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Peace of Mind を求めて…

悲しいことがあっても、必ず新しい朝は来るのですよね

イヌの記憶

2013-08-16 23:56:08 | アート
瀬戸内市立美術館で開催されている「イヌの記憶」という展覧会に出かけてきました。

夏休み中も、疲れがたまっているのか、ほとんど1日中寝たきりの夫を、「私が運転するから一緒に行かない?」と誘い、なんとか連れ出しました。(だってこのままだと、今年の夏休みの思い出は「なし!」になってしまうので…(笑))


瀬戸内市立美術館って、瀬戸内市役所牛窓庁舎の3・4階を美術館にしているんですね。


広々とした木製のエレベーターで4階まで上がると、エレベーターの出口に、はや「犬」がいましたよ! ワクワク☆


入ってすぐの部屋には、壁面いっぱいに川埜龍三さんの描かれたイヌが!

川埜さんは今、「犬島ハウスプロジェクト」に取り組んでおられます。
造形された巨大なイヌは、海沿いに立つ川埜さんのアトリエから船に乗り、瀬戸内海横断散歩と銘打って瀬戸内海の島々へ寄港しながら犬島の「ホワイトハウス」まで運ばれたようです。

そのときの映像がずっと会場で流されていました。なんだかおもしろそう☆


イヌの模型もありましたよ。


今回の展覧会は、ほとんどの作品が撮影可、触るのもOKだったので、何枚か撮らせてもらいました☆
橘 宣行さんの作品

小さい子どもたちは、この上にまたがって遊んでいましたよ!

小林 陽介さんの作品

こんなワンちゃんが家に飾ってあったら、楽しいだろうな~

藤本 高廣さんの作品

この作品も触るとユラユラ前後にゆれておもしろい動きをしていました。

細見 博子さんの作品

観る角度によって、いろんな表情を見せてくれるピカピカのかわいいワンちゃんです☆

青地 大輔さんの作品

犬島のワンちゃんを連れた女性の写真の横に、犬島の様々な時刻における風景が次々に映し出されていきます。
このワンちゃんの写真、以前「犬島時間」のポスターでも拝見したような気がします。

かわいいです☆

楽しい作品の数々を堪能した後は、てれやカフェへ寄りましたよ☆
真夏の日差しの中、駐車場から必死でカフェに辿り着き、中に入ったとたん、一瞬心の中で「しまった~!!!」と叫びましたよ!
なぜかって? だって~……冷房がきいてなくて、店内もがんがんの暑さだったんですよ~!

でも、覚悟を決めて(笑)奥の座敷に腰をおろし、30年くらい前の?古~い扇風機の風にあたっていると、そのうち身体が暑さになじんで
涼しく感じられてきて……居心地が良くなってきましたよ。

この空間が素敵なんです☆
夫はコーヒー、私はベリージュースをたのみました。ベリージュース☆おいしかったです!
 

今日はいろんなワンちゃんを見てきましたが、やっぱり一番かわいいのは、この子ですね(笑)


暑さで毎日ぐったり、のほほんと過ごしておられます。さっ、そろそろ散歩に行こうかな!

天神MAMへ

2012-12-01 23:30:43 | アート
岡山後楽館高校天神校舎跡で開催されている「天神MAM」へ行ってきました。



いつもこの前を車で通るとき、天神MAMって。。。いったい何???
ここで何のイベントをやってるんだろう???。。。と、何かひきつけられるものを感じながらも謎のままで、足を踏み入れる勇気がなかったのですが…
どうもアートの展示をやっているらしいと知り、今日は意を決して出かけてみました。



入口には、案内板が…
11月3日(土)から12月2日(日)の開催期間中に、いろんなイベントやワークショップが開催されていたんですね。

そもそも「天神MAM」とは。。。この天神校舎が二つのMuseum(県立美術館とオリエント美術館)に挟まれた場所に位置していて Museum : Art : Museum だからMAMなんだそうです。

いただいたパンフレットには「岡山に内在する価値を現代美術の視座から発信することを祈念して展覧会を行うことに」なったこと、「時代背景を縦軸、様々な分野の人やものの繋がりを横軸と捉え、時代の移ろいとともに、変化する街の風景を支えてきた人の杜をたち現わせ、人と人、人と自然、そして街の未来との交感をおこないたい」と書かれています。

なんかちょっとむずかしそうですが…とりあえず1階から5階までずんずん歩いて上がり、各階に展示してある作品を観て回りました。

残念ながら、全館撮影禁止になっていたので、写真を撮れなかったのですが…

1階ではカフェが併設されていて、窓に沿って作られたカウンターや床に座ってゆっくりくつろぐ若者や家族づれが大勢おられます。
奥の部屋では、子ども服がたくさん並べられていて、何やら物々交換のスペースになっているみたい。。。子どもの服やおもちゃは、すぐに着られなくなったり使わなくなったりするから、こうやってリサイクルする場が日常的にあればいいだろうなぁ~

今日の一番のお目当てだった「ゼロどーなつ」は、すでに完売されたようで、影も形もありませんでした(残念!)。
福島の原発事故後に関東地方から岡山へ避難してこられたお母さんたちが、安心安全な食材を使って作ったベクレルフリー(放射性物質0)のドーナツを、今日ここで販売するという記事が毎日新聞に掲載されていたので、楽しみにしてきたのですが…。予約が必要だったようですね。またいつか、どこかで購入できるかな?

2階では、原発事故の影響で東京から岡山へ移住してこられた若いカメラマンが撮った岡山の澄み渡った空や住宅地に咲き乱れるコスモスの写真、岡山に住む画家が大きなキャンバスに描いたオクラの白い花の油絵などが壁に並べて展示してあり…

廊下には天井からたくさんの張り子の人型がつるされています。近づいてよ~く観ると、辞書の紙で作られています。あっ、だから作品名が「wordmans」なんですね!またまたよ~く観ると、この人形を包んでいる辞書のところどころにサインペンで線が引いてありますよ。好きな言葉に線を引いたのかな?
アーティスト紹介文には「同じ型から作られた彼らは別の言語を持ち、色々な環境に身を置きながらもそこで確かに生活をしている」と記載されています。

廊下の壁は、画家兼タトゥーアーティストの方が鉛筆でびっしりと隙間なく描いた鳥、ブタ、ネコ、頭のはげたおじさん等の絵で埋め尽くされています……延々と同じパターンが続いていて、ちょっと草間彌生さんを思い出しました。これだけ描き続けるのは大変だったろうなぁ~

2階にはこの他、広い部屋一面におがくずを敷き詰めて、食物連鎖の図のような3色の三角形が形成されていたり、「岡山から被災地へ手仕事を届ける会」の皆さんが、手作りされた器や生活用品と一緒に写った写真がたくさん展示されていたり…。

