native dimensions blog

新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

表面結露のはなし。

2016-01-11 23:11:41 | 温熱環境
基礎的な話からだんだんディープになっていきます。

昨日は、結露の違いは温度の違いまでを話しましたが、皆さんのイメージは部屋と部屋の室温が違う場合を想像されたかと思います。
でも結露はそんな生易しくない事を知ってるはず。

暖かい部屋でもサッシが結露してるとかね。

温度が違いさえすればどこでも結露しちゃうんですよ。
隙がないですよ。

暖房している部屋のガラスが結露しているなんてザラですからね。
今日はそのガラス表面の話で例えます。

空調で室温をコントロールすることよりも、建物の性能がいかに重要かってはなしです。

部屋にぶら下げている温度計が指す気温と壁やサッシの表面の温度が違うのはなんとなく想像できますでしょうか。

室温は空気そのものの温度ですし、壁やサッシの温度は外気の影響を受けている材料の表面温度です。
ここに若干だったり相当の違いが生じます。

表面温度は算数で知ることができます。
紹介するのは、周辺に障害物がない時の材料の表面温度の式。

この式の意味なんて今日はとりあえずどうでもよくて、表面温度は算数で知ることができるんだなくらいでいいです。

という事で、前回と同じく室温22.5℃で湿度75%の部屋があったとします。
この時の外の温度を0℃としましょう。

この部屋に単板ガラスのサッシが取り付けられていた場合、ガラスの表面温度はどうなるでしょうか。
単板ガラスの熱貫流率を5.9w/㎡・Kとして、上記の式に代入するとガラス表面の温度は7.2℃という事になります。

また、ガス入りLOW-Eペアガラスの場合はどうでしょうか。
熱貫流率を1.4W/㎡・Kとすると、ガラスの表面温度は18.8℃です。


つまり図の様に室内の気温が22.5℃あったとしても、単板ガラスではガラス表面で結露してしまい、ガス入りLOW-Eペアガラスだとかろうじてですが、結露を防ぐことができます。

このように、たとえ室内の温度を暖房器具で上げたとしても、壁やサッシなど建物躯体の性能が良くなければ、その表面で結露してしまうのです。

今日はここまでにしますか。

結露は建物の性能が良くなければ止められない、まで。



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