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Peace of Mind を求めて…

悲しいことがあっても、必ず新しい朝は来るのですよね

「のだめカンタービレ」観ました♪

2006-10-23 23:37:22 | 映画・テレビ

テレビ版「のだめカンタービレ」を娘2人と一緒に観ました。
普段あまりテレビを見ない我が家なのですが、娘たちが友達から聞いてきて、「おもしろいらしいよ~」と誘ってくれるので、珍しく姉妹けんかもせず、3人で仲良く観ました。

コミックは3年くらい前に私が気に入って7巻くらいまで買ってきて、中学生だった娘Sに「この本、あなたみたいな人が出てくるから読んでごらん~」とだいぶ薦めたのですが、その当時のSは手のつけられない不良一直線だったので(つらかったよ~)ほとんど興味を示すこともなく、コミックは本棚でほこりをかぶっていました…

その「のだめ」が急激に脚光を浴び始め、テレビ化され、今ではだいぶ落ち着いてくれた娘Sとこうやって穏やかにテレビで観られるようになるなんて……なんだか感慨深いものがあります…

テレビの方は、配役をきいたときエーッと思った玉木宏くんの千秋が一番ピッタリさまになっていて、コミックのハイテンションな感じがそのまま実写化されていて結構おもしろく、家族で毎週みてしまいそうです!!

今日はお父さんも誘ったけれど、観るのがしんどいらしく、2階へ上がっていってしまいました…
一緒に「のだめ」を観て、笑えるようになってくれたらなぁ~
早くそんな日が来ますように…  


『閉じる日』と『きょうのできごと』(監督:行定 勲)

2006-10-22 23:49:53 | 映画・テレビ

行定監督の作品を2本借りてきて観ました。
全く毛色の違う作品です。

行定監督の作品は今までに「GO」と「贅沢な骨」しか観ていなかったのですが、今回観た「閉じる日」は「贅沢な骨」と、「きょうのできごと」はどちらかといえば「GO」と似た路線の作品だったような気がします。

「閉じる日」は父娘の近親相姦、父親殺し?、姉弟の近親相姦…そこから抜け出せずにもがき苦しんでいる姉弟を中心に、弟をその暗闇から救い出そうとする同級生の女の子もからめて、哀切に描いた作品でした。出だしからこの作品の象徴のような物悲しいピアノの旋律が流れ、心を捉えられました。

エンドロールを観たら、大好きだった劇団「第三舞台」の筒井真理子さんの名前が…えっ、どこに出ておられたのかしら…?? 登場人物は少なかったから、あっ同級生の女の子(綾花さん)の水商売をしている母親役だったのかな??…

「きょうのできごと」は京都の大学の大学院に進んだ先輩(柏原収史)を訪ねてきた後輩たち、友人たちがワイワイと食事したりお酒を飲んだり、酔っ払った女の子に散髪されておかしな髪型になったのを怒ったり、もてる男の子にひがんでからんだり、ガールフレンドとケンカしたことに悩んだり…たわいもない学生生活の1コマが描かれる…

その一方では、踏み込んできた警察から逃げようとして壁と壁の隙間にはさまって身動きできなくなった男の救出劇、海岸に打ち上げられた鯨を助けようとする女子高生…という2つのニュースがストーリーに挿入される…

「おれたちの知らないところで、いろんなことが起きてんだな~」と、正道(柏原収史)の語った言葉がすべてを表しているように思いました。世界のあちらこちらで、いろんな出来事が起きている…楽しいことも悲しいことも…自分に関わることも、関わらないことも…朝が来て夜になり、また新しい朝が来る…そんな毎日を繰り返して私たちは生きている…

仲間うちで、いろんなちょっとした気持ちが微妙に錯綜するところも好きでした。
行定監督、結構好きですね! もっと他の作品も観たくなりました!