3階に上がると、廊下には白い模造紙が敷き詰められていて、その上に青い線がまっすぐに続いています。そしてその先には5、6台の三輪車が。。。三輪車のタイヤに絵具?をつけて廊下をまっすぐ走ったのかな???
奥の部屋には稲わらが干してありました。
このフロア全体が「おにぎりエネルギー」と名付けたインスタレーションらしいのですが、観ただけでは???でした。すみません。

4・5階は、「マジックランタン」と題し、薄暗い廊下や部屋のあちこちに、古い映写機で、風景、金魚、時計などが映し出されていました。その映写機の音がなんだかなつかしかったです。「電球のいくつかはLEDに替えられており、その電力は屋上に設けられた太陽光ソーラーシステムでまかなっている。現代の灯火LEDをもとにその電力を晴れの国岡山の陽光でまかなうマジックランタンを校舎内に出現させる」と紹介文には書かれています。

う~む。どの作品も作者の強い思いをもとに制作されていたようですが……説明なしに、ただ観ただけではよく理解できなかったものも。。。
(写真がないので、読んでくださった方も、どんな作品、内容だったのかわからないですよね~ ごめんなさ~い!)

わからないなりに、私自身はやっぱりアートな空間に身を置くことが好きなので、若いアーティストさんたちの、いろんなエネルギーが感じられて楽しかったです☆

最後にカフェでいただいた「ゆず茶」も、自然な甘さで、身体がほっこり温まりました


豆皿だけのうつわ展

2012-03-10 23:41:17 | アート
アートスペース油亀で開催されている「豆皿だけのうつわ展」に行って来ました。


いつも土曜日は娘Tの習い事の送迎で半日つぶれてしまい、なかなか好きなことができないのですが、今日はレッスンが休みになり、自由な時間ができたのです!(やった~☆)ちょうど今日からうつわ展が開催されていることを思い出し、夫も誘って油亀へ出かけました。(珍しいことに、夫が誘いにのってくれたんですよ!)

アートスペース油亀は、築130年の古民家で、「亀さん」という方が油問屋を営んでいたことからこの名前がついたそうです。入口はこんな感じです。


さすが築130年! 土間で靴を脱いで上がりこむと、床がギシギシ音をたて、微妙に傾いているので、一足一足踏みしめながら歩きます(笑)。

いつも楽しい催しを開催してくれる油亀は、私の大好きなアート空間なのですが、今回のうつわ展はまたまた素晴らしい☆☆
壁に作り付けの棚にはズラリと小さな豆皿が並び、部屋の真ん中に置かれたテーブルにも、奥座敷に置かれた棚にも、ちんまりとした可愛らしい豆皿たちが勢ぞろい!!!

丸いもの、四角いもの、三角のもの、言葉で表わせない変な形のもの(笑)、無地のもの、絵の描かれたもの、ザラザラしたもの、つるつるしたもの……どの器も個性的で、見ているだけでワクワクしてきます☆

最初は「見るだけにしよう。。。」と思っていたのですが、夫が「何か買って帰ろう」と言ってくれたので、家族で毎日使えるお皿を選ぶことにしました。

おかずをのせると絵が見えなくなるから無地のシンプルなものがいいかな~?、シンプルで形がおもしろいのもいいな~…どれもこれも素敵で、こんなにたくさんのお宝の中から選び出すのは至難の業です!

私がう~んう~んと悩みぬいている間に、夫はいつのまにか1枚を選び出し、しっかりと手に握りしめています!
そのお皿を見せてもらうと…うん!なかなかいいかも!!

…ということで、夫が選んだ作家さんの作品を、たくさんある種類の中から4枚選びました☆


かわいいでしょう~!?
眺めていると、なんだか気持ちが明るくなるんですよ!私の一番のお気に入りは黒いバクさん☆
お皿の裏側の絵も素敵なんですよ☆


このお皿の作家は、広島在住の岡美希さんという方です。まだ20代の女性で、以前にもここ油亀で個展が開催され、私も見に来て、かわいらしいお茶碗やマグカップに魅了されたのですが、そのときは購入する勇気が出ませんでした。

今回は形が小さい分、お値段もお手ごろだったので、我が家の食卓を楽しくしてくれる器を購入することができ、るんるん気分で帰宅したのでした。

これから毎日、食卓に並びそうです

草間彌生 永遠の永遠の永遠

2012-01-22 22:42:19 | アート
草間彌生さんの展覧会に行ってきました。

大阪の国立国際美術館まで、鈍行列車を乗り継いで片道2時間半の小旅行です。

草間彌生さんの作品は、アートの島として有名な直島に、赤と黄色のかわいいカボチャのオブジェが展示されていて、直島へ行くたびにこのカボチャを観るのが楽しみでした。

今回の展覧会では、草間さんの驚異的な作品群を目の当たりにし、改めてその創作意欲に畏怖の念を抱きました。

美術館の入口です。


カボチャもありましたよ!


入口入ってすぐの導入部は撮影可でした。明るくてワクワクする空間です。


もう一箇所撮影可能だったのが、【チューリップに愛をこめて、永遠に祈る】です。
「白地に赤い水玉模様を配した彫刻が、同じパターンで覆われた部屋の中に置かれることで、空間と一体化」しています。
かわいらしいし、明るくてインパクトが強いし、80歳を超えて、こんなにモダンな作品を創られる草間さんのセンスに感嘆します☆
 

2004年から2007年にかけて制作された絵画シリーズ【愛はとこしえ】(50点)、2009年から始まり、現在も制作が続いているというシリーズ【わが永遠の魂】(47点)にも圧倒されました!

無数のミトコンドリア?、コンブ?、ミミズ?、鳥や目や人の横顔が、無秩序なのか秩序だっているのかわからないけれど、不思議な収まり具合で大きなキャンパスの中にぎっしりと並んでいます。
音楽に「ミニマルミュージック」(パターン化された 音型を反復させる音楽)というジャンルがありますが、草間さんの作品はミニマルアートと言っていいのでしょうか。。。

ズラリと並んだ作品群を眺めながら、草間さんが作品のひとつひとつを、どんなイメージで描かれたのかを考えるのが楽しくて、じ~っと作品を見つめて私なりの作品に対する印象をつかんでから、パンフレットに書かれている作品タイトルを読んで確認する…という見方を繰り返してみました。

でも、草間さんの作品に対するイメージは、凡人の私の想像力をはるかに超えたところにあり、作品タイトルにこめられた思いを知るたびに、はぁ~と感嘆してしまうのでした☆

映像コーナーでは、NHKが制作した草間さんのドキュメンタリー番組が放映されていました。
これを観て、ますますびっくり!!!

