームが来てるんですよ、関町さんがコスすぎると!」
色々あってお笑いの道に入ったお二人ですが、漫才かコントかで言うと?
田所「まあもちろん、コントですね」
村上「では、去年からキングオブコントという大会が始まったんですけれども、去年の成績は?」
一気にポカンとした表情を浮かべる田所さん(笑)
関町さんは袖に向かって、
関町「ちょっと、マネージャー!?」
村上「あなたたちマネージャーついてないでしょ(笑)」
大勢の若手を統括しているマネージャーさんしかいません(笑)
田所「去年は、オレが足くじいちゃって出れなかった」
村上「……大丈夫ですか?今ならまだ、ウソって言ってもぎりぎり間に合いますよ?」
田所「え~、真っ赤なウソですね」(笑)
去年は1回戦敗退です。で、今年は?
田所「2回戦で、ギブアップ」
これ今思い出してもおもしろすぎる!!ギブアップってなに!?
フワフワしすぎ(笑)
2回戦で負けた大きな原因は、関町さんが噛み倒したこと。
去年の1回戦もそうだった。
さすがに、田所さんも怒ってしまい、二人の間にピリピリした空気が流れた。
村上「珍しいですよね、なかなかそんな風になることない」
そんな状況で、その後に旅行記というライブがあった(笑)
田所「関町に『かわいい』って言い続けなきゃいけなかった」
地獄の状況だったそうです(笑)
そんな感じで話していると、
突然、ライスの背後から黒い全身タイツの章吾さんが登場!!(笑)
章吾さんはみんなには見えていない設定らしい(笑)
そして、おもむろにサランラップを関町さんの顔に巻きつけ始める!
それを見た村上さんが突然、
村上「せ、関町が消えていく……!!」
ここでバック・トゥ・ザ・フューチャーの音楽が流れ始め、村上さんの背後から、白衣を着てかつらをかぶった大介さん登場(笑)
村上「ドク!これはどういうことだよ!」
ドク「過去が変わり始めているんじゃ……ライスは解散する」
村上「え!?」
ドク「キングオブコントの日に、田所はミスをした関町をボコボコにするんじゃ」
村上「……仁くん、解散なんてするなよ!」
田所「(笑って)何言ってんだよ村ちゃん?ライスはもう解散したよ。だからオレは今日、ピン芸人のジン田所ジンとしてここに来てるんじゃないか」
もう、この言い方が素晴らしかった!!
一気に茶番スイッチが入ったのが最高でした(笑)
そんなわけで、村上さんはKOCでライスが負けた日に戻り、ライスの危機を救うことに。

暗転中のナレーション。
「……野性爆弾。以上が合格者となります」
細かすぎるよ!!(笑)
明転するとイスやテーブルはなく、舞台に出てくる二人。
さっきのはどういうことだと関町さんに詰め寄る田所さん。
関町「わりぃ。噛んじゃった」
田所「噛んじゃったじゃねぇだろ!!」
そこから二人はケンカ、なのですが、取っ組み合いがグダグダ(笑)
途中、田所さんが関町さんのお腹をたたいた時、あまりにもいい音がしたので笑ってしまい、
田所「太ってんじゃねぇよ!!」
関町「三食くってりゃ太るだろ!!」
なんなのその言い分(笑)
それにしても、二人の怒ってる芝居が上手すぎて、思わず笑ってしまいました(笑)
田所さんが隙を見て、金属バットを持ち、関町さんの背後から忍び寄る。(この時、袖で章吾さんか大介さんか、笑いすぎだったんですけど!笑)
振り下ろす――となった時、村上さんが止める。
KOCの決勝でライスの雄姿を見たいと思っているファンを裏切るのかよ!とアツく説得する村上さん。崩れ落ちて泣く田所さん。
で、この後、「なんだかわかんねぇけど――」という、なんでもないセリフを
関町「なんだがわがんねぇけど、」
という感じで、東北方言かと思うほどの訛りで言ってしまった関町さん(笑)
3人とも笑ってしまい中断(笑)
結局、ライスは仲直り。
そして、村上さんの「シュール5は守られた!」というセリフで暗転。

