甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

SIX GUNS(メトロンズ第0回公演) 「KASAMATSU」

2019-08-25 23:30:00 | ライブ感想♪
***
SIX GUNS「KASAMATSU」
8/24 17:00~
8/25 12:00~、17:00~
@渋谷ユーロライブ

作・演出 中村元樹
出演
しずる(村上純、池田一真)
ライス(田所仁、関町知弘)
サルゴリラ(赤羽健壱、児玉智洋)
***

SIX GUNSの「KASAMATSU」、2日間3公演最高に楽しませていただきました。
渋谷駅からの坂を上って、ユーロライブに行って、
公演を見て思い切り笑って、坂を下って渋谷駅に戻って、
お友達とご飯を食べに行って語り合って、
それを繰り返した3公演。
あまりにも幸せすぎて、思い出すだけで泣いてしまいそう。
まさに「夢」のようにあっという間でした。

約80分のお芝居一本勝負。
この6人は、長年一緒にやってきた経験値が違うから、やっぱり抜群に息がぴったりだ。
もちろん神保町で見ていた時からそう思っていたけれども、今回はそれをさらに感じました。
その人間が自然に存在しているかのようにナチュラルに演じるなんて、彼らにとっては当たり前。
それ以上に、テンションの上げ方、スピードのかけ方、プレッシャーの緩め方。
そういう、感情の波まで事細かに合わせているところに、徹底したこだわりと、演技に対しての妥協を許さないプライドを感じます。

そしてなんと、この公演はYouTubeで無料で全編公開してくれているというすごさ。本当に嬉しいです。
3公演、この大好きな6人の公演を目に焼き付けようと思って必死に記憶に刻み付けていたのですが、
それでも何度も楽しめることは本当に嬉しい。ありがとうございます。
ということで、見て頂くのが一番ですが、一応私の視点でまとめたあらすじもアップしてみます。

メトロンズ 第0回公演「KASAMATSU」


・・・
物語は、あるペンションで殺人事件が起きてしまったことから始まる。
大雪で電話線は断線し、救助が来てくれるのは3日後。
暇を持て余し、重苦しい雰囲気でUNOをしているオーナー(児玉)、
高校時代の同級生だった3人組の麻木(田所)・山村(村上)・大河内(赤羽)、そして探偵の花田(関町)。
気まずい空気に耐え切れず、オーナーは言った。
「花田さん、ちょっと、早すぎたかもしれませんね…。犯人、言い当てるの。」
そこには、殺人犯の桃川(池田)が、手をロープで縛られた状態で座っていたのだった………。
ペンションの中では様々な問題が起き、対立を繰り返す。
しかし、桃川は段々とひとりひとりの心の緊張をほどき、自分の味方にしていく。
探偵の花田は、周りの4人が段々と桃川に言いくるめられていく様子を見て、
彼にサイコパステストを行い、本物のサイコパスだということを証明してみせた。
桃川が殺した、隣の部屋の女性は、オーナーと一緒にこのペンションを経営していたのだが、
実はオーナーからお金を騙し取っていた詐欺師だった。
オーナーは、ペンションの経営も悪化し、殺人事件が起きてしまったこの宿には、さらにお客さんも来なくなるだろう、
仕方がないからもう自分を殺してくれ、と桃川に頼む。
しかし、桃川はそれを断り、3人と一緒にペンションを立て直す案を考え始める。
最初は非協力的だった花田だが、話し合いの内容に耐えかねて、自ら案を出した。
こうして6人は、みんなで和気あいあいとペンションの立て直し案について話し合いを始めるのだった……。

暗転して場面が変わると、そこはプロレスの試合会場。
レフェリー(池田)と、覆面レスラー(関町)、
そしてその覆面レスラーに技をかけられているレスラー、カサマツ(児玉)。
カサマツは意識が朦朧としている中、レフェリーに話しかける。
「桃川さんはどうですか?」
レフェリーは、カサマツを叩き起こして言う。
「桃川?誰だよそれ!」
え?ペンションの立て直しはどうなった?混乱するカサマツ。
そしてやっと認識する。自分は今試合中で、技をかけられて意識が遠のいていた。ペンションでの出来事は全て夢だったのだ……
「夢、長っ!!」
・・・

雑なのですが、とりあえず全体の流れをまとめてみました。
これだけ書くとすごくシンプルな話に思えてしまいますが、本当のカオス、そして物語の山場はこの後からなんですよね(笑)
初日に見終わった後に思ったのは、「どんな人でも楽しめる」ということでした。
とにかく笑えればなんでもいいという方も、ガッツリしたお芝居を見たい方も、
斬新なものを期待している方も、起承転結のストーリーをしっかり見たい方も、
そして、ナンセンスな笑いを求めている方も。どんな方でも楽しめると思う。
私がこの人達に求めているのは、まさにそういうことなんですよね。
「お笑い」を見に行っているというのはもちろんだけど、
やっぱりこの6人のことを、神保町花月本公演とかでずっと見てきたから、シリアスなシーンの演技にも全幅の信頼を置いていて。
だから、欲張りだけど、そういう緊張感あるシーンも見たいなって思ってたんですよね。
なのでKASAMATSUは、その通りのことをやってくれたのがすごく嬉しかった。
私が喜ぶことと、みんながやりたいって思ってくれることが、無理なく一致してるっていうのが嬉しかったです。
笑いのパートは涙が出るほど笑いまくりました、本当に面白い。
それなのに、シリアスなシーンに急ハンドルを切っても、
全員が一気にその空気に切り替えられるのこそ、この人達の魅力。
本当に最高だった。