精神病院で暮らす草間さんの、日々の制作風景が映し出されていたのですが、80歳を超えた草間さんが大きなキャンパスに向かって動かしている絵筆は、下書きなど一切しないまま、少しの迷いも躊躇も無く動き続け、いつのまにか均整の取れた一つの作品へと完成されていくのです。その様子にはどこか鬼気迫るものがありました。

強迫神経症による自殺の恐怖と闘いながら、絵を描くことで力強く生き抜いてこられた草間さん…
「ピカソもウォーホールも出し抜いてトップにいきたい」
「1000枚でも2000枚でも描きまくって死ぬの」
「力の限り命の限り 私は闘っている」

本当にすごい方です! こういう方を天才と呼ぶのですね☆

第8回 ヒロシマ賞受賞記念 オノ・ヨーコ展「希望の路」

2011-08-16 22:58:20 | アート
オノ・ヨーコさんが「美術の分野で人類の平和に最も貢献した作家」に3年に1度贈られるヒロシマ賞を受賞し、その受賞記念展「希望の路」が広島市現代美術館で開催されているので、観に行ってきました。

経費節約のため新幹線は使わず、在来線で片道3時間・往復6時間の旅でしたが、涼しい車両に座ってウトウト居眠りしたり、本を読んだり…のんびりゆっくり自分の時間を過ごしてきました。

広島駅からバスで5分の「段原中央」で下車し、動く歩道比治山スカイウォークに乗り…(まるでSFの世界!)


オブジェが展示されている公園の中をしばらく歩くと美術館が見えてきます。
  

階段を上ると、最初の作品「ウィッシュ・ツリー・フォー・ヒロシマ」がありました。
(作家:オノ・ヨーコ  CC:BY-NC-ND2.1日本)

白い箱の中に入っている白い紙に願い事を書いて、木に結わえ付けるようです。七夕の短冊みたいですね☆

ガラス張りの通路にはもう一つ、参加型の展示「マイ・マミー・イズ・ビューティフル」が…
(作家:オノ・ヨーコ  CC:BY-NC-ND2.1日本)

入館者が白い壁にカラーペンで、母親に対する思いを言葉や絵で自由に描いたり貼ったりしています。
「おかあさん、ありがとう」「おかあさん、大好きです」っていうのが多かったけれど、私はなんとなく気恥ずかしくて…観るだけにしておきました


今回のオノ・ヨーコ展は、動画の撮影はしない、フラッシュは使用しない等の条件を守れば写真撮影が可能!とのことで、人を写さないよう気をつけながら撮影をさせてもらいました。

会場に一歩足を踏み入れると、西洋風な古い木の扉がいくつも立ち並んでいます。床の上には白い折鶴が…。
白い壁には墨?で「世界平和祈念永遠」等、オノ・ヨーコさんの「ねがい」が書かれています。
(作家:オノ・ヨーコ  CC:BY-NC-ND2.1日本)


ガラス越しに外を眺めると、「再建-また建てればいいんだ、いいんだ」がありました。
(作家:オノ・ヨーコ  CC:BY-NC-ND2.1日本)

これは、今回の震災後に加えられた作品で、震災の被害に遭った家の柱時計、扇風機、タンス、便器などが置かれ、その周りをたくさんの白い折鶴が囲んでいます。その家に暮らしていた家族が、震災前に家の前で撮影した写真と、がれきの山となった現在の無残な家の写真が並んで展示されていて、ここに暮らしておられた一家はどうしておられるのか…胸が痛みました。

圧巻だったのは、地下の広い空間(2部屋)に繰り広げられていた鎮魂の作品群です。
暗幕の中の一つ目の暗闇には、「見えない人たち」と名づけられた、透明なプラスチック製ののっぺらぼうの人形たちがいくつも立ちすくんでいます。一定の間隔をおいて発せられる強い光によって、その人形や鑑賞者自身の影が、壁に設置された被爆直後の広島の絵(写真?)の上に重なるのです。

もう一つの部屋には、さらに衝撃的な展示「カバー」がありました。
薄暗い空間に整然と同じ向きに並べられた無数の物体…毛布で覆われた遺体を思わせるその物体の圧倒的な存在感に、粛然となり、心の中で手を合わせ、祈りたい気持ちになりました。

地下のこの2つの展示は、鑑賞者自身に被災者の悲惨な体験を想像させると同時に、否応なしに引きずり込み、体感させる大きな力を持っていました。。。

広島市現代美術館ではオノ・ヨーコ展と同時に、「つくる、ゆく、ヒロシマに想う」と題した無料の常設展も開催されていたのですが、こちらも素晴らしかったです☆(こちらも写真撮影可!)
展示作品がはんぱじゃない!!!…丸木位里・俊夫妻の原爆の絵をはじめ、荒木経惟の色鮮やかな花の群れ、池田満寿夫、ヘンリー・ムーア、キース・ヘリング、イサム・ノグチ、横尾忠則…そうそうたるメンバーの作品が、惜しげもなく展示されているのです!
  

そんな中、私が心惹かれたのは、都築響一さんの作品「広島太郎」でした。

広島太郎さんは広島大学卒のエリートだったそうですが、路上生活37年、広島では知らない人はいないそうです。
「だれもが『そこにいる』と知っていて、だれもが『そこにいない』ように通り過ぎていく。だれよりも存在感にあふれていて、だれよりも透明な広島太郎は、不思議な広島のカケラなのだ」と書かれた言葉が心に残りました。

それからもう一つ、岡本太郎さんの特別展示もありましたよ☆
メキシコのホテルのロビーに設置される予定だった壁画「明日の神話」や下の写真の「坐ることを拒否する椅子」「若い夢」など…。


とにかく見所いっぱいで、たくさんの素晴らしい作品に圧倒され、フラフラになった(笑)1日でした。

蜷川実花 展

2009-11-22 23:35:09 | アート
西宮市大谷記念美術館へ「蜷川実花展」を観に行きました。

岡山から山陽本線、赤穂線、東海道本線…と3回乗り換え、さくら夙川まで片道3時間近い電車の旅☆…家族を残して1人で出かけるのは少し後ろめたかったけれど、自分だけの1人の時間がほしくて…家族のお昼ごはんを用意してから意を決して出かけました。

電車の中ではゆっくり読書ができ(向田邦子さんの『男どき女どき』を読み終えました)、お昼過ぎには無事さくら夙川駅に到着☆
さくら夙川駅からは夙川オアシスロードという素敵な散歩道を通り、閑静な住宅街を15分ばかり歩くと美術館へ到着です。
 

