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悲しいことがあっても、必ず新しい朝は来るのですよね

「カタロゥガン!ロラたちに正義を!」上映&講演会

2013-10-27 23:19:41 | 映画・テレビ
岡山シティミュージアムで開催された、フィリピン人元「慰安婦」の方たちの闘いを追ったドキュメンタリー映画「カタロゥガン!ロラたちに正義を!」の上映と竹見智恵子監督講演会に参加してきました。

 
太平洋戦争時、フィリピンを占領した日本軍は「アメリカの支配から解放し、フィリピン人のための国家を建設する」と言いながら、フィリピンの人たちに対し過酷な統制を行い、略奪、暴力、強姦を繰り返しました。

映画の中には、道を歩いていて…洗濯をしていて…そんな日常の生活の場から突然連れ去られ、「慰安婦」にされた被害女性たちが次々と登場し、つらい過去を語り始めます。まだ十代の幼い少女だった彼女たちの体験は、あまりにむごく衝撃的で…人間はそこまで残虐になれるものなのかと震撼しました……

ゲリラをかくまっているという容疑をかけられた父親は日本兵に銃剣で皮膚をはがされ、その父親を助けようとした弟と妹は目の前で銃剣で突き刺されて殺され…その後自分も連行され、強姦された女性もおられました……

こんな酷い目にあって……その後の人生をどれだけ苦しんでこられたのか…心にどれだけ大きな傷を負って生きてこられたのか…

もしも自分だったら…もしも自分の娘だったら……と考えるとあまりに恐ろしく…胸が張り裂けるような思いでした。

某大学で学生さんを対象に「慰安婦」の勉強会?をした際の様子も紹介されていましたが、その大学の中国人女子留学生は「慰安婦」について教科書で習ってよく知っていたのに対し、日本人学生はみんな全く知らなかったのにはショックを受けました。…おまけに「自分も同じことをしたかもしれない。」「家族には言えないから、なかったことにする」と平然と話す男子学生に、かなりガックリきました。

実際の残虐行為を実行した元日本兵(BC級戦犯として服役後釈放)の老人も登場し、ゲリラとみなした民間人を家族もろとも容赦なく殺害した様子、若い日本兵に「人間らしい生き方」(!!!???)をさせてやるため「慰安婦」をあてがったことなどを話されるのですが、ただ上官からの命令に従っただけで、従わなければ自分がひどい目にあわされたと主張されるだけで、今でも反省しているような様子は見受けられませんでした。

その当時は、明日は死ぬかもしれないという極限状態にあり、暴力の渦の中に巻き込まれ、その波に逆らうことはむずかしかったのかもしれないけれど、時がたち、冷静に客観的に考える余裕ができたとき、自分の犯したとてつもない大罪と、どのように向き合われたのでしょうか…
被害者の方たちに謝罪し、何らかの形で償いたいという気持ちは湧き起ってこなかったのでしょうか……

勇気をふりしぼり名乗り出てくださった被害者の方たちに対し、「お金がほしいから」「でっち上げだ」などと心無い言葉を浴びせる人たちがいます。せめてそのような無知な人たちに対し、真実を…人間としての尊厳を奪われた多くの女性たちがいたことを語り続けていくことは、せめてもの贖罪なのではないでしょうか。

「女性への暴力がなくなるように」「次の世代のために何かを残したい」…年老いた元「慰安婦」の方たちは強い思いを抱き、最後の力をふりしぼって闘っておられます!!!お金のためなんかじゃないんです!!!!!

上映後のトークで竹見智恵子監督は、元「慰安婦」の女性たちが年老いて次々亡くなっていく中、今しかインタビューできない!と強い危機感を持ち、撮影を開始されたことを語ってくださいました。
最初は弱々しかった彼女たちが、Victim(被害者)→ Survivor(生き残った人)→Activist(活動家)として仲間と共に成長し、元気を取り戻し、活動を続けておられる…その勇気に胸が熱くなりました。

被害者のお一人であるレメディアス・フェリアスさんが描かれた絵日記『もうひとつのレイテ戦-日本軍に捕らえられた少女の絵日記』を購入して帰りました。

本当につらい、記憶から消し去りたい出来事だったと思いますが…悲しみのいっぱいつまった、とても美しい絵本です。