ここからは、私の解釈を書いてみたいと思います。
これが、作者の意図なのかというと、多分違うのですが(笑)、
とりあえず、自分の感じたことをメモしてみたいと思います。
プロレスラーのカサマツは、試合が終わった後、トレーナー(田所さん)に「お前、落ちてるときに笑ってたぞ。夢でも見てたのか?」と聞かれる。
カサマツはちょっと間を置いた後、「全然覚えてない」と笑う。
……でも彼は、本当に夢を覚えていないのかな?
私は、カサマツが最初に夢から復帰した時に、レフェリーに「桃川さん」と呼び掛けていたことから、覚えているんじゃないかと思っている。
そして、他にも、覚えているんじゃないかなと感じられる理由があって。
カサマツは、プロレスの試合中に意識が飛びかけている。
もしかしたら、プロレスラーとして再起不能なケガをしてしまうかもしれない。あるいは、本当に死んでしまうかもしれない。
彼はそんな、死の淵で夢を見る。
夢に出てくるオーナーは「ケガをして前の仕事を辞め、もう一つの夢だったペンションのオーナーを始めた」と言った。
そのことから、カサマツが見ているのは、自分のやりたいことであり、
そして自分がもしかしたらこれから進むかもしれない、あるいは進んでいたかもしれない未来だと考えられる。
そう考えると、カサマツが落ちそうになるたびに見ている夢は全て、カサマツがやってみたい仕事、なりたい自分なのではないだろうか。
ペンションのオーナー、競技かるた……官能小説家?(笑)
死の淵でいろいろな夢を見て、いろいろな自分の可能性を想像して。
もしプロレスラーを辞めたら、どうする……?
何度も落ちそうになりながらも、最後には試合に勝つことができたカサマツ。
トレーナーに言われて、一瞬夢のことを思い出す。
もしこの試合で大きなダメージを受けていたら、再起不能なケガをしていたら、引退して他の夢を追いかけていたかもしれない。
でも、カサマツはその夢を振り切るようにして笑って、「全然覚えてねえや」と言ったんじゃないかな。
そして、その瞬間に他の自分になる可能性を捨て、プロレスラーとして生きていく覚悟を決めたのかな、なんて。私はそんな風に感じました。
……と、長々書いてしまったのですが、多分作者の意図とは違うと思います(笑)。
今回に限らず、物語というのは、それを受け取る側のコンディションにも左右されることが多々あると思っていて。
簡単に言うと、私自身が今、転職や人生に悩んでいるので、そんなメッセージを感じ取ってしまったのかな。
でも、どんな風に楽しんでもいいという、器の大きさごと、この作品の良さにも感じます。
とはいえ、裏話トークライブみたいなのがあって、あの部分はどういう意味だったのかとかを教えてくれるような機会があれば、ぜひ行きたいなと思ってしまうのですけどね(笑)。

そういえば、カサマツが何度もダウンしそうになる中、レスラーのボラドール(?)にリングに連れ込まれ、ダウンしてしまう実況の村瀬アナウンサー(赤羽さん)。
初日は村瀬アナの夢の転換は、カサマツの夢と同じように青い照明だったと思うのですが、2日目昼からは赤い照明で転換していました。
目が見えないお母さんに、様々な風景を描写していた幼少期の村瀬くんは、もっとうまく表現できるようになりたくてアナウンサーを目指したのかな。
カサマツの夢は「これから起こりうるかもしれない未来」だけど、村瀬アナは「過去からつながる現在」を表していた。
そんな、カサマツと村瀬アナの夢の違いが、照明によってわかりやすくなったのかなと思います。
他にも、初日が終わって、バッサリとカットされたシーンもあり、本番が始まってもさらに改善していいものを見せようという、その心意気が嬉しかったです。


今回の物語を貫くテーマは、やはり、交代で一人ずつ桃川を見張っていた時にオーナーが語っていたことだと思います。
このペンションの名前の由来となった小説の一部。
「わたしがこれから語ろうとするさまざまな真実の事柄は、みんな真っ赤な嘘である」。
ペンションのシーンは、現実のシーンだと思って見ているけれど、実際には全てプロレスラー・カサマツの夢の中。
「今みなさんが御覧のシーンは全て真っ赤な嘘ですよ」ということを、すでに観客に暗示していたということなのかな。
そしてその次に続くオーナーの、「この小説は全ての嘘を優しく肯定してくれる。自分のペンションもそんな存在になれたらいい」というような言葉も好きでした。
カサマツの荒唐無稽な夢も、全てがこの物語の中では肯定されていたね。