この美術館へ来たのは初めてなのですが、広々としたモダンで明るい建物で、とてもいい雰囲気です。階段部分の大きな窓ガラスにも蜷川さんの明るい色彩の作品がはめ込んであり、外の光を通して花々が輝きを放っています。

8つの部屋にそれぞれ「花」「初期1995~2002」「金魚」「造花」「旅」「新作2007~2008」「人」「ポートレイト」とタイトルがつけられていて、鮮やかで(着色してあるのかな?と思うくらい)強烈な色の花や金魚たちが生き生きと写し出され、キッチュな魅力に溢れた作品の数々が目を楽しませてくれます。

子どものころお祭りの夜店で、「アメリカのヒヨコ(笑)」と称して赤や緑に着色されたヒヨコを買って帰り、よく育てたものですが(もちろん大きくなるにつれて色は抜け落ち、真っ白で凶暴な白色レグホンに育っていきました…笑)、蜷川さんの作品を観ていて、そんなことも思い出しました。

色鮮やかな作品が並ぶ中で、モノトーンのポートレート(1995)はひときわ異彩を放っていました。自分をさらけ出した凄みのある作品だけどすごく美しかった!!!(あまりにもお父さんの蜷川幸雄さんに似ておられるのでビックリ!)

数え切れないぐらい大勢の芸能人(栗山千明、土屋アンナ、後藤久美子、中川翔子、佐藤江梨子、深田恭子、夏帆、麻生久美子…)や宝塚のスターたちのポートレートも作品としてとても素敵でした☆
おとなしい、地味なイメージの木村佳乃さん、中越典子さんや乙葉さんも、明るく派手な衣装に身を包み、濃い目のお化粧で変身していて、別人のようでした!

1階の休憩室の前面はガラス張りになっていて、水の流れる日本庭園をゆったりと眺めることができます。

日本庭園もゆっくり散策したかったのですが、あいにく雨が降ってきたため残念でしたが諦めました。

アートショップでは蜷川さんの写真集、メモ帳、ポスター、絵葉書、クリアファイル、キーホルダーなどが売られていて、若い女の子たちが群がっていました。
私も何か買いたいと思って絵葉書を手にとってみたのですが、実物の色合いと全く違っていて、紙質が悪いのか、あの輝く色彩感とつやが損なわれていて…ちょっと違うな~と思いながらも記念に1枚だけ買いました。

それにしても、周りを見渡すと、来場者は今時の若くておしゃれな女の子2人組か、これまた粋な感じのカップルばかり!!
私のような中年女子は、ほとんど姿なし!
なんでやねん!!!


「僕の幸せは不幸せの上に在る」村上健太郎 写真展

2009-08-02 23:49:08 | アート
今日は娘Tを誘って天神山文化プラザへ写真や絵を観にいってきました。

気乗りしないTを「後で甘いもの食べさせてあげるから~!」と誘惑し、なんとか連れ出しました。

まず最初に観たのは、「僕の幸せは不幸せの上に在る」 村上健太郎 写真展です。
  
6月に禁酒会館の入口でこの写真展の案内ハガキを見つけたとき、このタイトルがぐぐっと私の心を捉えました。帰り道、このハガキをじ~っと見つめながら、何度も何度もこのフレーズを心の中でつぶやきながら歩きました!!!

「僕の幸せは不幸せの上に在る」…

「僕の幸せは不幸せの上に在る」……

それ以来ずっと、このタイトルが私の頭の中から離れなくなり、7月末からの写真展がとても気になっていました…

そして。。。写真展最終日の8月2日…やっと会場に赴くことができました。

地階の第2展示室に入ると、何やら入口からしてすでに異様な雰囲気が…

広い会場の壁面すべてが、黒いビニールシートのようなもので覆われていて、会場内はほとんど暗闇状態!!!

入った瞬間、お化け屋敷かと思いました!(笑)

でもよ~く見ると、奥へと続く通路の両側には同じサイズのモノクロ写真がずらりと一列に並べられています。

一方の壁面には…タバコの吸殻であふれそうな灰皿
(村上さんが(?)毎日毎日吸っているタバコの吸殻???)

もう一方の壁面には…狭くて古いアパート(?)の玄関に無造作に脱ぎ捨てられた家族の靴が…
(村上さんご夫婦と小さな子どもさんの靴?? ベビーカー??)

どれも毎日毎日同じ時刻に同じ場所で同じ被写体を撮り続けたのだと思われるのですが、どれひとつとして同じものはなく、それぞれが違った表情をしているのです。
吸殻の山はもちろん、玄関の靴も、きちんと揃えられている日もあれば逆向きになっていたりひっくりかえっていたり、子どもの靴が見当たらなかったりする日もあり…

そこに暮らす住人の、日々繰り返される日常生活が垣間見え…
靴が散乱している日は「忙しくて疲れたのかな?」、子どもの靴がない日は「おばあちゃんのところへでも遊びに行ったのかな?」…などと勝手に想像して眺めました。

奥の広い展示室には写真にあるシンプルな照明が天井から吊り下げられ…その薄暗い光の中、よくよく見ると太い支柱に断片的なモノクロ写真(冷蔵庫?)が貼り付けられています…

どことなくレトロで昭和の雰囲気が漂う、でもちょと物悲しい空間でした。。。「不幸せの上に在る幸せ」…なんとなくわかるような気がするな~。。。

次に観たのは…
堀越克哉作品展(第3展示室)

週刊新潮の表紙を描かれている谷内六郎さんを髣髴とさせる、メルヘンチックで優しく素朴な絵です。
会場の外に並べられた花の絵が愛らしくて、1枚ほしいな~と思ったのですが(個人的にお願いすれば売っていただけるとのことでした)、今月は出費が多いので我慢しました。。。

それから娘Tとの約束を守るため(笑)、カフェへ…
出かけたのは中山下にあるカフェ「ahai(アハイ)」です。

「あ、はい」という、オーナーの口ぐせを店名にしたのだとか…(笑)
(オーナーは優しくてあったかそうな女性でした☆)

ユーズドの家具がゆったり並んでいて、くつろげる空間です☆

あずきラテとバナナ・パイナップルのパフェをいただきました。
汗だくになってたどり着いたのでホッとでき、どちらもおいしかった~!!!