『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(監督:青山真治)

2006-10-15 17:15:28 | 映画・テレビ

大好きだった「ユリイカ」を撮った監督の作品!ということで期待して観ました。

「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」とは「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」という意味で、主イエスが十字架に張り付けられながら唱えた最期の言葉らしい。

出だしのシーンが印象的だ…ガスマスク(?)を装着した浅野忠信と中原昌也が砂漠を延々と歩いていく…パオのようなテント住居にたどり着くが、住人はすでに死体と化している…一体何が起こっているのか…?

世界中に正体不明のウィルスにより感染するという「レミング病」が蔓延しており、このウィルスに感染すると突発的に自殺してしまうらしい…

2人は廃校?の一室に音響機材を並べ、自然が作り出す音、創作の音(野菜を握りつぶす音、ゴムホースを振り回す音、吊り下げた貝殻がふれあう音…etc)を録音してはエレキギター等の電子音楽と重ね合わせて独自の「音」を創り上げていく…

この2人が創り出す「音」を聴くことでレミング病を抑制できるといううわさを聞き、1人の富豪がレミング病に侵された孫娘(宮あおい)をつれて2人のもとへやって来る…

しかし、2人の創る「音」はレミング病を抑制するのではなく、ウィルスのエサになっているだけなんだ…そう言い残して中原昌也は自殺してしまう…

すでにレミング病による自殺なのか、そうでない自殺なのかの区別さえつかなくなっている…

難解です!!!

すみません!…これってあの~実験的な映画なんでしょうか…??

広大な草原にスピーカーを設置し、長い髪を振り乱した浅野忠信によって大音響で奏でられるエレキギターの音!!…それに機械的な雑音(?)が混ざり合い、なんとも形容しがたい「音」が紡ぎ出される…

黒い服に身を包み、黒い目隠しをしたあおいちゃんが風にふかれるままに立ち尽くしてその「音」の世界に包まれる…(この場面は映像的にとても美しかったです!…エリカさんの過去の映像とあおいちゃんの姿が重なり合うのです…)

しかし……あの~めったに無いことなんですが~、私、このあたりで寝てしまいました

映画を観ながら寝たのは、「地雷を踏んだらサヨウナラ」以来です…(あっ、これも浅野忠信主演だ~

あの得体の知れない「音」には催眠効果があるのでしょうか…???

それでも、あおいちゃんは少しだけ生きる気力を取り戻し、浅野忠信はまた淡々と同じ日々を生き抜いていく…ラストシーンも心に残ります…

いつのまにか、浅野忠信の顔がイエス・キリストに見えてきたのは私だけでしょうか…???


『WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース』(監督:内田けんじ)

2006-10-12 00:30:12 | 映画・テレビ

おもしろかった~ センスがいいね~

全然お金かけてませんっていう感じだし、ホームビデオで撮影したような画面…役者も監督の友人達らしく監督自身も主人公の友人けんじ役で出演 お金をかけなくてもこれだけおもしろい作品を作ってしまう内田監督ってすごい 脚本は「運命じゃない人」と比べると少しわかりにくいところもあったけれど、この作品があって「運命じゃない人」につながっていったんだなぁという軌跡が感じられました~

軽快でおしゃれなリズムの音楽で始まったよ…

主人公山本役の中桐孝さんは、お人好しで情けなくてとぼけた雰囲気を醸し出していたし、けんじ役の内田監督との会話がなんだかおかしくて笑える…

けんじの彼女の元婚約者(ちょっと無気味!)が登場するあたりから、なんだかざわざわした不安感がひたひたと押し寄せてくるんだけれど、最後にはアレーッ~な~んだ~やっぱり女はスゴイぞ~…っていうことですね

情けなくてお人好しの愛すべき男性の皆さん! 女性には気をつけてくださいね~


『フラガール』(監督:李相日)

2006-10-09 21:38:37 | 映画・テレビ

娘Tが以前から観たいと言っていた『フラガール』を、シネマクレール丸の内へ観に行きました。

10時45分からの上映にあわせて10時20分ごろ着いたら入口付近に長蛇の列!!
えぇ~!?こんなにすごい人気なの~??それに並んでいる人たちの平均年齢がめちゃめちゃ高そう…!!(50歳はゆうに超えている~)