そしてこの「嘘を優しく肯定してくれる」という言葉は、今回のこのKASAMATSUという舞台全体にも言えることのように感じています。
今回の公演を見たお客さん達は「何だよ、夢オチだったのかよ!」と怒るのではなく、
それぞれに好きなシーンや、込められた意味を自分なりに考察・解釈して楽しんでいる。
全ての嘘を何よりも優しく肯定しているのは、何よりも私たち自身なのかもしれませんね。
ただその一方で、「なんだよこの作品、夢オチって何だよ、どこからどこまでがホントなのかウソなのかわかんないじゃないか」と思う方も、もちろんいらっしゃると思う。
私は初日公演のエンディングトークが忘れられなくて。
アンケートをぜひ書いてくださいという流れで、田所さんが
「どんなことでも書いていいです。意味わからなかったら、わからないって書いてもいい」という感じのことをおっしゃっていて。
私は、それにすごく感動した。
自分達が面白いと思ったものを自信をもって提示しつつ、観客の感性も否定しない田所さん。
そのバランス感覚に、改めてこの人についていきたいなと思わされたのでした。

初日の公演後に、これからこのメンバーで、「メトロンズ」という劇団のような形で活動していくという
神保町花月で毎月公演されていたSIX GUNS。
私はそんなに行けたわけではないけれど、毎回本当に楽しかった。
3組のそれぞれのコントと、毎回5~10分ほどのユニットネタが見られて、すごく充実していました。
その形式で続けて行ってほしいなという思いもあったのですが、彼らが新しく大きな挑戦を始めたこと、
そして私にとってそれがとても好みの内容であったことから、これからもずっと見続けて行きたいなと思いました。
最高の夏の思い出、一夜の真夏の夜の夢のような3公演をありがとう。

「ネタ祭り!2019夏!!」

2019-08-20 23:30:00 | お笑い全般
本日放送された、「ネタ祭り!2019夏」、本当に楽しかった。
本当に素敵な番組にライスを呼んでいただいて、ありがたさでいっぱいです。
今回、通常のネタとコラボネタ、どちらも披露する機会を頂いて本当にありがとうございます。

ライスのネタはchaku。まさかのchaku!

【ライス】コント/chaku【ネタ】


このコントが地上波のネタ番組で放送されるなんて本当に嬉しい。
chakuの、いわゆる「バラシ」に行くまでの妙な違和感、それが明かされたときの爽快感。
さらに、何度も予想を裏切られる展開。
ありそうでなさそうなストーリー、なんだかポップに見えつつも隠し切れないサイコパスみ。
本当に、様々な点から魅力があるこのコントを、たくさんの方に見て頂けて本当に嬉しかったです。

そして、まさかの麻里子様とのコラボ!!
……なんで!?(笑)
麻里子様が楽しそうにやってくださって本当に良かった。ありがとうございます。

また、芸人さんが仲間にキャッチフレーズをつけるという企画も大変面白く、まさに芸人さん自身が主役の番組だと感じることができました。
ぜひまたこのようなネタ番組に呼んでいただけるのを楽しみにしています。

神保町花月本公演「予言者たち」 (19/6/23)

2019-06-29 19:01:59 | ライブ感想♪
***
神保町花月本公演『予言者たち』
2019年6月13日~23日
出演:
田所仁、関町知弘(ライス)
児玉智洋(サルゴリラ)
川上友里(はえぎわ/ほりぶん)
高畑遊、川崎麻里子(ナカゴー)
金山寿甲(東葛スポーツ)
野上篤史
脚本・演出:鎌田順也(ナカゴー)
***


神保町花月「予言者たち」。
去年12月、2019年には神保町花月がいろいろな劇団さんとコラボするという企画が発表され、ライスの名前もあり、ずっと楽しみにしていました。
その期待をさらに超えてくるような本当に楽しい舞台でした。
久しぶりに、ガチで演技をするライスと児玉さんのことが見られて嬉しいです。
私は14日、22日(昼)、23日(千秋楽)の3回見に行くことができました。
私的初日だけでもとても面白かったのですが、やはり2回、3回と見るにつれて、様々なことに気が付いて、楽しみ方が増しますね。
今回の記事では、いろいろな項目に分けて、私の感想や考察をまとめてみようかなと思います。
あくまでも個人的な見解なので、違うご意見の方もいらっしゃると思いますが、「この人はこう思ったんだね」ということでご理解いただけますと幸いです。


まずは今回のコラボについて。
ナカゴーさんの作品を見たことがないのにあまり言えたことではないのですが、かなりいつもの神保町花月作品とは違う雰囲気に感じられて。
むしろ、関町・田所・児玉の3人が、ゲストとしてナカゴー作品に参加させてもらっているかのような感覚だった。
演出や見せ方が斬新で、刺激や衝撃を受けることばかり。
でも、とにかくストーリーが面白い。
落ち着いた始まり方から想像できないほど、後半は観客が声をあげて笑えるところばかりで、演者の熱量もどんどん上がっていく。
そういうところが演劇初心者の私でも見やすかったと感じられた一因なのかな。
そんな中でも、劇団の色に合わせつつ、自分達の持ち味や個性を爆発させていた3人の姿を見て、なんだか胸が熱くなってしまった。
今までとは違う文化にちょっと苦労したところもあるだろうに、そういうのを全く感じさせられない。
後半の、暴れまわる児玉さんなんて、もはや普段の児玉さんだったもんなあ(笑)
そんなわけで、普段とちょっと違う雰囲気の3人を、昔からこの3人を見ていた神保町花月で見るというのも、エモーショナルなものがありました。