娘も気乗りしなかったわりには写真も絵もおもしろかったらしく、おいしいものを食べて2人で満足して帰りました☆

宮崎郁子人形展-エゴン・シーレ ぼくは死を愛し、そして生を愛す-

2009-03-22 23:08:50 | アート
天神山文化プラザで開催されている 宮崎郁子人形展-エゴン・シーレ ぼくは死を愛し、そして生を愛す- へ出かけました。

土曜日に行きたかったのに用事で行けず、残念に思っていたら、Y先生とI先生から「とてもよかった!」とメールが入り、これは絶対行かねば!と決意を新たにし、最終日の今日、駆け込みで観てきました。

天神山文化プラザ1階の広い会場に入ると、いきなり、裸体の夫婦、幼い子どものかなり大きな人形が視界にとびこんできました。
宮崎郁子さんのHPにも写真が載っている「家族」という作品です。

たくましい筋肉質の男、ふくよかな女…両膝をたてて座る女の足の間から元気な顔をのぞかせる幼子…その無邪気な幼子の顔に比べ、額にしわを寄せて宙を見つめる男、視点の定まらない無表情の女…

3人のとるポーズもどこか不安定なのですが、表情もまたアンバランスで。。。それでいて、ものすごくインパクトがあり、「こっ、これはいったい何…!!!???」と、最初から度肝を抜かれました。

作品の後ろにも回ってがっしりした男の背中をじっくり眺めてみました。筋肉の動きが繊細に表現してあり、まるで生きているかのよう…

この「家族」を取り囲むようにぐるりと並んだ人形たちは、それぞれ異なったポーズをとっているのですが、普通の人物画に見られるような「座る」「立つ」「横になる」と言ったような単純なものではなく、不自然にさえ感じられる不思議なポーズが多く、眠っているか、起きていても空ろな表情をしています…

「家族」以外の人形はどれもやせていて、顔も細面…

薄暗い会場の中、無表情で静かに死の空気をまとい、佇んでいる甘美な人形たちを眺めていると、だんだん怖くなってきてしまいました…どうしても、強制収容所に送られたユダヤ人たちのやせ衰えた姿、悲しみをたたえた目をイメージしてしまうんですね。
(ヒットラーは、シーレと同じ美術学校を受験して失敗したそうです。。。どんな絵を描いていたんでしょう…?)

一緒に行った娘Sも、ずっと「こわい~」とつぶやいていて、早くこの会場から出たそうにしていました。(笑)
家にこんな人形が置いてあったら、結構びびりますね、きっと!(笑)

そんな中で、私が一番惹かれたのは、正装したシーレの人形です。

神経質そうで、それでいて諦念さえ感じさせるシーレのニヒルなタキシード姿に惹きこまれ、会場におられた宮崎さんに「あの~、写真を撮らせてもらってもいいでしょうか?」とおききすると「あっ、いいですよ~」とのお返事をいただき、さっそく携帯で撮影させていただきました。

う~ん!この怪しい感じがなんともいえず素敵~!!!(笑)

宮崎郁子さんは1995年にシーレの画集を手に取ったことからシーレの絵に魅せられ、人形によるシーレ作品の制作を始められたそうです。

シーレの絵も個性的で魅かれますが、2次元の世界を3次元に広げたことで、シーレの絵を元にしながらも、宮崎さんが解釈された宮崎さん独自の死生観が表現されていたように思いました。

天神山文化プラザのあの広い空間が、宮崎さんの独特の世界で満ちあふれていて素晴らしかったです☆

イチハラヒロコ展 LOVE おまえのせいだ。

2008-09-02 23:59:28 | アート
今日は久しぶりに夫と2人、出かけてきました。
家族で出かけるときは、ほとんど私が車を運転してきたので、夫の運転で遠出をするのは本当に久しぶりです。

いつもは誘っても出かけようとしないのに、今回は珍しく「行ってみようかな…」と夫に言わせたのは、あの安藤忠雄設計の成羽町美術館で開催されている イチハラヒロコ展でした。

岡山市内から車で1時間半くらい走ったでしょうか…
成羽町美術館に到着☆



成羽町美術館と成羽総合福祉センターが隣り合わせに建っています。
全く趣の違う建物で、一方はいかにも田舎の村役場?っていう雰囲気、もう一方は
コンクリート打ちっぱなしのモダンな建築です。
夫が村役場風建物の方へスタスタ歩いていくので、いやいや絶対こっちだよ~!とあわてて呼び止めました(笑)

入口付近はこんな感じです。


上の写真のコンクリート壁面左側をまっすぐ上がっていきます。


角を曲がると今度はこんな風景が目の前に現れます。

上りきったところが受付になっています。

建物の周りが一面水で囲ってあり、無機質なコンクリートに、流れる水の清らかな感じがすごく素敵です☆

入館料(1人600円)を払い、さっ行こう!とすると、受付の女性が
「作品の1番はこちらです!」と受付カウンターに乗っているグリーンの直方体の物体を、とっても照れながら、ちょっと笑いそうになりながら右手で指し示してくださいました。

それは…

テレビドラマなどで、だれかが交通事故にあったり、病気になったりして病院にかつぎこまれた後、ガラガラガラとコマの着いた担架に乗せられ手術室の中に消え、手術室の扉の上の「手術中」という緑の表示にパッと灯りがともる!…ていうお決まりのシーンがよく登場するのですが、そのライトボックスがちょこんと乗っているのでした。

へっ??いったい何のこと???…何でこんなものがここに???
…と、よ~く見ると、そこには

美術中」と書いてあったのでした!!!!! 

あはははは  最初からやられました!!

2階が入口で、展示室には児島虎次郎の明るい色彩の油絵(美しいベルギー女性が着物を着ている作品など)が並んでいてなかなかモダンです☆

1階へ下りると、ピカピカツルツルの木の床に真っ白い壁の展示室…その真っ白な壁には、壁と同じ真っ白なキャンバスに黒のゴシック体でくっきりと浮き上がったイチハラヒロコさんの作品が並んでいました!!

「あのときははやすぎて、いまではおそすぎる。」
「愛は まだか。」
「人生は 後かたづけ。」
「イヤでも生きる。」

それからこんなのも…
「体が目的なら なおうれしい。」どひゃ~(笑)

インパクトのあることばが次々と目に飛び込んできます。

吹き抜けになった広い多目的展示室(両壁がガラス)の床面には円形のたたみが置いてあり、そこへ上がりこんで、イチハラさん特製のことばのつみ木で遊べるようになっています。
このつみ木が普通のつみ木と違うところは、ひらがなのかたちに彫ってあること、が行・ざ行・だ行・ば行・ぱ行があって「、」や「。」まであるところ!!(買うと30万円だそうですよ!)

ガラスの壁面の外にはテラスもあり、そこには「ケンケンパ」と名づけられたインスタレーション作品が…。
白い硬質発砲ポリウレタンで作られた輪っかが「ケンケンパケンケンパ ケンパケンパ ケンケンパ」がちょうどできるように並べられているのです!!