こんな感じで、一組ずつトーク&過去に行ってしまう茶番が繰り広げられていくのでした(笑)


二組目ポイズン。
・出会い、NSC時代の話
・乗り換えがわからなかった阿部ちゃん
 赤坂見附で路線を乗り換えたら、捕まるんじゃないかと思っていた阿部ちゃん(笑)
・二人とも相撲が好き
・単独のタイトルも相撲にちなんだもの
・一回解散してもう一度組みなおしたポイズン。しずるも同じ
・解散すると別れたカップルみたいになる(笑)
・NSCではそんな感じのドロドロがいつも繰り広げられている
 阿部「40万払ってそれだけでも見る価値ありますよ!」
・NSC時代にいた同期の話
などなど。
すると、また平然と章吾さんが現れ、阿部ちゃんにラップを巻きつけ始める
しかし阿部ちゃんの髪がつるつるすぎて、ラップが全然くっつかない(笑)
ドクが現れ、過去では阿部ちゃんが新弟子検査に受かってしまったということを伝える(笑)
村上「吉田さん、阿部さんが!」
吉田「阿部って誰だよ?オレ、ピン芸人のはっけよーい吉田だよ?」(笑)
ということで、吉田さんも一緒に、相撲の道に進もうとする阿部ちゃんを止めに行くことに。

新弟子検査に受かった帰り道の阿部ちゃんと、未来から来た吉田さんがすれ違う。
二人はケンカを始める。
どうすればいいかおろおろする村上さんは、そうだ!と思いつき、サンパチマイクを持ってきて二人の真ん中に置く。
その時、「ここで相撲とってみなさいよ!」と、いきなり毒舌で指示する女の子口調の村上さん。
そこで相撲を取ろうと組み合うと、
吉田「あれ?初めて組んだ気がしない」(笑)
村上「でしょ?あんた達はコンビなのよ。マイクがあるからバンドっぽいわね」
  「そうね、毒舌女だから、ポイズンガールバンドね?」
おぉ~!!
こうして、
村上「シュール5は守られた!」


次のゲストは犬の心。
・村上さんが初めて犬を見た時、「世界観持っててすごい」と思っていたらしい
・押見さんが初めてしずるを見たときに、いいの出てきたなと思った
 押見「そしたら、本当に出てきたねぇー」しみじみ(笑)
・元々犬のトークライブに出ていたしずる。しかし忙しくなって卒業。
 同じ理由で最近ゆったり感、少年少女も卒業した。
 代わりに入ったのが畑中しんじろう。
 なぜかチケットの売り上げ減少(笑)
 押見「でも、しんちゃんは何か持ってるんだよね!」
 村上「何か持ってます、でも6年そう思ってますけど見つからない!!」
   「このまま見つからなかったら嫌ですよね。お葬式で『(泣きながら)結局最後まで見つからなかったね』って」
 ここのくだり本当に最高でした!泣きながら笑いました(笑)
・スキップ部が好きな村上さん。お笑い研究会の生徒がショートコント試すやつも好き
・日体大の同級生だった犬の心
・足が遅い遅いと言われているが、それは日体大の中での話と主張する押見さん
 村上「僕も足遅いんですけど――速そうにみえるじゃないですか、シュッとしてるから」
 押見「お前……イタいな!」
・日体大は相撲部が足速い世界。走れるデブ
・鉄棒の単位が取れなくて卒業できなかった押見さん
・鉄棒といってもオリンピック選手がやる大車輪とか。回れるデブ
・押見さんの足が小さいと言われ始めたのは実は結構最近
・最近あまり裸足じゃないですよね?でもスキップ部などネタの時は裸足
 押見さんが叫ぶ時、足の指にきゅっと力が入るのが面白い池谷さん(笑)