演出・ストーリーについて

「登場人物、全員予言者」というテーマのこの舞台は、登場人物のみならず、観客の私たちも予言者になれるような、そんな仕掛けがちりばめられていました。
まず、開演時間10分前になると、前座のようなパフォーマンスが始まる。
登場人物が2人ずつ入れ代わり立ち代わり舞台に出てきて、この舞台のセリフを断片的に話し始める。
それを聞いた観客は、セリフの意味はわからないものの、その言葉はなんとなく頭に入った状態でお芝居を見始めることになり、
ストーリーが進んでいくうちにそのセリフが出てくると、「ああ、さっき言っていたのはこれだったのか!」と快感を感じる。
さらに、ストーリーの中でも、予言者たちが、このあとどんな展開になるのかを全部言ってしまう。
このような仕組みによって、自分も予言者になったかのような感覚になるのでした。本当に面白い試み。
そして、このあとの展開を全部言ってしまっているのに面白いというのは、それだけみなさんの見せ方が上手いからですし、
展開だけではなく、そこに至るまでの登場人物達の心の動き、感情の揺れに、様々考察したい点が出てくるからなのだろうな。

物語の中心を貫くのは、「見て見ぬ振りはできない」という言葉。
子供の頃、見て見ぬ振りができずにいじめられてる桑子ちゃんを助けたいぶきさん。
彼女のその態度は、大人になった今でもずっと貫かれていた。
不倫に手を出してしまったいぶきさんは、悪いことだとはわかっていても止められなかった。
けれど、痛い目に遭って、自分のしていることの愚かさに気付いた時、きっと見て見ぬ振りはできなかった。
だから高見沢さんに別れを告げる決意をしたのかなと。
夫の良純さんは、いぶきさんと高見沢さんが不倫をしているのを知っていても黙っていたことを、「俺は見て見ぬ振りができる人間だから」と言った。
それは言外に、いぶきさんはそうではないと伝えていているということで、その言葉がラストシーンにいきてくる。
ドタバタ劇だし、いっぱい笑えるけれど、最後にずしりと観客の心に残るメッセージを残していったのでした。
「見て見ぬふりはできないわ」

そしてもう一つ、テーマとしては「人間の業の深さ」みたいなものを感じさせられました。
冒頭の、いぶきさんのお店に桑子ちゃんがラーメンを食べにくるシーン。
桑子ちゃんがデザートの杏仁豆腐を食べた後に、オーギョーチも食べてもいいですよ、追加料金なんかとりませんと言ういぶきさん。
その後に言う。「1つ食べたら、もう1つ食べたくなるのが世の常です」。
それは、「結婚相手がいるのに不倫に手を出してしまう」、という、もう1つ食べたくなってしまった、この話の登場人物達のことを暗示していたのかな。
不倫をしていたカップルのうち、高見沢さんは一級建築士、里中先生は中学校教師というエリート。
それでも、自分を抑えられずに不倫に走ってしまったところに、業の深さが表れているような気がする。
さらにこの二人は、女性側からこの関係を解消しましょうと言われても、諦めることができない。
最後に死んでしまうのもこのふたりということで、結局悪い人間には天罰がくだるというような、昔話的な要素も感じられました。


登場人物全員、予言者!? 怒涛のように巻き起こる“ややこしい事態”(カンフェティ)
こちらは稽古が始まる前のインタビューなのですが、これを読むと、今回の台本は、ある程度はアイデアを考えたのち、
演出・脚本の鎌田さんが本人達に会ってから、本格的に当て書きをして仕上げていったという感じなのでしょうかね。
というのも、私は3人の役柄がまさにぴったりだと感じられたので。
それでは、関町・田所・児玉の3人のキャラクターについて。

関町知弘@里中先生
関町さんは本当に、「正しい普通の人」が何よりのハマり役。
彼が頭がおかしい役をやってるのももちろん好きですが、見た目は普通そうな人なのに頭がおかしいという役をやっているのはさらに好き。
関町さんは、正義感が強すぎるせいで、最後は教え子を守るために自分を刺してしまうというカオス。
こういう、まっすぐなのに狂っている役の関町さん、本当に大好き。
あまりにも正しさを貫こうとするせいで、逆に冷静に考えたらおかしくなる…という感じ、本当に好きなんですよね。
里中先生は、蒔絵さんと別れたくないという時に、あなたがいればもう何もいらないし、「仕事だって誰かにくれてやるよ!」と叫んだ。
でも最後にふっと我に返った時、自分が一番大切にしたかったのは、教師という立場と、その正義感だったのだろうな。
今回の舞台では、意図的に時代設定を古めにしているのか、あるいは里中先生が年齢高めの役柄だったのかというのは、
最後まで分からなかったのですが、かなり古風な言い回しが多かったように感じられて。
「あなた、電話口でずっと泣き続けるものだから」
「僕は、あなたから離れられる気がせんのです」
(すみません、3回しか見てないし、メモも取ってなかったのでうろ覚えで…でもこんな感じのセリフ)。
普段の言葉遣いとはだいぶ違っていても、それを違和感なく自分の言葉にして乗りこなす関町さんのことが大好き。