しかたなく列の最後尾に並び、様子を見に出てきたスタッフの方に、この列は「フラガール」を観る人の列なのかどうか尋ねたら、今日午後(13:15)から上映する「旅の贈りもの」という映画で、監督と主演女優さんが舞台挨拶にこられるらしく、そのチケットを買いに来た人も大勢並んでいたらしい。

でもこうやって大勢の人たちが映画館に足を運んでいる様子を見て、ちょっとうれしい!…さびれてしまって閉館した映画館を見てきたから…シネマクレール頑張れ~

そして『フラガール』…とてもよかった!!
ベタなストーリーなのに全くいやらしさがなく、ここぞとばかりにツボを押さえた泣きの場面が…私はまんまと4箇所で泣かされましたよ~!!

蒼井優ちゃんはどんどん成長していてスゴイ女優さんになってきましたね~!「花とアリス」で踊ったバレエも素晴らしかったけれど、今回のソロのフラダンスには目が釘付け! しずちゃんもフラダンス踊れるんだろうか…と心配でしたが、最後のシーンで見事に踊りきってましたね!(しずちゃんってああ見えても運動神経いいらしい…深夜番組で走り高跳びしてるのを見たことあります)…一番涙を誘ったのもしずちゃんの名演技でした!…それから、チラシ等に全く名前も載せてもらっていないけれど、蒼井優ちゃんの幼なじみで、お父さんが炭鉱をリストラされ、幼い妹たちの世話するため一家で夕張へ引っ越していく早苗役で出ていた徳永えりちゃん…一途な女の子を熱演してました。

とにかく、ちょっと元気がでないな~気持ちが沈むな~って思っているときには、この映画は絶対オススメです!!

観終わったときの気分が爽快で、きっと元気になれますよ!! 


『うつせみ』(監督:キム・ギドク)

2006-10-08 23:33:36 | 映画・テレビ

不思議な映画だった。

主人公の男女は最後まで一言も言葉を交わさない…でも最初にこの2人の目を見たときから、ああ…2人は同じ種類の人間だ…お互い孤独を内奥に抱え込んだ人間だ…と強く強く感じさせる…2人の雰囲気、佇まいがぴったりと美しく合致していて、寄り添っているだけで美しく切ない…

主人公の男は、留守宅に勝手に忍び込んでは、その家の住人であるかのように食事を作り、洗濯をし、お風呂に入り…という生活を続けている。ある日いつものように侵入した豪邸で、夫によるドメスティックヴァイオレンスにより、生きる気力を失っている美しい女と出会う。女に見つかり、一度は逃げ出したが、女の顔の傷、抜け殻のような姿が気にかかり、豪邸に舞い戻る。

ここの場面がメチャメチャ母性本能をくすぐる!!
男はお風呂の中で嗚咽する女の姿を垣間見た後、女の洋服だんすの中からピンク色のニットとスカートを選び出し、居間の床に下着も添えて並べておく。お風呂から出てきた女はコーディネートされたそのピンクの服や下着を素直に身に着ける…

あ~こんな優しさをさりげなく示されたらホントにいっぺんに心魅かれちゃいますよね~!!(えっ、私だけ??)

このミステリアスな男の行動がちょっとおもしろい…
忍び込んだ家の壊れた時計やオーディオや体重計を次々と修理していく…
洗濯板を使ってゴシゴシお風呂場で手で洗濯する…(洗濯機は使わないのよ~)

男のオートバイの後ろにしっかりつかまって座り、異常な夫のもとから逃げ出した女…今度は2人で住居侵入を繰り返す…

束の間の心通わす日々だったが、ついに警察に通報され、男は刑務所へ…

女はもとの「かごの鳥」のような生活に逆戻り…男が釈放される日をじっと待ち続ける

そして…保釈された男は、刑務所で鍛錬した、姿をくらます術(?)をたくみに使用して、女と女の夫との奇妙な共同生活が始まる…男の姿を見、気配を感じることができる女はもう抜け殻ではない。男のために食事を作り、洗濯をし…生きる喜びを見出したのだから…