ここでまた章吾さん登場。
ラップを巻くのは押見さんなのですが、そのまえに、先日のシュール5で生まれたショートネタの動きを声を出さずにやる(笑)
ずんちゃか、ずんちゃか、ずんちゃかぽー!(笑)
ドクが言った変わり始めている過去は、「押見の足が小さくなりすぎて立てなくなり、犬の心解散」(笑)
池谷さんに話しかけてみると、
池谷「へい、らっしゃい!」
すでに芸人やめて板前になってしまっている!(笑)

過去に行ってみると、ベッドに寝ている押見さん。
何とか再結成させたい村上さん。でも池谷さんは
「犬の心?へっ、そんな時代もあったねぇ」
やだー!こんな池谷さんみたくない><(笑)
押見さんの病気は現代の医学では治療不可能。
そこで、料理人の池谷さんに、村上さんはこう頼んでみる。
「僕のおしりをさばいて、押見さんの足に盛り付けてください!」
この考えがカオスだよなぁ……(笑)村上さんの底力を見た気がしました。
そして池谷さんがさばき、押見さんの足に盛り付けて、押見さんは立てた!
スキップする犬の心。
幸せかい、幸せなのかい、幸せだい!!
村上「シュール5は守られた!」


続いてカリカ。
・林さんのタクシー運転手時代の話が中心でした
・「月末が怖いんだよ!」と言って姿を消してしまった林さん
・林さんの消息不明の中、ある日家城さんにかかってきたゴリさんからの電話
 「今、事故の現場にいて、ピザ屋のバイクとタクシーがぶつかったみたいなんだけど、そのタクシーの運転手がお前の相方だぞ!」
 いろいろな情報が乗っかりすぎてて理解できない(笑)
 家城「もしかしたら、ピザがタクシーの上に乗っかってるかもしれない」(笑)
・ずっと連絡がとれなかったのに、家城さんが波8に出演できるかもしれないという留守電を残すと、35分後に連絡してきた林さん(笑)
・能のコント大好きな村上さん
・舞台ではあんなにウケるのに、テレビではすべりまくり
・村上「でも結構盛り上がってた記憶があるんですけどねぇ」
  林「それはスタッフさんが盛り上げてくれてたんだと思うよ。お客さんはシーン」
 村上「スタッフさんのウソ笑いですか?『ハハ、ハハハ』ってやつ」
 売れっ子さんがこんなこと言っちゃっていいんですか?(笑)
このあたりで登場する章吾さん。
家城さんのアゴから頭にかけて、縦にラップをいく(笑)
そして、一通り家城さんに巻いた後、一緒に林さんも巻き始める!
人差し指で、頸動脈を締め付けられそうなラップから自分の身を守る林さん(笑)
ドク「ブサイクの定義が、真逆になってしまったんじゃ!」
村上「……ってことは、家城さんは?」
ドク「キムタク級のイケメンじゃ!!」
設定が素敵すぎる(笑)
そんなわけで、アイドルになってしまった家城さん、そしてサラリーマンになってしまった林さん(笑)の過去を変えるべく、村上出発。

過去に着くと、そこはコンサート会場。キャーキャー言われている家城さん(笑)
そこに村上さんがやってきて、男前ランキング10位の実力を発揮する(笑)
キメポーズを繰り広げる村上さんに、観客は目が覚め、家城さんはふたたびブサイク扱い。
ヤケになった家城さんは呑んだくれる。
そこにやってきた林サラリーマン。
二人は取っ組み合いのケンカを始めるが……それがだんだんと能コントの動きになっていく!!
これ、すごく自然で、すごく上手くて、ちょっと感動すら覚えました!
村上「シュール5は守られた!」


最後は池田さん。
二人とも、今さら何話そう?となんとなく話しあぐねていると、章吾さん登場。早いよ(笑)
池田さんにラップを巻き始めるも、
村上「……池田は別にいっか」
暗転。

全員集合のエンディング。
……なのですが、みんなで並んでいるときに村上さんが消されてしまう!

