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待ち合わせは本屋さんで

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中島京子「均ちゃんの失踪」

2007-01-08 | な行の作家
内田均(ひとし)通称キンちゃんはイラストレーター。そんな彼が失踪している間

に、家に泥棒が入ってしまい、3人の女が関係者として呼ばれた。

均ちゃんはいったい何処に??


ロクでなしだが憎めない男っているのよね。

自分が恋人だと思っていた20代の雑誌編集者、均ちゃんをサブカレだと思っている

30代の外資系重役秘書、均ちゃんの元妻で大家でもある40代の美術教師。


この作家初読みでした。短篇ごとに主人公が変わるのですが、とても読みやす

かったです。1人の男に3人の女。当然泥沼になると思いきや、ゆるくて、

のほほんとしたお話でした。

均ちゃんの失踪している間に、この3人にいろんなことがおこってきます。

こうやって人は時とともに、一歩ずつ前にゆっくり進んでいくんだね
 
ネタバレになっちゃいますが、後半10代の女性と50代の女性が出てきます。

全ての年代の女性を作者は描きたかったのかなぁ...と思いました。

地味ながら、まぁまぁ面白かったです。笑えるし。

この作家の他の作品も読んでみたいな。5点中 3.5点


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永井するみ「欲しい」

2007-01-07 | な行の作家
渡米しMBA取得、その後、人材派遣会社を経営する紀ノ川由希子は42歳で独身。

家庭のある久原と逢瀬をかわす。バリバリ仕事をこなすが、恋人は手に入れられず

孤独だと嘆くのを、贅沢な悩みと思ってしまうのは私だけか。

彼女の心の隙間を埋めるのは、29歳高級派遣ホストのテル。

そんな中、あるトラブルがおこる。


夫と子供に囲まれても寂しいと派遣ホストを頼む主婦。人間ないものねだり

だからな。ちなみに4時間で6万、デート代は女性持ち。寝るのは別に2万8千円。

「最高のヒロイン」にしてくれるその金額は高いのか安いのか。


不幸な境遇で育ったシングルマザー、金を無心するDV夫も物語に加わってきます。

この作家初読みです。とても読みやすい作家だという印象

先の読めない展開にぐいぐい引きつけられ、一気に読んじゃいました。

中盤までは、かなり面白いです。で...どうなるねんって感じ。

ただ後半失速してしまったかな

現代の問題点をついています。ドラマにしたらかなり面白いけど、

いろいろ問題あって難しいかも。


タイトルの意味になるほど...とうなづく。

ラストはふーーーん。          5点中 3.7点


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西加奈子「通天閣」

2006-12-21 | な行の作家
パワーあふれる街 大阪ミナミ。そこにそびえる通天閣。



関西人としては、読まねばならぬ...ということで読んでみた。



通天閣のある、新今宮近辺って地元にいる時は、怖くて近づけなかったけど(笑)



観光地になったのが、不思議なくらい。




夢を失い町工場で働く中年男と、恋人に捨てられそうになりながら、スナックで



働く若い女が主人公。




同じことがただ繰り返される毎日。夢も希望もない彼らにあるのは絶望。



八方ふさがりで、なんだかイタすぎるぞ



そんな冬のある夜、通天閣を舞台にある騒動がおこるのだが...。




コンビニ店員、新入り、オカマのオッサン、スナック『サーディン』の



ホステスたち、オーナー、ママなどが登場。




大阪弁は、やっぱりええな。あったかいし、優しいし。




しかし、よれよれの中年男の気持ちが何故分かる!!若いのにすごいね..この作家。



愛すること。大事なもの。ホロリとさせられる。




ラストは、今までゆるーいお風呂に入ってたけど、熱ーいお湯を足し、



「あーええ按配やな」って感じだ。




いいまわしが良いし、パズルがカチリとはまった感じ。笑わせるトコロもある。




それに『ジム・キャリーはMr.ダマー』を選ぶセンスの良さ(昔見た。かなり下品な



映画で凍りついたけど)



この作家は初読み。他の作品も読んでみたいなと思った。



でも、汚いシーンはちょっと嫌やった(ランチ食べてたんで)あと夢のシーンも、



いらんのとちゃうかなと..(意味あるんやろうけど)ので、少し点数が下がった。




神経質な中年男はトヨエツ。若い女は菅野美穂(おぉー!BEEさんと一緒やわ)で



いかがでしょう。ちなみに新入りは森山未来で。




長渕剛の歌にある『長い長いのぼり坂 走ってみても 同じこと



あとに下がれぬ道ならば 大地を踏みしめ 歩きましょう』なんかその歌を



思い出した。あの歌のタイトル何やったかなぁ。5点中3.6点


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仁木英之「僕僕先生」

2006-12-13 | な行の作家
唐の時代。主人公は王弁22才。現代でいう、ニートでプチひきこもり。博打も女も



興味なしだが異国に思いをはせて空想にひたり、だらだらと毎日を過ごしていた。



財産家の父は元官僚。頼りない王弁を見かねた父は、彼に仙人に会いに行くように



命令する。途中、僕僕と名乗る10代半ばの美少女と出会うが、実は彼女が仙人だっ



た....というお話。(もちろんこの後、お話はどんどん展開していく)