この日は来館者が少なくて、だれも遊んでいなかったけれど、子どもだったら喜んで遊びそう!(私達も眺めるだけにしておきました)

一通り作品を眺め、静かで落ち着いた光の差し込む建物の中を散策し…
トイレの横の空間もなんだか素敵です☆

トイレの洗面台の蛇口まで素敵でした☆


ミュージアムショップで話題の「恋みくじ」(1回100円)を引いてみました。

筒を振ってさかさにし、出てきた棒に書かれた番号に従って、お店の方が見えないようにそ~っと「イチハラヒロコ恋みくじ」を白い封筒と一緒に渡してくれます。

夫のは…「自分のことは棚にあげよう。

私のは…「ひとの話を聞かんかい。」  でした(笑)

出口から外に出て、建物を眺めたら、またこれが素敵なのでした☆

成羽町美術館もイチハラヒロコ展も、こじんまりと居心地が良くて、気持ちの良い1日になりました☆

福長 香織 展   Somewhere

2008-01-13 23:06:56 | アート
岡山市出身で、現在は沖縄県で活動している彫刻家、福長 香織さんの展覧会を観にいきました。


今回展示されているのは、昔建築現場の足場として使われていた材木を天井から吊るしたインスタレーションと、珊瑚や貝の死骸が堆積してできた「琉球石灰岩」を使った石彫4点です。

インスタレーション作品「Somewhere」は、縦長の広い展示会場の天井から細長い材木が均等な間隔を保って吊るされています。

長いもの、短いもの、少し曲がっているもの…近寄ってみると、風雨にさらされて腐食していたり、亀裂が入っていたり、いくつもの釘が打ち込まれていたり…

その細く長く天井から延びた材木の陰が茶色の床面に映り、さらに地下へもつながっていくように見え…そんな風景を見ていると、どこからか遠い記憶を呼び起こされるような、無意識の心の奥深い世界に張り巡らされた琴線に触れて、静かにかすかに小さな音がかきならされるような…そんな不思議な感覚にとらわれました…

ロビーには、琉球石灰岩を素材にした石彫が展示されています。

地球温暖化の影響で、沖縄の珊瑚は次々に死滅しているという話を聞いていたので、かつて、深い瑠璃色の海でその美しさを誇り、生命を謳歌していた珊瑚や海の生物たちの声なき声が聞こえてくるような気がしました。

受付におられた作者の福長さんが、石彫の制作方法や次の作品展のお話をしてくださいました。若くて可愛らしくて静かな雰囲気を漂わせた素敵な方です。防護マスク(?)をつけて電動の石彫機械を操っている写真を見せてくださったのですが、意外性があってカッコよかった!! 

若い作家さんの新鮮なイメージの作品を見せていただくと、心が洗われる気がします。また岡山で作品展、お願いしますね!

「エルネスト・ネト展」…& うどん!

2007-10-08 22:49:17 | アート
連休最後の8日…せっかくの休みなので最後は自分のために使いたいなと思い、丸亀市猪熊弦一郎美術館で開催されている「エルネスト・ネト展」へ行って来ました。
 映画友達のYさんが今回のネト展のことを教えてくれ、これは行かなくっちゃ~!と思い、昨日の体育大会で疲れた身体に鞭打って出かけることにしました。  「おいしいうどん食べに行こ~!」と誘って娘Tも一緒に連れ出しました。


猪熊弦一郎美術館へ来るのは3度目かな?…ほんとに丸亀駅のまん前にあるんですよ!
この写真は美術館から丸亀駅を撮ってみました。

買い物の行き帰りに気軽に立ち寄ってほしい…という想いから、生前の猪熊さん自身が敷地を選んだそうです。大きな箱型の入口も、並んでいるオブジェもユニークで何度来てもワクワクする素敵な空間です。

「エルネスト・ネト展」は、今日が最終日です。

受付でチケットを購入したら整理券を渡されました。入場時間が11時~11時30分と制限されています。時間が来るまで、吹き抜けの広々とした2階の空間で、猪熊さんの絵をゆっくり鑑賞しました。若かりし頃の奥様を描いた作品や、晩年の顔の連作など、作風の異なる作品が並んでいて見応えがあります。

11時前に3階の展示室入口に行ってみたら既に長蛇の列が…。子連れの方も大勢来ています。
まず入口で靴を脱ぎ、展示室いっぱいにつるされ、ぐるりと全体を取り囲んでいる白い布の隙間から中へ入り込みました。
床一面に敷き詰められているポリウレタン(?)の,適度に沈み込むふんわりした感触の心地よさに足がまず反応しました★
 
エルネスト・ネトは、「1964年、ブラジル・リオデジャネイロに生まれ、1980年代後半から作品の発表を始め、伸縮性にすぐれた薄い布地を用いた有機的な形態のオブジェや、その布地で構成されたインスタレーション作品で国際的な注目を集め」ているそうです。

 今回の作品は、この会場に合わせて制作されたインスタレーション作品だそうで、白い布で覆われた広い空間のあちこちに、触り心地の良い布で作られたオブジェが点在しています!柔らかい布の中身は何なのでしょう?…そば殻?? いや、もっと細かいビーズのようなものかな?
 子ども達は、柔らかいもので一杯の広い空間内を飛びはね、走り回り、クッションの中にジャンプし…大人たちも(私も)、大きくて丸くて柔らかいオブジェの中に身を沈め、身体全体が包み込まれ、抱かれるそのあまりの心地よさに思わず眠り込んでしまいそうでした! 
 周りを包み込む大きな白い布をひっぱり、固定させているのはこのズタ袋です!中身はウコンとチョウジです。近くに行くと、結構強烈な匂いがしましたよ!

30分の入場時間はあっという間に過ぎ、あんなクッションが我が家にもあったらいいのにね~!と娘と名残惜しい気持ち一杯で会場を後にしました。

ちょうど時刻はお昼時!やっぱりお昼はうどんを食べなくちゃね!

前回来たときは1勝1敗だったので、今回はお店選びで失敗をしないように駅の観光案内所で地元の人に人気のうどん屋さんを紹介してもらいました。
 駅から歩いて15分のところにある「綿谷」というお店です。娘と丸亀港や太助灯籠を眺めながら歩いていくと…お店の前に行列が…でもセルフのお店で回転が速いので、少し待っただけで店内に入ることができました。
 ここでちょっと失敗!…セルフでメニューを考える余裕がなく、普通のぶっかけうどんを注文してしまいました! 後で地元の人たちの注文する様子を観察していたら、ほとんどの人が肉うどんのぶっかけに温泉卵をのっけているではないか! しまった~!あれが人気メニューだったんだな~!!「後悔先に立たず」ですぅ~!それにしても、普通に頼んだのにすでに大盛り!…私と娘には量が多すぎてちょっと飽きてしまいました。でも地元民の方々は、若い女性もお年よりも、み~んなこの量を平気でたいらげておられました!

