娘2人を連れてシネマクレールへ『神童』を観にいきました。この映画のチラシの2人が凛としていて素敵なので、心に響いてくるストーリー、きっと音楽的にも高水準のものが見られるのではないか…(今年もコンクールに出場するのに全然練習しない怠け者の娘Sの刺激にもなるのではないか…)等々、いろんな期待を膨らませて勇んででかけました。
主人公うた役の成海璃子さん…神童といわれながら、学校では体育の球技は見学、いつも手袋を着用し、手が冷えるからと家ではお皿を洗うことも禁止されている…(母親は娘のピアノにすべてをかけている)…そんな生活に鬱屈した思春期の女の子を可憐な佇まいで演じている…
でも、でも…結論から言うと、私には最後までうたが「神童」には見えなかった。。。(ゴメン!)
ピアノが大好きなのに才能に乏しい音大浪人生ワオ(松山ケンイチ)の最後の音大受験の日、自信を失くしたワオの両手をうたが包み込むように握り力を与え、ワオに生涯最高の名演奏をさせる…あのワオの演奏場面は迫力があって素晴らしかった!!
でも、うたが神童であることを示す大事な演奏場面が後半まで少なくて、うたが普通の女の子にしか見えないのです…実際弾かなくてもいいから、ワオの受験のときの演奏場面のように、迫力ある(吹き替え)場面をもっと入れてほしかった。。。
後半のハプニングも、「のだめカンタービレ」のノリなら許されても、この映画ではありえない展開だろ~!!と首をかしげたくなったし…
そもそも、うたとワオ(松山ケンイチ)がどうして心を通わせるようになっていったのか…そのあたりの描写が少なくて説得力に欠けているし…
う~ん、期待が大きかった分、ちょっと残念!
私にとってはイマイチだったけれど、娘Sは帰り道、「泣けたわ~。なんかメッチャやる気が出てきたわ~」とのたまっていた。(いつも口だけなので、あまり期待していない!)
娘2人から、母親役の手塚理美さんと私が「めっちゃ雰囲気似とる~」とも言われた。(たしかに髪型は似ていた…)
昔はアイドル系だったけど、いろいろ苦労もされて今じゃすっかりお母さん役が板についてきた手塚さん、先日観た『狼少女』でも健気なお母さん役を熱演されていました。似ているということは喜んでいいのかな~?????
最後、何十台もの中古ピアノが眠る倉庫の中で、うたとワオが2人でこの映画のテーマ曲を連弾するシーンは心洗われる美しさでした!(癒し系の透き通るようなメロディーです。娘2人と口ずさみながら帰りました!)
2人が音を共有しながら、心から楽しそうに理解し合う最後のシーン…このシーンの美しさだけですべてが許されるのかもしれません。