田所仁@高見沢
田所さんは、表情豊かで、二次元のアニメキャラクターがそのまま三次元にやってきたかのような、
コミカルな動きや表情が堪能できて最高に楽しかったなあ。
かと思えば、シリアスな雰囲気の場面では、こちらがハッと息を呑んでしまうくらいに一気に空気を変える。
そのすごさに改めてドキドキしてしまいました。
そしてとにかく物語後半がすごかった。
台詞量が膨大で、しかも、誰かのセリフを受けてではなく、きっかけもオチも含めてほとんど自分から言わなきゃいけない。
今まであまりなかったと思うし、だいぶ難しそう。でもそれを感じさせないテンポ感でした。

そしてね、今回のライスに共通して言えることなのですが、
鎌田さんが、演出をつけるときに、かなり二人をその…セクシーに描いてくださっていたのではないかなって(笑)
なんなのでしょう、今回のライスは本当に大人の色気が溢れていた。
私はね、ライスのこと、昔から好きだったので、そういう色気を感じることも多かったのですが、
それを世の中の全員に理解して頂けるなんて全然思っていなかったし(笑)、
作り手側でライスのことをカッコイイって言ってくれる人なんて、山脇唯さんくらいだと思ってたので(笑)
(参考:「2SEE MORE #19」ゲスト:関町知弘(ライス)

例えば、いぶきさんのお店に、高見沢さんがひょこっと顔を出して、「後で、公園でね」と言うシーン。
高見沢さんが引き戸を閉めようとしたときに、思わずいぶきさんが駆け寄るけれど、
高見沢さんはそれをわかっていながら、「おあずけ」とも言いたげな表情で引き戸を閉める。
例えば、里中先生と蒔絵さんが公園で逢引きをするシーン。
里中先生が、突然自分を呼び出した蒔絵さんに対して怒った後、
でも本当に嫌だったら来ない、あなたに逢いたくて来たのは私の判断だというようなことを言いながら、
蒔絵さんの膝に置かれた手にそっと自分の手を重ねる。
今回、こんなに彼らの色気を感じられたのは、
演出の鎌田さんが引き出してくださったのか、「不倫」という背徳感のあるテーマがそうさせるのか、それとも、その両方か?
ともかく、鎌田さんが、もし「芸人としてのライス」をあまりご存じなかったとしたら、
そういう方がフラットな目で見た時に、新たなライスの魅力として、こういうセクシーな部分を引き出していただけることに、
他ジャンルの方とのコラボレーションの可能性の広がりを感じたのでした。
……なんか、すごくいろいろ、評論家ぶって書いてしまったんですけれども、
結局言いたいことは、「セクシーなライスが見られて本当に嬉しい」という、一言に尽きます(笑)

児玉智洋@たいやき屋の主人
児玉さんはすごい。
児玉さんは本当にすごい。
自分のターンになったら圧倒的な存在感で場を支配して、何でもないセリフでもはちゃめちゃに面白く感じられてしまう。
本当に、いつどんな場でもおいしいところを持って行くよね、強いよね。
この人は一体なんなんでしょうか(笑)(褒めていますよ)。
どんなお客さんの前でも笑いをもぎ取り、主人公になってしまう力が強すぎる。
もう、言いたいことはたくさんありますが、特に「家族!!」の一言で笑いを奪っていったところは、
あまりにもすごすぎて、ヒーヒー笑いながら感動すら覚えました(笑)
ああ、この人のすごさ、もっと世に知れ渡ってほしいな。
冒頭にも書きましたが、普段とは違う演出、普段とはちがう客層の中で、あまりにもいつもの自分を貫ける強さ、素晴らしかったです。

急遽出られなくなってしまった赤羽さんが本当はやるはずだった役も、とっても魅力的で素敵な役だったなあ。
この役を赤羽さんがやっていたら、もう少しコントっぽくなって、全体の印象もまたちょっと変わっていたかもしれませんね。
とはいえ、とにかく健康が一番…ゆっくり休んでください…。
大変贅沢な話ではありますが、またいつか、ライスとサルゴリラの4人で共演できる時があればいいなあ。



久しぶりに、神保町花月本公演に出演しているライスのことが見られて、本当に嬉しかったです。

私的初日、14日の公演を見終わった後に、ぼんやりと考えていました。
こんな私だけれど……いろいろ文句言ったり、一時期離れていたり、全然優良なファンではなかったけれど、
でもそんな私でも、彼らを見続けてきたからこその感慨ってあるなあと。
私、この場所で、この劇場で、いろんなことをやっているライスを見てきたのです。
昔、「宇宙でクロール」の時とかは、田所さんが女優さんをギュッと抱きしめただけで、ピュアな私は心の中でキャーキャー言ってたわけです。
あの頃は本人達も若かったし、私も若かった。
でもそれから、彼らも年を重ね、恋人がいる役が当たり前、結婚してる役も当たり前になって、
今回はさらにその先、二人とも不倫をする役柄だなんて。
本当にね、関町さんが不倫相手に「あなたがいれば他に何もいらない」と言う場面や、
田所さんが女性に手を上げる場面が見られるなんてね。
生きていれば、いいこともあるものですね(笑)
彼らが歳を重ねてきた分、今だからこそできる役柄、表現がある。
例えば、もう神保町作品のようながっつりした演劇で、彼らが学生役をやることはもうないかもしれない。
けれど、その分、今だからこそできる役柄の表現を見ることができるんだなあって。
そう考えると、年を重ねるのも悪いことではないのかもしれないなって思えてくるのでした。
これからも、その年齢の彼らだからこそ見せられる役柄、表現を見せ続けてほしい。
それを見届けるために、一緒に年を重ねさせてほしい。そう思ったのでした。


【公演レポート】“予言者たち”が汗だくで熱演、鎌田順也「不倫のお話が主です」

“ネタバレありき”で展開!? 不倫カップルの群像劇「予言者たち」でライス、サルゴリラ児玉が熱演

(ナタリーさん、ラフアンドピースマガジンさん、写真いっぱいありがとうございました!)

