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sukekiyo TOUR2020「DRIPPIN'」 都久志会館

2020-04-11 09:57:37 | LIVE

ご無沙汰です。すっかり更新が途絶えてしまいました、、、
閉塞な世の中ですが、2/25に行われたsukekiyoのTOUR「DRINPPIN'」の都久志会館での福岡公演をレポートします。
今回のTOURは昨年発表されたニューアルバム『INIFIRITIUM』に伴う第2弾。昨年発売時に『FORTY』というTOURを実践していますが、やり切れなかったのでもう一度TOURで研ぎ解したいというのをインタビューで見た記憶があります。
滴る、滴下といった意味を持つ今回のツアータイトルですが、その名の通り、当日の福岡は公演直前から曇りがちになり公演直前には夕闇に雨が滴り落ちていました。不思議なことに、sukekiyoの公演は、個人的に晴れた天気より不安定で陰湿な空気が似合う印象があって、まるで開演までの気持ちを盛り上げてくれているように感じました。

会場の都久志会館は今年の5月で閉館が決まっています。天神の四次元とか郵便局とかが並ぶ中にひっそりと佇むイベント会場。吉澤嘉代子のワンマンライブで昨年2月に来て以来でしたが、入場すると白を基調にしたホワイエに、ホール会場まで続く長いスロープ、1000人位の中規模なホールと、ほかの会場には独特な造りがなんで、好きだったし、sukekiyoの空気感にも合っていると思います。福岡市内にはコンサートできるメジャーなホール会場というのがサンパレスと市民会館と国際会議場位しかないので、規模的にも結構レアな会場で、好きな会場の1つでした。

僕はオフィシャル先行で購入したので、座席は真ん中やや後ろよりだったのですが、既に会場が暗くて殆ど周りの人が見えないというレベルの照明。PA席の後ろの方はほぼ空席だったので、集客的には7割位だったんじゃないでしょうか。実際、僕の隣2~3席は空いていましたから、ゆっくり見ることが出来たんですが。
ステージには所狭しと設置された機材の山、『INFIRITIUM』のジャケットをモチーフにしたバックドロップ、ステージにランダムに配置されたノイズ混じりのブラウン管テレビと、退廃的な雰囲気がひどく漂う光景でした。

予定時刻と同時に開演を告げるブザーが鳴り響き、暗転する中、匠(Gt&Piano)が登場して、ピアノの伴奏。
そして、金髪に染め上げ、白シャツ、黒ボトム、黒のロングコートに身を包んだ京が入場し、伴奏に併せて耳慣れない楽曲を歌い上げる形から始まりました。(擬似DRIPPIN' (06.03.2020) の最初にやっていた曲)

SE
1.新曲(Voice&Piano only)
2.漂白フレーバー
3.実験的新曲1
4.艶
5.kisses
6.Valentina
7.dorothy
8.されど道連れ
9.君は剥き出し
10.偶像モラトリアム
11.the daemon's cutlery
12.死霊のアリアナ
13.黝いヒステリア
14.12時20分金輪際
15.接触
16.濡羽色
17.憂染
18.ただ、まだ、私。
19.疑似ネクロマンサー
20.白濁

京と匠の歌が終わると、未架(Ds)、YUCHI(Ba)、uTA(Gt)と入場し、物言わぬ静寂の中、初っ端から「漂白フレーバー」という、色濃い楽曲から『DRIPPIN'』が本格的に開演しました。これまでの彼らの公演は基本、歓声、暴れ回り禁止でしたが、今回のTOURからは公式で声を出さなければ好きに動いてもらってOKという事で、ルールはありつつ多少の自由が許容されていました。その為かこの曲が始まるや否や席から立ち上がって観ている人も僅かですが見受けられました。
僕はもうライブというより、一つの演劇というか、歌劇のようなものだと思ったので、敢えて立ち上がらず、座ったままじっくり見る選択をしました。仕事で疲れていたというのもあるんですけどね(笑)
「実験的新曲1」と名付けられたタイトルの決まっていない新曲を挟み込み、「艶」「kisses」等のヘヴィさと陰湿さを孕みつつ歌モノが中心となった選曲。盛り上げるというより、徐々にsukikiyoの空気に蝕まれて行くような感覚の中、新曲の「Valentina」さらには「dorothy」と、ある意味でポップでキャッチーな楽曲が良い意味で異彩を放ち、ライブに彩りを加えつつ、インターバルらしいインターバルはほぼ挟まずに一つの固まりのようになって展開していきました。sukekiyoのメンバーは多彩な楽器を演奏しますが、京も自身の機材を要所要所で使用しながら歌いこなすというパフォーマンスで、前回の『FORTY』からの流れでそれが一層確立されていました。彼自身、sukekiyoでは他のメンバーと同じように、パートを固定しなければならないという固定概念を壊して、自由に表現する事をルールとする。以前からもインタビューで話していた「自由」というのを、彼らなりの解釈で広げていっている姿がそこにありました。中盤「されど道連れ」から「the daemon's cutlery」という意外な楽曲を挟みつつ、「黝いヒステリア」位までが、全体的にも激しいセクションだったと思います。京はこのあたりでジャケットを脱ぎして、シャツもボタンを上半分くらい外し、より感情的なパフォーマンスを魅せていました。
「12時20分金輪際」から「接触」「濡羽色」「憂染」「ただ、まだ、私。」というもはや歌謡曲といっても良いのではないかレベルの楽曲が再度据えられた終盤の流れは、それまでの空気を一変した清純で瑞々しさに溢れていました。陰鬱、陰湿、清純、濾過、、、『INIFIRITIUM』をメインに据えながらも、もはや『INFIRITIUM』のツアーではありませんでした。むしろ今現在のsukekiyoをリアルタイムで表現していたといっても良い。もう彼らは次の段階に進んでいたんです。少なくとも『INIFIRITIUM』の世界観は皆無でした。むしろ『ADORATIO』以前の楽曲や、まだ正式に音源化されていない楽曲も加えて、決して『INFIRITIUM』だけではない、様々な色彩模様が混ざり合い滴り落ちる斑模様な情景。「DRIPPIN'」というタイトルに、何処かそんなイメージを持ちました。そんなイメージを象徴するかのようなタイトルが据えられた「白濁」で、全てが溶け合い、一つになった感触の中、「おやすみ」の一言と共に、終演。

外に出ると真っ暗な夜の闇に滴る雨が迎えていました。
珍しくこの日は参戦していた人と一緒に食事を食べて、帰宅しました。良き余韻に。。

ライブハウス中心のTOURで唯一ホールだった今回の公演。
後々セトリを振り返ってみていたのですが、他の公演が大体構成が似ているのに対して、曲順や構成を変える事で、ホールならではといった変化を見せてくれました。この公演後日に政府から自粛要請が出され、DRIPPIN'もファイナルである渋谷公演が中止となってしまい、今思うと貴重な公演だったと思います。そしてこの公演以降、僕が参加する予定だった公演も全て延期・中止となってしまい、今のところどうなるのか分かりません。。。また会えると信じるのみです。

ありがとう。
またいつか、会えますように。。それまで、おやすみ。。。



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