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志情(しなさき)の海へ

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International colloquium "Modernization of Asian Theatre" was exciting today, too.

2014-03-17 01:16:42 | Theatre Study(演劇批評)

                       (Ryosuke Ido & Dai Hayashinoto&Zhao Zhiyong with female mask and costume)

昨夜の懇親会で北京の研究者が、香港に対しての心情と、逆に香港の研究者の北京中央への心情の落差が興味深かった。香港の教授はイギリスの植民地後の一国二制度は、1997年から中国の植民地の香港だと、話していて、北京の批評・研究者は、香港の研究者はちょっと怖いと話していた。中国は、巨大な国である。またウイーグルの演劇(芸能)について博論を書いているハワイ大のRさんは、中央アジアのイスラム圏の民俗的アイデンティティーがイスラム教に根差していることを強調していた。以前台北でもお聞きした論稿だが、綿密に向き合っていることが伺われた。去年ワシントンDCでウイーグル出身の女性にお会いした。独立志向を内々に抱いていると察したが、彼女はしかし、いまはその時期ではなく、徐々に中国の民主化の過程の中でありえると話していたのが印象的だった。言語が中国語ではなく、独自の言語で民俗芸能が上演されている。DVDで見ると独特な地謡の歌曲が面白く、ダンスモードで、集団演舞、所作で物語が続いていくように見える様は、楽しい雰囲気で、メロドラマ(いわば日本の新派劇のような)のようなイメージだが、沖縄芝居に似ている。

物語の筋が似ているのが面白かった。封建制度の中で、互いに惹かれあっている若い男女が親の意図で、他の男性との結婚を強要されていて、二人の恋がさてどうなるかのような物語、祝祭的な踊りと音楽のコラボ舞台は耳目を引いた。ミュージカルである。いわゆるダイアローグ舞台が近代劇の象徴(西欧)においては、イプセンが近代劇の父である。Spoken Dramaが近代の始まりがオーソドックスな世界演劇史である。そこでモダニゼーションが問われている。

モダニゼーションそのものも西欧の概念ではないか、の問いかけもあり、若い中国人の女性はパリからやってきたが、ノーベル賞を受賞したGao Xingjianの演劇作品を取り上げ、哲学的に西欧とも異なる中国演劇のModernityについて報告した。おそらくフランス語が得意であるに違いない彼女は、英語で発表したが、確かに発音が多少フランス語的に聞こえてはきたが、書かれた英文原稿の要約されたパワーポイントはとても興味深かった。近代の概念が異なるのである。中国語にBEがないこと、BEINGがないとことに驚いた。何があるのか?BETWEENだと話した彼女の論はとても興味深かった。漢詩の独特なコンセプトをもってきての読み解きも深め、昨今漢詩がなぜか身近でざわめいているゆえに、注目に値した。

なぜかについてはここでは紹介しないでおこう。面白かったのは、つまり漢詩であり、琉歌である。それぞれの民族の根にある歌謡の中に秘められたもの、その中に宇宙観、世界観がまた網羅されている、に尽きる。GAOさんが中国ではなく、フランスで生活しながら創作を続けていることも、ある面、コスモポリタンなのかもしれない。ローカル=グローバルである。

KUNQU(崑劇)の研究発表もなかなか注目で、2000年代に入ってユネスコに重要無形文化財として登録されている。(2009年です!)いわば組踊と一緒だね。北京オペラより古い形態の中国演劇である。少なからず組躍にも影響をあたえている。福建州あたりの演劇だった。

午後はインドの研究発表である。カルカッタ大学のT先生はTAGOREの近代化への貢献の題である。タゴールは詩人として著名で1913年にノーベル文学賞を受賞している。アジアではじめての受賞、西欧との接触が大きな要因だったいう。異文化との接触がもたらすもの、その果実が提示するものを彼女は紹介した。タゴールが見せたものはインド社会のラディカルな改革でもあったことが作品から見えてきた。

カースト制度の底辺の女性が僧侶の慈愛の中で歓びのダンスを踊る姿など、沖縄の作品との類似もあり、興味深かった。もっと切開してみたい。

お能のデモンストレーションなど、ご自宅に能舞台をもっているお能役者の具体的なお話しでとても良かった。新しい発見があった。発見はいつでもいいね。無知に光が差し込むようなものがありえる。

生きている限り、驚きや発見、感動があるのは単純にいいと思う。別れはいつでもさびしいし、虚に包まれる。

Uyghur staged Drama

大阪大学中之島センター近くのビルと梅の花


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