恐るべし香川県民!負けました。。。
今度来たときは、またおいしいうどん屋さん探しをしますよ~!

アート巡りしました☆

2007-08-18 23:37:07 | アート
今日は娘Tのレッスンの帰り、以前から気になっていたけれど1人で入る勇気がなくていつも素通りしていたカフェ「SYNERGY 73」へ、ついに足を踏み入れました!(大げさ!)

「SYNERGY 73」は天神町市営駐車場のすぐ近くにあって、お店の前を通るたびにアートっぽい看板に心魅かれていたのですが、細い階段を上っていった2階にあり、中の様子が全く見えないので、ちょっと怪しい感じもして、1人で入れなかったんです~ でも子ども連れになると恥ずかしさも薄れ、どこへでも入れちゃうから不思議で~す!

銀色の扉を開けると、中はちょっと「サウダーヂな夜」に似た雰囲気…奥には靴を脱いで上がり込めるスペースもあり、中古の(?)家具は座り心地がよくて、ゆっくりぼんやり長居ができそうな雰囲気です。

店内の壁はギャラリーにもなっていて、ちょうど8月16日から始まっている「THE 斬られ侍展」を楽しみました。

作者のKAIくんは8歳のときから個展を開いている、現在中学1年生の男の子で、時代劇の悪役が好き☆落語が好き☆…っていう天才画伯!! 大胆で鮮やかな色彩の、カッコよくも可愛くもない侍や娘さんの絵なのに、その表情がめちゃくちゃユニークで、見る人をハッピーにしてしまう不思議な力を持っているのです!どんな育て方をしたらこんな絵を描いちゃうおもしろい子に育つんだろ~???
将来が楽しみですね~!!

バナナとチョコのパフェ、アールグレーのアイスティーをいただき、とってもチャーミングな女性店長さんに見送られてお店を後にしました。今度はかき氷でも食べに来ようかな…(かき氷はセルフっていうところが笑えました!可愛らしいおもちゃのようなかき氷機で、自分で作って食べるみたいですよ!)

アート巡り第2弾は、天神山文化プラザで開催されている「佐藤史仁展~膨張する利己主義、何が来るのか?~」です。

第3展示室に入ると、佐藤史仁さんがちょうど公開制作中!!

まず目に入った白いウサギ☆

可愛らしいウサギなんだけど身体にチューブが埋め込まれ「Do I feel pain?」の文字…これって動物実験のことを暗示しているのかな??…娘Tとひそひそ話していたら、佐藤さんが「わからないことがあったら、何でも聞いてください」と気さくに声をかけてくださったので、いろいろお話を伺いました。
 やはりこのウサギは、残酷な動物実験に使用され、殺されていく物言わぬウサギを表現しているそうで、戦時中、毒ガス工場があった大久野島のウサギのことにも話が及びました。大久野島には国民休暇村があり、無知だった我が家は島中に生息するウサギ目当てに泊まりに行ったこともあります。でも毒ガスは戦後、島内の防空壕跡に埋設されたり海に投棄されたりしたらしい…そんな危険なところに国民休暇村って…カモフラージュのため???…考えれば恐ろしくなり…。 
 
 話は動物実験から環境問題、人間のエゴイズムまで…アメリカの大学を卒業され、アメリカで制作活動を行ってきた佐藤さんに、アメリカと日本のアートを取り巻く環境の相違など話していただきました。
展示中の佐藤さんの作品です。
  
一番下の写真はジェットコースター(真ん中の写真)を制作中の佐藤さんで、両脇の岩の上には利己主義の象徴である(?)ブランド名を書いた看板をたくさん立てる予定だそうです。

社会に対する問題意識を独自の豊かなイメージでカタチにしていく佐藤さん、いろいろ説明してくださりありがとうございました!! 
見る人が想像力をかき立てられる作品をこれからも創り続けてください!!

さぁ~アート巡り第3弾は、県立美術館で開催中の「ピカソ展」だぁ~!!と娘Tと勇んで美術館に入ったのはよいのですが…

時間はすでに夕方4時30分を過ぎており(開館は午後5時まで)、切符を買うことができませんでした!残念!
また出直してくることにしましょう…。

東島 毅 展

2007-02-11 23:50:33 | アート

岡山県立美術館で開催されている「東島 毅 展」に行ってきました。

地下の吹き抜けになっている屋内広場へ足を踏み入れたとたん、その巨大なキャンパスに圧倒されました。

階段の真正面に「建築者の等身大として」、石畳の上に「通り過ぎる場所としての絵画」、白い壁面一杯に「ここにある歴史について」…何層にも塗り固められたと思われる巨大な濃紺のキャンバスに、シンプルに思い切りよく引かれた線が意志を感じさせます!…屋内広場とのインスタレーションがすばらしい!

ワクワク度を増加させながら、地下の会場へ…

会場内も、すっきりと広大な空間を作り上げてあり、白い壁面にこれまた巨大なキャンパスが制作時代ごとに並べられています。

写真を撮ることができないし、私の拙い文章では作品の素晴らしさをうまく表現できないので、ちょっとリンクさせてもらってと…作品はこんな感じです 

う~ん、でも今回の出品作品はこの写真の作品群とはちょっと違ってきていて、広大な宇宙の闇を喚起させる深い濃紺の、メタリックな光沢をたたえたキャンパスに吸い込まれそうになったり、銀色の光を放つ反射板のようなキャンバスにスプレーで描かれた線に、自分の心の戸惑いを重ね合わせたり…

広い空間の真ん中にぜいたくに置かれたソファーをゆったりと独り占めして、しばしこの巨大な作品群の持つ圧倒的なパワーにどっぷりと身を任せていました…

作品たちから、それぞれ電波でも流れ出して交流しているんじゃないかしら…そんな不思議な感覚にとらわれたひと時でした…

東島 毅さんは京都造形芸術大学の助教授ですが、岡山市在住で、倉敷芸術科学大学でも教えておられるようです。岡山市在住ってところが、ちょっとうれしいですね~!

 


コラボレーション・ポエム 2006

2006-12-16 23:03:13 | アート

天神山文化プラザ企画美術展「コラボレーション・ポエム2006」に行ってきました。

県内の詩人と美術作家各20人が抽選によりペアを組み、共同制作した作品が展示されています。

天神山文化プラザへは先日「アートの今・岡山2006」も見に来ましたが、今回は同じ建物の中の別の展示室が会場になっていました。館内にはいくつも展示室があり、次々とユニークな企画展が開催されていて、おまけに質のよいカタログも無料でいただける…きっと大変なやり手のキュレーターの方がいらっしゃるに違いない!