第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。装丁かわいいーっす。



ファンタジーのような、御伽噺のような、そんな中ラブもあったりして、



ライトノベルズのような感じでもあります。




中国時代物だったんですね。あぁ...借りるまで知りませんでしたよ。日本の歴史



も、ままならないのに、中国の歴史など大丈夫か私!!三国志とか苦手だし



(難しい漢字とか超苦手)と思いつつ読みました。




さて感想です。




惜しい。出だしOK。ラストもいい感じ。ただ中盤が少々だるかった。



淡々としている主人公に、喜怒哀楽がないからかなぁ。中盤に主人公に感情移入



して泣いたり、怒ったりするシーンが欲しかった気がします。とは言え中国時代物



が超苦手な私が、読みきったということは、それなりに面白かったし、現代部分が



物語にテイストされて読みやすかったからかもしれません。



現在日本ファンタジーノベル大賞優秀賞の『闇鏡』読んでます。こっちは室町時代



....だから歴史物苦手なんだってば!大丈夫か私!(笑) 5点中3.5点


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夏石鈴子「いらっしゃいませ」

2006-11-28 | な行の作家
楽しいかどうかなんて重要じゃない。会社で働く女の子にとって必要なのは、つま



らないことも我慢できること、そして、その我慢のなかでも何かを忘れないこと。




短大英語科に通う みのりは、いつまでたっても母親の意思が優先され、自分の



行く先を決められないでいた。そんな彼女が自分の意思で大手出版社を受験し、



確実に落ちるはずが、難関の試験や面接を乗り越えて採用される。配属はなんと



受付!! そこにはベテラン木島をはじめ紅子、宮本らがいるのだが...。




さて感想です。




うーーーーーーーーん。微妙!!! 受付の話でよぅここまでのばしたな。



淡々とした毎日で、きっとこのままでは終わらないだろうと思って、読んでいた



のですが、終わってしまいました(笑)




木島さんみたいなベテランがいると助かるけど、ちょっとうっとおしいかもしれ



ないです。



結局クレームとかは他の人にふるわけだし、じかにクレームを受けていた人間と



しては、甘いんじゃないの...と冷たく思ってしまったわけです。スミマセン。




作中に登場してくる児玉さんは、1983年文芸春秋に作者と同期入社した白石一文



さんらしいです。彼はこの本のラストに解説も書かれています。



みのりは私ではないと作者はおっしゃっていますが、エッセンスはもちろんある



でしょう。モデルもしかりです。




一緒にいて合わない人なんて会社にはいっぱいいます。



て...言うか、合う人の方が珍しいぞ!(笑) お給料なんて我慢料だぁ!!!(キッパリ)



でも日々学習して、折り合いをつけて闘っていく姿は共感しました。



自分もそうだったのか、こんなに初々しい新人だったのか.....あまりにも昔で



忘れてしまいましたが(笑)まぁ普通でした。5点中2.8点



彼女の作品では『夏の力道山』は面白そうなんだけどな(まだ未読)



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夏樹静子「見えない貌」

2006-08-29 | な行の作家
夏樹静子さんの作品って久しぶり。昔 火曜サスペンス劇場でやってた

「女検事 霞夕子」はお気に入りだった。霞夕子と言えばやっぱり桃井かおり。

鷲尾いさ子や床島サンでは役不足だったな。


さて本の内容はと言うと...

結婚した娘が行方不明になり、無惨に殺害された姿で発見される。母親は

「メル友に会いに行く」という言葉と、残された携帯電話からある男にたどり

つく。そして第二の事件が発生する。舞台は東京、神奈川、山梨など。

土地感があるところが出てくると親近感がわくな。しかし...なんか感情移入

できない。人恋しさで出会い系サイトを使って殺されたのだ。可哀想だけど、

自分にも非はあるだろう。それなのに思い出したように娘が死んだことを

嘆く母。これが本の半分くらいをしめる。


はっきり言って...うっとおしいねん。それに第二の事件まで長いなぁぁぁぁ。


しかし、ここから夏樹先生の腕の見せ所。リアルな裁判模様。法廷劇が

始まる。やっと事件が展開してきたがな。登場人物も、どやどや出てきまっせ。

もぅ主役は誰やねんってカンジになってくるけど、面白くなってきた。

最後はやっぱり火サスっぽかったわ。 5点中3.3点