 でも私が一つだけ気になったのは…
男が力いっぱい打ったゴルフボールが運悪くあたり、車にのっていた女の人が死んでしまった件…男は住居侵入罪のみで逮捕されたが、実はわざとではなかったにしろ、人を1人殺している…これについてはお咎めなし~???
…ちょっと、もうチャラにしちゃっていいのぉ~??

まっ、気になる箇所はあったけれど、静謐な画面、美しい主人公たちに導かれて、不思議な空間に迷い込んで、しばし現実を忘れていました。


『ゆれる』(監督:西川美和)

2006-09-28 00:39:29 | 映画・テレビ

やっと「ゆれる」を観ました。水曜日20:30~のシネマクレール(レディースデーで1000円!)…一番大きいホールが満席です。私の整理番号が98番! 立ち見といわれ、あきらめて帰る人たちもかなりいましたよ。

20代~30代前半と思われる、ちょっとオシャレな女性客ばかり!!
みんなオダギリ君をみにきたのね~(いつから君よばわり??)

オバハンはおりまへんで~!!

そんな場違いな雰囲気にもめげず、前から2列目のど真ん中でしっかりオダギリ君を鑑賞してきました。

西川美和監督の脚本は本当にうまい!先日観た「蛇イチゴ」も「ゆれる」も、微妙で繊細で残酷さをも内包する、人間の深層心理を巧みに表現しています。

狭くわずらわしい田舎での生活に嫌気がさし、都会へと飛び出していき写真家として成功した弟…
父親の仕事を受け継ぎ、母親の亡き後、家事をすべてこなしながら単調な生活を送っている兄…

幼なじみの女性をめぐり、兄弟の感情がもつれ合い、今まで表に出なかった隠されていた感情が一気に吹き出してくるのです。

兄弟だって、いや兄弟だからこそ、自分にはない何かを持っている相手をうらやましく思い、妬んだり憎んだり…この感情は私の中にも存在するのでとてもよくわかる…

弟が幼なじみの女性と共に過ごし、帰宅してふすまを開けると、兄は山のような洗濯物を一人でたたんでいる…その後姿…その背中に漂っている諦念…ううっわかる!!この場面の描写には感情移入しちゃいましたよ~!!

…確かに弟は仕事も成功し、裕福な暮らしをし、女性にも不自由しない…絵に描いたような勝ち組…

でもね、でもね…平凡な日々を淡々と、小さな喜び、悲しみを一つ一つ受けとめながらそんな人生を許容しながら暮らしていくことだって結構大変だし、そんな人生が送れること自体、幸せなんじゃないかな…

20代後半、平凡であることを嫌悪しちょっと傲慢だった私…そんな私がいうと自分でも負け惜しみっていう感じがしてしまうけれど…今の私はそんな風に自分の人生を受けとめています…

最後に兄(香川照之)が見せたぎこちないけれど、すがすがしい表情が救いでした…

 


『海より上 屋上より下』 エキストラ出演!!

2006-09-25 00:01:13 | 映画・テレビ

8月の撮影に続き、娘Sと娘の友人Mちゃん、2度目のエキストラ出演です。

10時半までに岡山理科大学付属高校の教室へ集合することになっていたので、朝2人を高校の前で降ろし、私は雑用をすませて14時ごろ見学に行きました。

今日の安井組メンバーは、安井監督、撮影の清水さん、助監督の土居さん(女性)、もう1人の男性助監督さん…安井さんのお友達も何人かエキストラが少ないということで助っ人にこられていました。(何年ぶりかで高校の制服着たわ~と言われてました。)