まず一番に鑑賞したのは、倉庫の中で上映されていた青地大輔さんと則武一女さんの『これから』。カラスの鳴き声が流れる中、一行ずつ則武さんの詩が映っては消えていく…「いらいらしてストレスためて」「人の悪口平気で言って」「車の排気ガスまき散らして」「これからどうなるのだろう」…カラスが心配してくれているよ、本当にどうなるんだろうね…

会場の真ん中に長いさらしの布が置いてあり、規則正しく大小様々なボタンが赤い糸で縫いつけてあります。スマヤ和代さんと石川早苗さんの作品『あなたの心に愛をこめて』。石川さんの詩「ボタンろーど」…「ふりむけば 愛しいボタンたち 次の生を夢見て きらきらと」…ボタンはスヤマさんのお母様とお姑さんが大切に貯めていたものらしい。赤い糸の色合いがとてもかわいらしい。娘Tも2つばかりボタン縫い付けに参加させてもらいました。(自由にボタンを縫い付けていいのです!)

写真の左端に写っているかまくらのようなオブジェは近藤照恵さんと壷阪輝代さんの『つつまれる』。中は豆電球が点され、壷阪さんの詩が貼ってあります…「木枯らしが吹く夜 あたたかい部屋の中で らせん状に 尻取り遊びをする家族 天井の片隅から しあわせが匂ってくる」…娘Tを中に入れ、その詩を一緒に読んだら、なんだか暖かい気持ちになりましたよ!

娘Tが一番印象に残ったという作品は清水美智子さん(詩)と大谷清子さん(絵画)の『ムシのひとりごと』。…地球を焼き尽くす炎、ひからびた不気味な昆虫…「おーい人間今のままでいいのか劣化ウランが飛び散ってこの星は重体だぞ」(!!!)

その他、永岡かずみさんのテラコッタも童話の中から出てきたようでとても素敵だったし…全部は書ききれないけれど、力作ぞろいの楽しい展覧会でした。

 


「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」へ

2006-11-23 23:24:22 | アート
娘Tとへ丸亀市猪熊弦一郎現代美術館へ行って来ました。

岡山駅を朝10時すぎの瀬戸大橋線マリンライナーに乗ったのはいいのですが、何にも下調べをせず気楽に乗っていたら、乗り換えるのを忘れていて高松駅まで行ってしまい、電車を乗り継いで引き返し、丸亀駅に12時すぎになんとか到着!!
この美術館を訪れるのは2度目ですが、駅を出てすぐ目の前にこのモダンな建物が現れるとオォーッと圧倒され、感動しますね!! 

しかし、お腹をすかせた母娘2人組の足は美術館に向かわず、駅のインフォメーションでもらった地図を頼りにまずは名物のうどん屋さんへ!!…駅前の商店街を10分ほど歩き(結構長い商店街が続いているんだけれど、祝日のお昼時というのに閑散としていてお客さんほとんどいませんよ~!大丈夫なのかな~!)手打ちうどんのお店「つづみ」に到着しました。かきあげぶっかけ(小)380円と明太ちりめんぶっかけ(小)490円を頼みました。麺はキュッとこしがあり、かきあげは周りがカリカリでアツアツで甘みたっぷり!ちりめんもカリッと揚げてあってとてもおいしくいただきました!
 さあ、いよいよ美術館へ!入り口にもセンスが感じられますよ!なんと、今日は開館15周年記念日ということで全館観覧無料です。ラッキー!!まずは猪熊弦一郎の常設展を鑑賞…猪熊弦一郎の作風の変遷には本当に驚かされます。若いころはオーソドックスな具象画で評価されていたのが、36歳でパリに渡り、アンリ・マティスと出会ってからは明らかにマティスの影響を受けた作品を描くようになります。戦時下帰国した後、53歳にしてもう一度パリで勉強し直そうと旅立った途中、立ち寄ったニューヨークで抽象表現主義に魅せられ、ニューヨークにそのまま留まり、独自の抽象画の表現を築き上げます。晩年は美術館入口の動物たちの絵のように細いペンで描いたポップでモダンな動物、顔の連作、鳥、猫などの作品に変わっていきます。(私はこの晩年の作品がかわいらしくて好きです!)80歳を過ぎてからこんなおしゃれな絵を描いていたとは本当に素敵です!!

次に企画展「無言館」-戦没画学生いのちの叫び-を鑑賞しました。無言館は長野県上田にある戦没画学生慰霊美術館で、「生き残った画家」である野見山暁治氏が、生きて帰り絵を描くことを熱望しながら死んでいった画学生の遺族と作品を訪ね歩き、集めた作品を展示するため建てた美術館らしい。その美術館から運ばれてきた約120点の作品と手紙や写真などの遺品を観に、大勢の人々が訪れていました。

展示会場に入ってすぐに感じたのは、全体的にどの作品も色調が暗いこと…いずれも風景や家族を描いた具象画なのですが、その時代の風潮だったのでしょうか?… 一つ一つの作品に作者の名前、美術大学を卒業した年、そして戦死した年月日と場所、享年(ほとんど20代)が書かれた説明文がつけられています。中国で、ビルマで、フィリピンの島々で…特攻隊で、手榴弾にあたって、病気で……それらの文字をたどり、故郷や家族、恋人への思い、どんなに無念だっただろうかを思うと…文字がかすんで見えなくなり、胸がつまって娘に説明してやることもできなくなりました…未来のある才能にあふれた若者たちが、貴重な命を無為に散らさなければならなかったことが本当に悲しく悔しい…

鑑賞後、美術館のカフェでお茶でも飲もうかと娘を誘うと「もう一軒別のうどん屋さんに行きたい!」と言うではないか!…クラスのお友達がうどんのはしごをしたのを聞いていて、うどんは何杯も食べ歩くものだと思っているらしい。えぇ~!?と思ったけれど、お昼に食べたうどんがおいしかったので、そうだよな、せっかく瀬戸大橋を渡ってきたんだから、もう一杯くらいはうどんを食べなくちゃな、という気持ちが私にまで伝染し、うどん屋さんマップを広げたところ、駅のすぐ脇にうどん屋さんがあるではないか!…駅前のうどん屋…ちょっと工夫の無い大衆食堂的な不安もよぎったけれど、遠くまで歩く元気もなかったので近場で手を打ってしまった(これがまちがいのもとでした~)学食のうどんの方がまだまし~っと思うようなお味で…ヘ(´o`)ヘ とほほ・・・・

ちょっと最後の締めが残念だったので、岡山駅に着いてから、見違えるように都会的なショッピング街になり、田舎者(わたし!)は迷ってしまう「さんすて」でおいしいクレープを食べて帰りましたよ~!
(^―^)