生涯に何回もない買い物が。
とってもすごく大切な買い物なのに、成果品を見ないまま契約するのが特徴。
建売住宅やマンションだったら実際に見て買う事が出来ますが、注文住宅の場合、成果品を見るのはご契約後になります。
安くても1千万円台ですよ。普通。
そして、「総額がすごいね」、と言う事が言いたいんじゃなくて、建築に使われる材料は、¥100位の材料から始まって、数千円とか数万円の材料の積み重ねで1千万円台~になる事です。
要はとんでもない数の材料が使われているという事。また、それをどの様に組み立てる(組み合わせる)かで、性能やデザインに違いが出るという事。
それを踏まえて、新築住宅の契約書ってどんなのだと思います?
正確には設計事務所は工事は請け負わない(*1)ので、設計の契約書と言う事になりますが、
このiphoneと同じ幅のファイルがある物件の契約書一式です。(大きさは30坪台の2階建て住宅)
予想より多いですか、それともこんなもんだろうと思いましたか?
常々言ってますが、性能に関する標準仕様はあくまでも標準仕様。注文住宅であれば、標準仕様は目標であって、その住宅の結果ではありません。
その結果をお客様に知らせて、納得頂いたのでご契約に至る訳です。
間取りが決まったらご契約と思っている方へ。
どんな材料が使われて、どんな性能で、どんな使い勝手になるか説明を受けましたか?そして、それは納得できましたか?
細かい事は後回しと思っている方へ。
最初に書いたように住宅の材料は、元々細かい材料の積み重ねです。1つ変える事で他も変えないとおかしくなる事もあります。その事で1つ変われば100変わる可能性もあります。
契約後の変更で、ご予算は大丈夫ですか?
契約してしまったから、変更したり後戻りするのも受託者に申し訳ない、または面倒くさいと思っていませんか?これから30年以上住みましょうと受託者と話が盛り上がったのに、家づくりの為の数か月を急がされたり、面倒くさくなったりしてませんか?
やはり、全てはご契約前に納得されるべきです。そして、計算資料や図面が増えたからと言って、コスト(設計料)が上がる訳でもないので安心して下さい(*2)。
当たり前ですよ。元々、建築するのに必要な図面だったり、計算だったりする訳ですから、契約書類に添付するのは、むしろ自然な事。
ない方が不自然です。
契約書と契約約款、重要事項説明書、建築士法第24条の8の規定に基づき委託者に交付する書面が契約書類の1セットですが、その根拠になる資料を一緒に添付します。
設計・監理の見積書、設計図書(意匠図、構造図、設備図の計52枚)、プレゼンボード、熱損失計算書、夏期日射取得係数計算書、構造計算書を添付します。
他に、CASBEEの評価書と省エネ法における住宅省エネラベルの結果報告書も添付してあります。
全ての資料はそれまでのお打ち合わせで既に提出してあり、お客様にご納得いただいています。
特別な資料は添付していません。すべて、工事する為に必要な資料を揃えただけです。
どういった買い物をするか納得していただけるからご契約できるんです。次の作業へ進む為に契約しましょうというセールストークは間違っていると思います。
(*1)建設業の登録がしてあれば設計事務所でも工事の請負が可能です。
(*2)性能表示や長期優良住宅等の確認申請以外の書類作成費は別途費用が必要になります。