皆さん気持ちのいい方ばかりで、のぞきに行った私にも笑顔で挨拶してくださいます。後ろのほうで眺めていたら、助監督の土居さんに、

「先生の役で出てもらえますか?」

と突然言われ、「これを手に持って出てください」、と本を渡されました。

「い、いきなり映画出演!!!???」

と焦り…でも、本を持つのに1冊じゃ少ないよねと、だれかの机の中からしっかり教科書を拝借し、次の瞬間には先生っぽく胸に抱え、なりきっている私って

出演といっても、主人公たちが教室内で演技している際に、窓の外を、男子学生と挨拶を交わしながら通り過ぎるだけのチョイ役です。カットされなかったとしても3秒?程の出演で、だれも気が付かないに違いない。でも、見学しているのと実際自分が映るっていうのとでは大違いですね!!なんか楽しかったわ~☆(実は出たがり???)

娘Sに

「お母さん、ブログに書くネタできてよかったなぁ」(さっそく書いてマス!) 

「本の持ち方が先生っぽかったよ」

と言われちょっと気をよくした母です。   

監督さん、この母の出番、カットしないでね~

撮影は順調に進んでいるようで、主人公カイさんの演技が前回と比べて格段にうまくなっています。ヒロインの三宅沙希子さんも相変わらずかわいくて(私服に着替えた姿がメッチャかわいかったのよ~)思わず近寄っていき、写真を撮らせてもらいました。

娘達のエキストラ出演も今日で終わりです。お役に立てたのかどうかわかりませんが、とても楽しかったし、安井組のパワーをもらって私自身が元気になれました。本当に感謝です。

また映画上映の暁には、お手伝いに馳せ参じたいと思っております。

安井組のみなさん!これからの撮影どうぞ頑張ってください!!

 

 

 

 


レイトショー2本

2006-09-18 01:29:41 | 映画・テレビ

16、17日とシネマクレールのレイトショーを観にいった。休日でも昼間は雑用が山ほどあり、自分の時間が持てるのは夕食後なので、レイトショーはとってもありがたい。チケットは1200円だし、コインパーキングも20時を過ぎると1時間100円になっていて得した気分~♪

16日はポン・ジュノ監督の韓国映画「グエムル」、17日は西川美和監督の「蛇イチゴ」を観ました。

「グエムル」は中学生の娘ヒョンソを凶暴な怪物にさらわれた父親が、ヒョンソをかわいがっていた自分の父、弟、妹と共に怪物に立ち向かっていく話なのですが、深刻な物語の中に、ユーモアが盛り込んであったり、米軍に対する風刺がきいていたり…

怪物と戦うシーンで、頭が弱いはずの父親も、その父も弟も…一般庶民なのにみんな銃を見事に扱うなぁと感心していて、あっ!そうだ!韓国には兵役があるものねー!…と平和ボケしている自分に気がついたり…

中学生の娘ヒョンソが、あの最悪の状況の中で最後まで生きる希望を失わず、幼い少年の命を守りぬいた姿に一番心打たれました。決して容姿的にかわいい子ではないけれど、コ・アソンちゃん、素敵だったよ~!!

「蛇イチゴ」は、仕事熱心な企業戦士の父親、痴呆の義父を献身的に介護するできた母親、そして真面目な小学校教師の娘…という、一見平凡だが温かい…と思われていた家庭が、みるみるうちに崩壊していくのです。みんなが本音でぶつかりあってバラバラになり、信じていたものに裏切られ、自分の信念だけが頼れるすべて…と思いつめていた娘が、最後に見たもの…

ああっ!いいなぁ…何か生きる希望が見出せるような…そんなラストシーンでした。(へへっ、内緒です


『変身』(監督:佐野智樹)

2006-09-15 01:06:11 | 映画・テレビ

DVDで『変身』を観ました。

ある事件で脳に損傷を負った成瀬純一(玉木宏)は、自分を撃った犯人(事件後自殺)の脳を移植され、《アハ! もうここでネタバレしてます、すんません!》だんだん自分の人格が犯され、移植した脳の持ち主の人格へと変貌してゆき…変わらぬ愛情を注いでくれる恵(蒼井優)に対しても冷たい態度をとるようになり…

