~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

松本清張さんの「球形の荒野」

2012-02-15 07:28:17 | 小説・本
私(おじさん)の読書日記です。

私は小説、特にフィクションものが好きで、安価な文庫本でよく読んできました。

そして、今好きな作家を3人挙げろと言われたら、
 松本清張さん
 池波正太郎さん
 宮部みゆきさん
になります。

最初に好きになったのは松本清張さんです。
所謂社会派推理小説といわれるものを多く読みました。
その他恋愛小説的な現代小説も結構読んでいます。

今日は松本清張さんの小説の中で最も好きなものの一つ「球形の荒野」について綴ります。


まず、私は戦争が嫌いです。

ですから、私が若かった頃、ものすごく人気だったテレビドラマ「コンバット」もあまり見ませんでした。
ジブリの「ホタルの墓」も二度と観ることができません。

そんな私ですから、一命を懸け一刻も早く戦争を終わらせようと画策したというエピソードを元にしたこの物語が私の心を射止めたのも当然と思うのです。

ミステリーとしては破綻を見せているといわれる「球形の荒野」ですが、私はそんなところは全然気にしません。
ストーリーが好きなのです。


まず小説の導入部分の奈良のお寺の描写が素晴らしいのです。

そして小説の中に出てくる奈良や京都がすごく素敵に描かれています。
この小説を読むと本当に奈良や京都を旅したくなります。

読み進むうちに何か怖い雰囲気になったり、じれったくなったり、そして泣けるのです。
最後の部分はもう涙がボロボロ出てきてしまいます。

 
戦争がもたらした悲劇。

そして戦争がまだ完全には終結していなかった時代の悲劇が描かれています。
(いや今でもまだ日本は戦争の総括がなされていないから?、中国や韓国などからいろいろ言われてしまう。。。そんな気もします)


この小説を読むきっかけになったのが、NHKのドラマ(調べてみたら私が夢中で観たのは1969年に放映された5回連続のドラマ)でした。
このドラマの後、映画(1975年公開)にもなっているのです。

ただ、私はテレビの俳優と映画の俳優がごっちゃになってしまっています。
当時映画は観ていないのですが、何故か出演者のイメージが竹脇無我さんと島田陽子さん、そして芦田伸介さんになっているのです。
この本を読むときはこの方々の顔が浮かんできます。

 
松本清張さんの「球形の荒野」、もう何回読み返したことか。。
私の大好きな小説のひとつです!