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三浦しをん「風が強く吹いている」

2006-10-23 | ま行の作家
才能に恵まれ走ることを愛しながら、走ることから見放されかけていた清瀬灰二と

蔵原走。偶然の出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れた者たちと箱根駅伝に

挑むことになるのだが...。友情やまわりの人に支えられ成長していく青春小説。


1920年から続く伝統の箱根駅伝。先日行われた箱根駅伝予選会。4年連続シード落

ちの名門早稲田。昨年は屈辱の10秒に敗れた城西は無事19校に名をつらねた。問題

は去年10位の拓殖大。今年もまさかの10位。9位との差はたった1秒だった。泣き崩

れる部員をテレビで見て、涙が止まらなかった。以前の私なら、このニュースを気

にも止めなかったろう。土曜日にこの本を読み始め、徹夜で読みきった日曜の朝が

くるまでは...。


ワタクシ かなりのコーフン状態でございます。オススメします!!

ものすごく面白いです!!!!  1200枚で読みごたえも十分です。


駅伝はたった1人で身体の機能を全て使って、プレッシャーと戦うスポーツだ。

それでいて、1つの目標に向かって10人が力を合わせる。個人戦でいて団体戦

でもあるのだ。


ハイジ 走 双子 ニコチャン ムサ ユキ キング 神童 王子

それぞれが作品の中で輝いている。一人一人に過去があり、ドラマがある。


走り続けることは、簡単なことではない。途方もなく無謀な挑戦に挑む彼ら。


予選会でさえ、緊張や息づかいが伝わる。ゴールの瞬間が目に浮かぶ。


そして迎える1月2日の往路 どこまでも歩道に並ぶ沿道の小旗をふる人々。

流れるテレビ中継。緊張はピークに達していた。それぞれの区間、雰囲気に

のまれながらも、10人は立ち向かう。

一夜が明けて1月3日復路 激突の時。絶対諦めない。届いてみせる。

読んでいる私は泣いたり笑ったり大忙しだ。

仲間が仲間を思いやる気持ち。是非レースのシーンを読んで体感して欲しい。

この作品心をうつセリフが多いのも特徴だ。

『いまのきみ自身が走るんだ。惑わされるな。振り向くな。もっと強くなれ。』

『俺たちが行きたいのは、箱根じゃない。走ることによってだけたどりつける、
 どこかもっと遠く、深く、美しい場所。』

『走っても走らなくても、苦しみはある。同じくらい喜びも。だれもが、
 それぞれの悩みに直面し、なしとげられないとわかっていてももがいている。』


6年かけて緻密に取材をかさねて創りあげられた三浦しをん渾身の作品だ。とても

若い作家が書いたとは思えない。間違いなく今年NO1だし、賞も受賞するだろう。

最初「まほろ駅前多田便利軒」が全く私と合わなかったので読む気はなかった。

ソルトさんのオススメで読むことになった。ソルトさんありがとう♪

本当に読んで良かった。表紙がまた素晴らしい!!ものすごく絵が細かく、

登場人物の特徴もとらえている。


もう一度箱根駅伝前にじっくり読みかえそうと思う。


来年1月2日から素晴らしい本物のドラマが繰り広げられるんだろうな。

今から楽しみだ。5点中4.6点

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
良かったぁ (ソルト)
2006-10-23 22:29:13
面白いと思っていただき、良かったぁ。



先日の箱根駅伝予選会、私も新聞をじっくり読んでしまいました。

この本を読んだ人は、箱根駅伝のファンにもなるでしょうね。



10人それぞれが、ゴチャゴチャになることなく、生き生きと面白く描かれていましたよね。



私も今度のお正月は、箱根駅伝を楽しみにしています。



読んでみなければ、感動する本にもめぐり合うことはできません。

これだから、読書はやめられませんね。
返信する
三浦しをん (バーバママ)
2006-10-24 08:08:34
まだ「まほろ駅前」しか読んでいないので、次は何を読もうかな、と思っていました。この小説面白そうですね。読んでみます!
返信する
Unknown (naru)
2006-10-24 20:40:30
>ソルトさま

ご紹介いただきありがとうございます。けちんぼのワタクシが定価で本を買うことはあまりないのですが、これは大正解でした!!とくに表紙の絵が気に入りました。10人以外でもライバルだったり、ヒロインだったり、大家さんだったり、とにかく人物像が細かく描かれていますよね。しをんさんに脱帽です!面白かったです。関東インカレのポイントのこととかも知ったかぶりで会社の人に話しましたよ(笑)この本のおかげですね。いい評判のものでも、自分に合わなかったり、反対につまらないと言われているものが、結構自分に合ったりします。本でも映画でも自分で感じるのがイチバンだなぁと感じています。



>バーバママさま

ようこそお越しくださり、コメントまでいただき、ありがとうございます。この作品良かったらお読み下さい。読み始めの頃は表紙と見開きの絵を見ながら読むと、とっても楽しいです。けっこう読みごたえがあります。きっと箱根駅伝ファンになると思いますよ。バーバママさんが気に入っていただけると良いのですが...。

返信する
私も! (BEE)
2006-10-27 11:05:46
こんにちは。

naruさんも「まほろ駅前~」が

合わなかったのですね!