最初、2人の初々しい出会いとデートの場面で見せていた純一の純朴な表情が、だんだんと目つきの鋭い凶暴な男のそれに変わっていくのです…

蒼井優ちゃんは、純粋にまっすぐに愛し続ける恵を熱演していたし、玉木宏くんも頑張っていましたが…

手術を施した病院の女医役の佐田真由美さん(日本人離れした美貌!)が登場すると急に映画がSFっぽくなったり、蒼井優ちゃんが泣き叫べば泣き叫ぶほど、ドロドロのメロドラマになってしまったり…とってつけたような釈由美子さんの登場もなんだかなぁ~

最後のシーンは盛り上げようとする意図があまりに大げさすぎて(間がありすぎたし…)、音楽もなんだかイマイチで、シラ~っと一歩も二歩もひいてしまった私です。人間が冷たいんでしょうか~ 酷評ですみません!!


『時をかける少女』(監督:細田 守)

2006-09-11 00:01:04 | 映画・テレビ

娘2人をつれて、シネマクレールへ「時をかける少女」を観にいきました。

アニメなので小5の娘Tにも楽しめるかな…と軽い気持ちで出かけたのですが、15分前に到着したところ、いつもすいているシネマクレールの入口に長蛇の列が…それも20代後半から30代?と思われるおたくっぽい男性が大半を占めています。

あれ、上映作品を間違えちゃったのかな? 映画館を間違えちゃったのかな?…と心配になったくらい… そうしているうちに前の回の上映が終わったらしく、中からやはり、おたくっぽい男性がぞろぞろぞろぞろぞろぞろ…と出てきました。その人ごみをかきわけて3人分のチケットを買おうとしたら、1枚は立ち見になるとのこと…ふえぇ~!? 何年もシネマクレールに通っているけれど、立ち見になったのは初めてです。

娘Tが一番前の列の左端に座ったので、そのすぐ横の階段に腰掛けました。

なんだかマニアの人たちにスゴイ人気の映画らしい…ワクワク!!

「時をかける少女」といえば、原田知世主演の大林監督作品を思い出しますよね。20代のころ、大好きで何度か観ました。原田知世が初々しくてかわいくて、尾道の細い路地や石段を歩いているシーンを見るだけで涙があふれてきて…思春期の切なさみたいなものがとても美しく描かれていたように思います。映画のシーンを辿りたくて、1人で尾道の街を歩き回ったっけ…

そして今回のアニメ! こちらも大林監督作品に負けないくらい切ない映画でしたよ。

ヒロイン真琴がいつも一緒に野球をする男友達の功介と千昭、この2人がどちらもいいやつなんだなぁ! 真琴がタイムリープを使えるようになり、過去にもどって自分の不始末を穴埋めしていくところは笑える場面なのだけれど、そのうち、周りの友人たちにどんどん災いが波及していき、だんだん笑い事ではすまされない状況に追い込まれていく…友人たちを助けようと走り続ける真琴なのだけれど…

真琴が千昭を大切に思う自分の気持ちに素直になろうと、最後のタイムリープを使い千昭と会い、そして再会を約束して別れていくシーン…胸が一杯になりました。

高校生の娘Sも「よかったわ~!!!」と感動してました。いい映画でしたよ!


『バカのはこ船』(監督:山下敦弘)

2006-09-09 00:48:27 | 映画・テレビ

青汁ならぬ「あかじる」を店頭販売する、ちょっと垢抜けない男女2人組…出だしから「あかじる」のネーミングで笑ってしまった。

東京ではサッパリ売れず、男の故郷で商売しようと2人で帰省し、実家に寝泊りしながら知人宅を回るが全く相手にされない。その間、男は初恋の人と出会ったり、スーパーを経営する同級生がからんできたり…可笑しな人物が満載で、み~んなどこかヘンで、ニンマリしながら観ました。主役の2人の、演技してるように見えないけれど、さりげない自然な会話もおもしろかったし…。