神保町花月本公演「演劇♡顧問」 (19/4/28)

2019-04-26 23:00:00 | ライブ感想♪
***
神保町花月本公演「演劇♡顧問」
2019年4月26日~5月6日
出演:
村上純(しずる)
池田一真(しずる)
カートヤング
バイク川崎バイク
ヒラノショウダイ
日高ボブ美(□字ック)
大竹ココ(□字ック)
水野駿太朗(□字ック)
山田佳奈(□字ック)
脚本・演出:山田佳奈
***


神保町花月が今年から行っている、外部の劇団さんとのコラボ公演。
4月は□字ックさんとしずるのコラボ。
どんな雰囲気なのかちょっと緊張して行ったんですが、全員が当たり前のように演技力が高く、
しかも役者さんと芸人さんがお互いをリスペクトしている様子が伝わってきて、とてもいい相乗効果だと感じました。
しずるの二人はさすが、もはや「演技力が高い」とかそういう問題ではなく、あまりにもナチュラルにその人物として物語の中に存在している。
感情をぶつけ合う人々の中で、BKBさんとカートヤングさんの抑えの芝居も素晴らしい。
ヒラノさんは未来の神保町を担う人だねえ。いや、むしろもう担っている。
ロ字ックのみなさんの、パワフルな演技も本当に見ごたえがあって楽しかった。
色々と言いたいことはあるのですが、今回の感想はあえて絞って、しずるのお二人のことをメインにしたいと思います。


ストーリーは、高校の演劇部顧問の先生達が織りなす、複雑な人間ドラマ。
地域の高校の演劇部が出場するコンクールの打ち上げで、居酒屋さんに集まってきた顧問の先生たちのワンシチュエーションコメディ。
それぞれの作品についてお互いの思いを語り合う中で、だんだんと建前が崩れ、本音が溢れ出す。
さらに、この場に審査員の村上さんと川崎さんが到着したことで、一層混沌とするその場。
池田先生がおもむろにマイクを取り、客席に語りかける。
『こんなところでアイツと再会するなんて思っていなかった』
審査員の村上さんは言った。
「池田、久しぶり!」
そう、この二人は以前同じ劇団で、ともに夢を追っていた仲間だったのだ。
まさか、別々の道を選んだアイツと、こんなところで会うなんて………。



すごく中途半端にあらすじを書いてしまったのですが(笑)、もうとにかくストーリーも配役も大好きでした。
演劇部の顧問の先生たちは、それぞれの高校が披露した作品について激論をかわす。
大衆受けするものがいいものなのか?
顧問の先生がいいと信じたものを生徒に押し付けていいのか?
高校生が不倫のストーリーをするなんて、作品としてはよくても教育上どうなのか?
いろいろな意見があり、いろいろな価値観がある。
公演を見に行く前の村上さんのコメントで、こんなものがありました。
 『高校演劇大会とお笑いの賞レースには思い当たる共通点がチラホラありまして、
  今回脚本を読ませてもらって改めてニマニマしてしまいました。』
 神保町花月4月本公演 □字ック×しずる「演劇♡顧問」稽古場レポート
そのコメントを思い返しながら、今回の舞台を観劇させていただいてました。
そうだね、通じ合うものがある。
「なにがいいものなのか」なんて、シンプルだけど一番難しい、ということ。

何がいいものなのかを追い求めて行く、この物語の登場人物たち。
彼らのカッコ悪さ、ダサさ、意地悪さが浮き彫りになりつつも、人間はやっぱり愛しい。
そんなストーリーはまるで、村上純が作り出すコントの世界のようだ。
演劇に青春を費やした高校生は大人になり、演劇部の先生になり、自分が担当する子供たちに夢を託す。
そこには大人たちのもう一つの青春がある。
しずるがそんな姿を演じている様子は、まさに青春コントを引っ提げて世に飛び出した彼らが、
年を重ねて新たな表現を追求している姿と重なるようにも感じられました。

このお芝居では、出演者の本名がそのまま役名になっていて。
だからみんな〇〇先生、と呼び合っているのですが、
そんな中で、審査員の村上さんが、池田先生に呼びかける。
「池田、久しぶり!!」
二人の関係性が一気に明らかになる、この村上さんの一言を聞けた瞬間、
まだまだ舞台の序盤なのに、胸が高鳴り、私は「あぁ……今日本当に来てよかった……」と思ったのでした(笑)
しずるの二人にこんな関係性の役柄を割り当ててくださった、脚本・演出の山田さんに感謝しかありません。
二人が、本名と同じ名前で呼び合いながら、別々の道を選んだ昔の仲間を演じるなんて、エモーショナルが爆発しそう。
もしかしたらこの二人にも、こんな未来があったのかもしれない。
だけど、今ここにいてくれる。
この公演のストーリーも相まって、改めて、
しずるがこの道を選び続けて、二人でこの世界の最前線に挑戦し続けてくれていることに、感謝でいっぱいになりました。



