土曜日の夜は忙しい。
19時45分から21時15分まで中1の娘Tの塾があるため、一緒に通う近所のお友達3人の家を一軒一軒回って車に乗せて塾まで送り、終わった後も家まで送り届けている。
その合間を縫って、ヤマハのレッスンから帰ってくる姉Sを最寄のJR駅まで迎えに行ってやらねばならないし…
またまたその合間には、居間で横たわっている夫が早く寝られるように、お風呂の用意もしなくては…
今日も、娘Tの迎えに行く前にお風呂の掃除をし、お湯の蛇口をひねった。
いつもは湯はりが終わってから出かけるのだが、時間がなかったので、寝ている夫に「Tの迎えに行ってくるから、お湯を止めてね」と声をかけて出かけた。
しかし…
40分後に帰宅したら、風呂場の蛇口からお湯が流れる音が聞こえ、居間には夫が横たわったまま…
「あれ、お風呂は?」
と声をかけると、夫はハッとしてよろめきながら起き上がり、蛇口を閉め、充血した目で 「また、お湯はりできてなかったよ!」と言った。
数年前に取り替えたガス給湯器には、湯はりのオートストップ機能がついていて、湯はりスイッチを押して設定しておくと、ブザーと音声でお湯が入ったことを教えてくれる。
このおかげで我が家では、お湯をあふれさせる心配がなくなり、とても助かっているのだが、あいにく私は湯はりスイッチを押すのをしばしば忘れる!
それでも家にいるときは、ブザーが鳴らなくてもそろそろお湯が入ったころだと気付き、蛇口を閉めに行っていたのだが…
具合の悪い夫を1人残して出かけたのがまずかった!!
湯船からはお湯があふれかえっている…おそらく30分以上あふれ続けていたのだろう…
「40分もお湯を出し続けていたら途中で気がついてくれてもいいのに…」
と夫を責める言葉が喉まで出かかったが、湯はりスイッチを押し忘れた私も悪い、と思いそのまま飲み込んだ。
…と、ここまではしょうがないと割り切ったのだが、お風呂に入った娘Tの「お母さ~ん、お湯が出ないよ~」という言葉から、新たな事態に直面することとなった。
お湯が出ない…水しか出ない…
ザーザー降りの雨の中、夫が外のガス給湯器を一応見に行ったけれど、何が起こったのかわからずすぐに戻ってきた。
台所のガスも点かない…完全にガスが止まっている…
お湯がでない → お風呂に入れない
台所のガスが点かない → 料理ができない お湯もわかせない
土曜日の夜、普通の生活ができなくなってしまった我が家…なすすべもなく呆然としている4人なのであった…
それでも思春期の娘2人は、水風呂と知りながら、どうしてもお風呂に入ると言い、果敢にも水風呂に挑戦し、ブルブル震えながら髪まで洗って出てきた!!
私は疲れがどっと出てきたため思考を停止し、もう眠ることにした。
次の日(日曜)の朝8時…
ガスの検針票を捜しだし、さっそくガス会社のお問い合わせ先に電話をかけてみた…
「月曜日~金曜日(祝日除く)8:30~17:00」 と書いてあったので、だれも出ないんだろうな~と期待していなかったけれど…
意外にも、電話はすぐにつながった!
感じの良い宿直のおじさんが対応してくださり、状況を説明すると、「安全装置が働いたんでしょう」とのこと。
おじさんが教えてくれたとおり、外のガスメーターの黒いボタンのキャップをはずし、スイッチを押すと、ガスは元通りになった!!
後から考えれば、たいしたことではなかったのだが、昨晩、お湯も出ず、料理もできない…という状況下では、本当に途方にくれてしまった
このとき一番に思ったのが、現在中国四川省やミャンマーで、何もかも無くし、劣悪な状況の中、身体にも心にも深い傷を負い、不自由な生活を余儀なくされている人々のこと…
ガスが使えないどころじゃない…
一度募金はしたけれど、今月のお給料が出たら、もう一度募金をさせてもらおう…と改めて思わされた、我が家のちょっとした事件だった。