最後になるにつれて、急激に話がシュールになっていき、(突然、道の真ん中にポッカリふたが開いていたマンホールに2人とも落ちちゃったり…!!そこでバッサリとカット)

最後のシーンは

「えぇ~!! こっ、これでおしまい~???!!!」  

と呆然となったけれど、あまりの唐突さに笑いがこみ上げてきました。

山下監督は「リンダリンダリンダ」を撮った監督なんですね。「リンダリンダリンダ」よりこっちの方がおもしろかったかも…

「リンダリンダリンダ」では、主役の女の子たちはそれぞれ個性的な役者さんのはずなのに、なぜかぺ・ドゥナだけが光ってました。

それから文化祭直前に指をケガしてギターが弾けなくなってしまう女の子役で、文化祭当日、主人公たちが出番の時刻になっても体育館に現れないため、時間つなぎのために歌を歌う役で出ていた湯川潮音さん…歌う姿、声にとても心魅かれました。

脇役にキラリと光る人を見つけるのも楽しいですよね!


『ギプス』(監督:塩田明彦)

2006-09-03 01:26:09 | 映画・テレビ

塩田明彦監督の「ギプス」をDVDで観ました。塩田監督作品は「どこまでもいこう」「害虫」「黄泉がえり」等を観ましたが、一番おもしろかったのは「月光の囁き」です。

この「ギプス」は「月光の囁き」と同じにおいが感じられます。変態チックなフェチズムっていうんでしょうか…

佐伯日菜子演じる環は偽のギプスをはめ、松葉杖をついて街を歩く…その姿は甘美な蜜を放ち、何人もの男たちが引き寄せられて、しもべになってしまう…

ある日そんな環に出会った和子は、環の妖しい魔性にすっかり引き込まれてしまい、合鍵を使って環のマンションに足繁く通うようになる。和子を演じているのは「萌の朱雀」でかわいらしい中学生を演じていた尾野真千子。「ユリイカ」でもチョイ役で出ていたけれど、清楚で初々しくてステキです!…この和子が、環を愛するが故の嫉妬、憎しみ、安堵、喪失感…好演しています。

佐伯日菜子と尾野真千子の組み合わせが絶妙で、二人のかけひき、逆転したかに見えた関係が、結局崩壊していく過程…すごくおもしろいと思いましたよ~!!


『東京ゴミ女』(監督:廣木隆一)

2006-09-01 01:16:48 | 映画・テレビ

DVDで廣木隆一監督の『東京ゴミ女』を観た。かなりおもしろかった。

同じアパートに住むミュージシャンのヨシノリに片思いのみゆき…彼の出すゴミ袋を毎晩部屋へ持ち帰り、一つ一つ楽しそうに分類して、部屋中に陳列している。彼と同じタバコを吸い、同じシリアルを食べ、彼が作った曲を演奏するため鍵盤ハーモニカを買ってきて練習する…捨ててあったジャケットを繕って着る、捨ててあった写真を切り貼りして自分とツーショットの合成写真を作る…

行為自体は完全なストーカーなんだけど、素直になれなくて、無愛想で、人と距離を置いてしか接することのできないみゆきをキュートな中村麻美が好演していて、一途に思いを寄せ、ゴミを漁る姿がなんだか愛おしい…

せっかく願いがかなったのに、ヨシノリの不躾な一言で、みゆきは自分の居場所をなくし、すべてを悟ってしまう…そして自分の力で再生の一歩を踏み出す…(すごいな!)

最後に

「ヨシノリのゴミの中で一つだけ捨てられなかったものがある。そのゴミは死ぬまで忘れないだろう」

…で終わるのですが、私にはそのゴミがなんなのか、答えが見つけられませんでした。う~ん、何だろう???

また考えてみます。


『海より上 屋上より下』 クランクインです!!