平成最後の神保町花月本公演。
そして個人的な話ではありますが、この公演が、私の平成最後のお笑いライブでした。

私自身が、自分の過ごした平成という時代を語る上で、間違いなくしずるの存在は欠かせません。
レッドシアターを見て彼らを知り、この人達のネタを見てみたいと思って劇場に足を運んだ時から、私の東京吉本ライブ通いは始まったのです。
東京吉本の芸人さん達を追いかけて、いろいろな劇場に行ったし、いろいろなライブや舞台を見に行った。
その中で、私の性格が形成されたし、芸術に対する感受性を磨いていただいたと言っても過言ではありません。
平成最後の神保町本公演は、演劇に青春をかける大人たちの物語。
私自身が自分の青春を全て費やした劇場でそういうお話を見て、平成を締めくくることができたのが、本当に嬉しかったです。

今の私があるのは、みんな、しずるのおかげだよ。
しずるに新しい世界を教えてもらって、色々な場所に連れて行ってもらった。私の平成という時代を彩ってくれてありがとう。

お笑いライブにすべて費やした私の平成という時代、全力で駆け抜けました!楽しかったです!
皆様ありがとうございました。それでは、良い時代を!




【公演レポート】泣く、うめく、吠える!演劇部顧問たちの熱い一夜描く「演劇▽顧問」開幕

木曜日のミレニアルズ #23 「TCC新人賞を獲得したお笑い芸人グランジと考える笑いと広告コミュニケーション」 (19/4/25)

2019-04-25 23:55:00 | お笑い全般
4月25日は、「木曜日のミレニアルズ」というセミナーに行ってきました。
広告会社の方が主催されていて、グランジの遠山さんと五明さんがゲスト。
お二人がラジオCMに関わるようになった経緯や、CM制作とコントのネタ作りの共通点、どんなところから発想するのかなど、
貴重なお話が色々と聞けて本当に大満足のイベントでした。

今回、このイベントには「ログミー」という会社の取材が入っていたようで、
そのサイトで、今回のトーク部分はほとんど詳細なレポがされています。全文とも言っていいくらい。
すごいですよね。こんなに文字起こししてもらっちゃって贅沢だな、本当にありがたいです。
なので、もはや私のブログに意味ないのですが(笑)、
一お笑いファンとして聞いていた私の感想をメインで書かせてもらおうと思います。
よろしければお付き合いください。
先にログミーさんの記事を貼っておきますね。


コピーライターのお株を奪う、TCC受賞芸人のクリエイティブ 吉本芸人グランジと考える、笑いと広告のコミュニケーション
TCC受賞芸人のグランジが語った、「日常のズレ」がネタに変わる瞬間
M-1グランプリの予選が、昨年優勝コンビに似たネタであふれる理由 「傾向と対策」に走りがちなクリエイティブの弊害


そもそも、遠山さんと五明さんがラジオCMに関わるようになったのは、電通の澤本さんとの出会いがきっかけ。
澤本さんは、ラジオCMの賞の審査員が、毎年同じようなメンバーでは業界が停滞してしまうと考え、新しい人材を入れたいと思っていたところ、
若い人向けのラジオをやっている遠山さんのことが頭に浮かんだそう。
「その時点では、お恥ずかしながら澤本さんのことを知らなかったんだけれど、
 この話をした方から、『お笑い界で例えるとダウンタウンの松本さんのような方だよ』と言われた」と、遠山さん。
そういう経緯で、ラジオCMの賞の審査員に加わることになった。
その賞の審査で、いろいろなCMの音源を聞いている時に、澤本さん曰く、
遠山さんが「芸人だったら誰でもできそうですけどね…」みたいなことを言ったそうで
(遠山さんは未だ「絶対そんな言い方はしてない!」と言い張っている・笑)、
それなら作ってみればいいじゃないということで、東京ガスのラジオCMのコンペに呼んでくださったそう。
面白そうだしやってみたいと思った遠山さんは、大喜利が得意な五明さんもきっとこういうの好きだろうと声をかけ、
2人で東京ガスのコンペに挑戦することになったのだそうです。
そのあたりの経緯はこちらにも書いてありました。
広告クリエイティブに新しい風を吹き込むのは誰だ? 澤本嘉光×五明拓弥×遠山大輔

このような経緯でラジオCMの業界に飛び込んだ遠山さんと五明さん。
二人とも、CMの台本を考えるときと、コントを書くときと共通することが多いとおっしゃっていました。
五明さんは、昔のボツネタをひっぱり出してきて、リメイクしたら面白くなったりすることも多いとのこと。
逆に遠山さんは、ラジオCMを作ろうと台本を書いている時に、これグランジでもできるんじゃないか?3人でやろうかな?と思うことも多いそうです。
ネタはどんなところから着想してるの?という話題では、
二人とも、「ネタを作ろう」と籠って作るときもあるけれど、そうじゃない日常の何気ないところから発想がでてくるところも多いとのこと。
特に、何かしらの違和感がヒントになっていることが多い。

グランジ『すぐ帰ろうとする』


例えば、前回の単独でやったこちらのネタは、遠山さんが、たまたま東京ラブストーリーの再放送を見ていた時に、鈴木保奈美がすぐ帰ろうとするのが面白くなってしまったと(笑)
「そんなことで帰る!?」みたいなシーンが多く(笑)、それをコントにするんだとしたらどうしよう?とやってみたそう。