再び暗転し、舞台には村上さん一人。
どうやら作家さんと打ち合わせ中の場面らしい。
村上「池田は別にいいです~」
などと言っている村上さんの背後から忍び寄る池田さん。
「ふざけんなー!!」と叫んでバットを振り下ろし、暗転。

また全員そろってエンディング。
池田「今回はね、池田プロデュースということでやらせてもらいましたけども……」
その言葉通り、村上さんがいない。
どうやら、この過去も変えられてしまったようです。
押見「残念なのは、池谷のマラソンが帰ってこれなかったことだよね~」
池田「あと少しだったんですけどね~!!」
(注:池谷さんは、おのれがあったため飛び出し)
関町さんが謎のカレーライスギャグをやらされたり、なんかぐだぐだ(笑)
ありがとうございました~!と暗転。

もう一度明るくなって、全員集合。これが本当のエンディングです!
 林「この一個前の池田のパート、あんなに長くする必要あった?」
村上さん自身もこんなことになるとは思っていなかったそう(笑)
来週の阿部プロデュースはなにやる?と聞かれた阿部ちゃんは、家城さんのお葬式をやりたいと。不謹慎すぎる(笑)
(ただ、あの地獄を経験してしまった今になって思うと、そっちの方が面白かったんじゃないかなーという気もしないでもない・苦笑)
押見さんは、舞台上で相撲をとるポイズンを楽屋のモニターから見て、なんだこの光景とびっくりしたそう。こんなものなかなか見れないと。
阿部「でもしょっちゅうやってますよ」
吉田「やってって言ってくれればいつでもやりますよ」
ナメられてるとすねる押見さん(笑)
でも阿部ちゃんが本当にナメてるのは家城さん?(笑)
村上「最近シュール5、先輩と後輩の垣根がなくなってきてますよ!」
こんな感じで終演でした。




あ~、面白かった!
最初、「純の部屋」をやる、ずっとトークすると聞いた時は、「うそつけ~そうは言っても、なにか用意してるんでしょ?」と思っていました。
しかし、ライスのトークが長かったので、途中で「あぁ、村上さんはこの夏本当に忙しかったんだ。シュール5のために割ける時間がなかったんだ。だから本当にトークだけなんだ。残念だな」と思いながら見ていました。
そんな訳で、章吾さんが出てきて、平然と関町さんの顔にラップを巻き始めるところの驚き、そして、ドク役の大介さんが出てきてバック・トゥ・ザ・フューチャーの曲が流れ始めた時のわくわく感は、ハンパではありませんでした。
やっぱり村上さんは、壮大なスケールのストーリーを用意していてくれたんだ!
現実とフィクションの切り替えが鮮やかで、本当に楽しかったです。
トーク部分も、今だから聞ける面白さがあって、お腹痛くなるほど笑ったくだりもあって。
そうかと思えば、最後は自分が消されてしまうというちょっとブラックな感じで終わるのでした。まさに村上ワールド。
ただひとつだけ、全員でなにかするところがなかったのは残念だったかなぁ。
せっかくこのメンバーが集まったのだから、一組ずつになってしまって、全体の絡みが少なかったのはちょっと惜しかったです。
逆に言えば欠点はそれだけで、あとは本当に面白かったです。

もう一つだけ言いたいこと。
変えられてしまった過去は、それぞれそのコンビらしくってとってもよかったのです。
ただ、他の3組はファンタジックなのに、ど~してライスだけやたらリアルなんですか!?(笑)
最初はなんかもう、KOCの話を聞くだけで正直嫌だったし、終わった直後はライスのあまりのリアルさ加減にちょっとひいていました。
でも後々、これって村上さんの優しさなのかなぁと思うようになりました。
一体ご本人達が、どれだけガチのテンションでケンカされたのかわかりません。ただ、それを笑いに変えさせてくれているということで、ご本人達の気も、そしてこちら側の気も、楽にしてくれているのかなぁと。
考えすぎて気持ち悪いですねすみません。ただ、私はここで笑えてよかったなぁって思っていることだけは確かです。

シュール5のことがわかっているからこそできること。
みんなを活かすこと、そして自分を活かすこと(イケメン気取りのところですね・笑)をよくわかっていらっしゃる村上さんだからこそできること。
楽しかったです。