2006-08-28 23:45:12 | 映画・テレビ

さぁ!8月27日! いよいよ安井祥二監督の映画『海より上 屋上より下』クランクインです!!(詳しいことは26日の記事を見てね!)

朝10時半までに岡山理科大学付属高校普通科3階へ集合するように言われていたので、エキストラ出演する娘Sと娘の友人Mちゃん(理大付属高校生)を車にのせ、コンビニで食料を調達していきました。

控え室で助監督の女性(倉敷芸科大・映画サークルの現部長、つまり安井さんの後輩)から白のカッターシャツと白の上履きを渡され、娘たちは衣替えです。今日は教室のシーンを撮るので、S先生(安井監督の恩師・強力な支援者)から声をかけられた理大付属高生が20人あまりエキストラとして集められています。

おっと~ヒロインの総社南高校の三宅沙希子さんを発見!! 月刊「おかやま」の写真で見るよりずっと華奢ではかなげで…安井監督がヒロインに抜擢した気持ちがわかります!娘たちも「メッチャかわいい~」を連発! 

撮影の準備をしていた安井監督がわざわざ挨拶に来てくださり、台本をプレゼントしてくださいました。連載記事の写真よりずっ~とさわやかで、かなりのイケメンですよ~!

11時…撮影場所の教室に集合し、監督から簡単な場面説明の後、撮影が開始されました。学園祭の出し物についてクラスで話し合おうとするけれど、司会をする学級委員長のヒロインが孤立してしまう場面です。

「本番!」「ヨーイ!」「スタート!!」 監督の力強い声が教室中に響き渡ります。

娘たちエキストラは、ただざわざわと担任の教師やヒロインの話を無視して、私語をしていればいいのですが、ただそれだけでもなかなか自然な雰囲気が出せません。さすがにセリフのある出演者たち(ヒロインをいじめる女子3人組や主人公の友人役)は演技経験のある高校生や大学生をそろえてあるらしく、私語をしてるだけでもちゃんと演技になっています。

監督はモニターを見ながら、カメラやマイクの位置をテキパキと指示したり、身軽に動き回って演技指導をしたり… 教室内を白っぽく、もやがかかったような背景にするためのFOG噴出機(??)で何度も煙を出すよう指示し…(助監督たちが台本や銀色のバスマットのようなもので一生懸命扇いで煙を均一にしていました)

映画の中ではほんの2、3分の場面だと思いますが、この同じ場面を何度も何度も繰り返して撮影します。ヒロインや先生を、前から、後ろから、横から、角度を変えて映したり、エキストラ一人一人も丁寧に撮影されています。

「本番!」「ヨーイ!」「スタート!!」が何十回も繰り返され、見ている私の方がヘトヘトになってきました。教室に冷房はあるのですが、つけるとクーラーの音が入るので、撮影中は消しています。蒸し暑い中、ものすごい集中力で撮影チームをぐいぐいと引っ張っていく監督! 妥協を許さない、いい作品を作りたいという映画に対する情熱と厳しさに満ち溢れています! それに答える撮影、音響等の「安井組」の方々のきびきびした動きも本当に見ていて気持ちよく、頼もしいのです。

結局この1つの場面の撮影に、飲まず食わずで4時間ぶっ続けでしたよ~!! 3時にやっと「10分(!)休憩します」とお許しが出て、娘たちとサンドイッチをほうばりましたが、監督たちはお昼ご飯も食べなかったんじゃないかな~

お昼になったら当然ランチタイムって考えていたら、映画の仕事はできませんよ~こういうのが当たり前の世界なのでしょうね。文字通り「三度の飯より好き」ってことでしょうか…

今日1日で「安井組」の映画にかける熱意や底力を十二分に見せてもらいました。娘たちも「疲れたけど、メチャおもしろかった~!!」「最後まで出させてもらおうや~!!」と、貴重な体験に大満足!! 安井組のカッコよさにすっかり惹きこまれた様子でした。

安井監督、本当にありがとうございました!! 次の教室シーンもよろしくお願いしま~す!!