話題は、二人がそれぞれ好きなCMや、印象的なCMを聞いて行くコーナーに。

五明さんの好きなCM、その1。初めて見た時に衝撃だった、何かのハプニングが起きたのかと思ったと。
村田葬儀社CM 「時代劇」篇30sec


五明さんの好きなCM、その2。FM群馬のラジオCM、無許可編。
五明「これ、思いついた人、脳汁ドバーッって出たでしょうね!」
ACC賞ラジオ部門で、エフエム群馬CMがグランプリ受賞!!
(このHPのリンクの中から音声が聞けます)


遠山さんの好きなCM。
当時は小学生で、正直CMの意味も、どんなゲームなのかもよくわからなかった、けれどみんな学校でマネしていたと。
五明さんや、セミナーの主催のプランナーさん達も盛り上がる。
五明「これ、カラオケでこの曲入れたら盛り上がるんじゃない?前奏もないし」
『前奏ないし』(笑)
CM 任天堂 ファミコンウォーズ (FC) [ Famicom Wars ]



こちらは、フジサンケイグループ広告大賞で、五明さんが作ったCMがラジオ部門最優秀賞を獲得した時の作品。
メディア部門ラジオ最優秀賞 東京ガス株式会社 サプライズ篇
そして、その時の受賞コメント。
制作者のことば


……さて。
そしてここからはちょっと変わり、芸人グランジのファンとしての目線の感想…。
久しぶりにお二人をお見掛けすることができたんですけれども、
いやあ……私、遠山大輔さんが好きだなあ……(笑)。
いや、自分でもまさか、こんな、2019年に、改めて遠山さんに惚れ直すなんて思っていなかった(笑)
今回のイベント、広告業界の方々や、バリバリ仕事ができるというような雰囲気で。
みなさん、トークセッションを聞きながら、膝の上でノートパソコンを広げて、タイピングしながらメモを取るような方々ばかりで。
正直、私がヘラヘラと来るような場所じゃなかった……と大変肩身が狭かったのですが、
それでも、そういう方々の前でトークするお二人の姿が見れて良かった。
少し戸惑いつつも、ゆったりとトークを繰り広げるお二人。
随所に参加者の皆様に問いかけたり、司会をされているプランナーの方々に話を振ったりして、
本当に全方向にさりげなく気遣いをされているところが見えました。

グランジ『THEヤクザ』


冒頭で、参加者のみなさんにまずはグランジのネタを見てもらうとなった時、この「THE ヤクザ」を見せていたんですけれども(笑)
反応を確かめるように、真剣な表情で参加者の方にチラリと視線を向ける遠山さんが最高だったなあ。
そして、終わった後、「ちょっと飛んだの見せすぎましたね(笑)でも俺は好きなんですよね」って笑うその姿もまた良かったです。
……でもやっぱりいきなりこれはダメ!(笑)
僧コンにしておけばよかったんじゃないかな!(笑)

後半は、IPPONグランプリのパロディで、参加者の方と一緒に商品のキャッチコピーを考えてみるみたいなイベントがあって、そちらもとても面白かったのですが。
シンキングタイムの間に遠山さんがナチュラルにトークで場をつないだり、参加者の方々に話を振ってたりして、本当にかっこよかったんですよ。
観客(IPPONに参加しない見ている人達)に「みなさんも考えてますか?難しいですよね」って言ったりとか、
主催の方達に「みなさんだったら、普段キャッチコピーってどうやって考えてるんですか?」って話を振ったり。
このイベントの主催のプランナーさん達よりも、当然遠山さんの方が、こういうシチュエーションに慣れてるから、
頼まれているわけじゃないのに、自然と話を回して、場をつないでいたんです。
そうやってガンガン場を回した最後に、ハッと気付いたのか、
「すみませんね、(主催の方がいるのに)僕がうるさくて(笑)」という感じで笑っていて。
その笑顔が、あまりにもその……私の癖に来て(笑)。
萌えが堪えきれなくて、思わず自分が座っていた場所の床を片足でガンっと蹴り上げてしまいました(笑)
そうしないと萌えが発散できなかった(笑)
私…基本的に、芸人さんがアウェイの場で頑張っている姿が、性癖なんでしょうね……グッとくるのです………。
長々と何の話をしているのでしょうか(笑)



遠山さんと五明さんがラジオCMに関わられていることは知っていましたが、その経緯や思いをじっくり直接聞けたのは今回が初めてで。
本当に興味深かったです。
そしてその後に、このインタビュー読んだら感謝しかなくて。

芸人で初めてのTCC新人賞を受賞で話題、グランジ・五明インタビュー
 『CMの現場に芸人を連れていくと、結構喜んでもらえるんですよね。
 吉本にはたくさんいるんですよ、テクニックは持ってるけど仕事に困ってるヤツらが。
 信頼できる人に仕事を回すこともできますし、僕もクオリティーを上げたいですし、
 芸人仲間みんなが少し潤ってもらえればいいですね』
芸人に軸足を置きつつも、様々な挑戦をされて、そして仲間の可能性も広げようとしてくれているお二人のことを、
これからも陰ながら応援させていただきます。