私もなのです。まほろ~は皆さんの

評価が高いので、自分の方が

変なのかしらと思っていたのですが、

同意見の方がいらして、心強くなって

しまいました(笑)



この本を読んだおかげで、先週末のTVで

箱根駅伝の予選会を真剣に

見てしまいました。

この中に走やハイジがいるんじゃないかと

錯覚してしまいましたよ(笑)

また遊びに伺います。

今後ともよろしくお願いします。
返信する
ザ・たっちは... (naru)
2006-10-27 21:09:46
こんばんは。わざわざお越し下さり、コメントまでありがとうございます♪「まほろ駅前~」は10代とか20代だといいのかなぁと思ったりもしましたが、私にはホント合わなくて...。でも今回は面白かったです。

この作品、映画やドラマで作りたい人いるでしょうね。でもロケが大変か...(笑)ザ・たっちは受け入れられるかな。読み始め、NHKの朝に出ていたイケメンの双子で絵描きの人(名前は知らないのでスミマセン)のイメージで読もうとしたのですが、どうしてもザ・たっちが浮かんできてしまいましたよ(笑)予選会私は号泣しました。拓殖大が可哀想すぎて...。20校出してあげてよって思いました。今年は沿道に出て、旗を振りに行こうか...ぐらいの気合です(笑)

BEEさんのブログの名前素敵ですよね。はちみつ書房。

なんかググッと魅かれました。年齢も近く、動物の森や見ているドラマ、屋根部屋のネコなど、勝手に親近感を持ってしまいました(笑)ちなみに「どんぐりまつり」で集めたベットやテーブル、テレビなど、全てデカイ!!のです。カワイイのですが、ちょっと邪魔で困っています(笑)



おぉー『ナイチンゲールの沈黙』読まれたのですね。

私はもうちょっとで図書館から手元に来そうです。ネットで調べてみたら、今回は「ドラマチック」らしいですね。楽しみです。氷姫が出てこないのが残念ですね。読みははずれましたよー。また感想お知らせしますね。



そちらにもちょくちょくお伺いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。



返信する
Unknown (ちきちき)
2006-11-09 18:22:23
naruさん、こんにちは。
TB&コメントありがとうございます。
素敵なブログタイトルっすね。

興奮しましたねー。
ラストは泣いちゃって、大変でした。
表紙も一見地味ながら良く見ると味わい深くって、いろいろ発見して嬉しくなってしまいます。

これからもどうぞよろしくお願いしますね。
返信する
Unknown (naru)
2006-11-09 21:12:24
ちきちきさま こんばんは。
わざわざ訪問&コメントありが
とうございます。うれしいです。

ちきちきさんがおっしゃるとおり、
しをんちゃん感動をありがとう...
ですよ!!『まほろ...』が合わなか
ったので読む気はなかったのです
が、読んでみてびっくりです。
私もラストはおんおん泣いちゃいました。

こちらこそどうぞよろしくお願いします。
返信する
Unknown (ia.)
2007-12-27 00:47:24
こんばんわ。
私も「まほろ駅~」は、まあまあだったので、あまり期待せず読み始めました。
ちょっとだけ読もうと思ったのに、続きが気になって、とうとう最後まで一気読み。
笑えるし、泣けるし、カッコイイし、最高でしたね。
もうすぐ箱根駅伝ですし、本物の駅伝も楽しみになってきました。
返信する
Unknown (naru)
2007-12-27 19:10:47
ia.さん こんばんは。
面白くて一気に読んじゃいますよね。
今の時期読むには、ベストな作品かも~。
私もこの本読むまで、駅伝は見たことなかった
のですが、前回はテレビの前で応援しました。
大勢の登場人物なのに、ごっちゃになることなく
それぞれが個性的に描かれていましたね。
昨年の私のベスト1の作品です。
返信する
Unknown (らぶほん)
2008-02-29 14:11:41
こんにちは。
今年の箱根駅伝はとてもドラマチックでしたよね。
テレビで応援しながら泣いてしまいそうになりました。
作品を読んでいて、そのときのことを思い出してまた胸が熱くなりました。
それにしても、今年の箱根駅伝はこの作品を読んだ多くの人がテレビ観戦をしたのではないでしょうか?(笑。
読んでよかった!と素直に思えた一冊でした。
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