Peace of Mind を求めて…

悲しいことがあっても、必ず新しい朝は来るのですよね

電信柱エレミの恋(監督・脚本・撮影:中田秀人)

2012-05-04 22:33:11 | 映画・テレビ
今日は娘Tと2人で「電信柱エレミの恋」というストップモーションアニメーション作品を観てきました。

会場は石関町にあるギャラリーシファ
 
(階段も可愛らしくて素敵です☆)


「電信柱エレミの恋」は、中田秀人さんを中心とした「ソバットシアター」(男性4人の制作チーム)が8年の歳月をかけ、人形、街並み等すべてを手作業で作り上げ、細部にまで神経を行きわたらせて撮影された大変な力作です。緻密な人形、動物、街並みそして電信柱たちの細やかな動き、感情表現…

「撮影前の表情の調整だけで数時間、撮影作業も1日かけて数秒撮るのがやっと」…という気の遠くなるような作業を根気強く淡々とこなし完成されたこの作品は、あまりにも素晴らしく…あまりに切なく…最初から涙がこぼれてとまらず……最後は号泣しそうになりました…

すべてにおいて、気品に満ち溢れている作品なのです☆

携帯電話のない一昔前の時代…
レトロな赤い郵便ポストに公衆電話、黒電話、ラジカセ、手動の鉛筆削り…なつかしい昭和の香りが見事に再現されています…
道端の雑草、電信柱に貼られたポスターが剥がれた後の糊の跡まで、手を抜いていません…

ランドセルをしょった小学生の女の子と黒猫の悲しいエピソードには胸がつまりました。
…幼い女の子が、どうしようもない状況の中でとった精一杯の行動…理屈ではなくわかるんですよね………こういう繊細な状況設定を思いついた監督のセンスもすごいと思いました!

…電信柱と人間の恋???…あまりにシュールで、そんなの絶対ありえない!…と普通は思いますよね!?
でもね…ありえないのに本当に切なくて…全然違和感を感じないんですよ。。。エレミを心から応援したくなるんですよ!!!

今日は上映会の後、中田監督と、主催者である県立大学の齋藤先生とのトークイベントもありました。

中田監督は、見た目が強面なのですが(笑)、優しさと情熱を兼ね備えた素敵な方でした☆

声の収録は作品が完成する前に行わなければならず、結局8年もかかってしまったため、完成したときには声優さんの行方がわからなくなってしまっていた話。。。

原作「電信柱電子の恋」の作者に映画化の許可をもらうまでのエピソード。。。

それぞれのキャラクターには、映画の中では描かれていないバックグラウンドがあり、それを基に動きを考えていった話。。。(長老の木兵衛さんは、停電の翌日撤去される設定になっているらしい…

ある日偶然、駅で流れてきた音楽に魅せられ、tico moonさんに作品の音楽を依頼することになったいきさつ。。。

「優しくて、少し温かい。でも、何もかもすべてが幸せってわけじゃない。」

中田監督がこの作品で目指したこだわりも感じられ、興味深いお話ばかりでした。

トーク後に、監督と少しお話することができ、とても感動したことをお伝えしました。
監督は次の作品にとりかかっておられることを話してくださいました。
何年でも待ってますよ~!!!!!
パンフレットにサインをいただきました。


ギャラリーシファでは5月27日(日)まで「電信柱エレミの恋の世界展」と題し、作品に登場するキャラクターたちや造形物が展示されています。
いろんな表情をした(気高さを感じる)エレミにも出会えます!

tico moonさんの演奏会やエレミの顔をつくるワークショップも…

上映会は後3回【5/12(土)・5/18(金)・5/26(土)】開催されるので、また観に行こうと思っています。