Peace of Mind を求めて…

悲しいことがあっても、必ず新しい朝は来るのですよね

『精神病とモザイク』 想田 和弘 著 (中央法規)

2009-06-27 23:41:19 | 

想田和弘監督のドキュメンタリー映画『精神』が、いよいよ7月18日(土)からシネマクレールで上映されます。

でも、それまで待ちきれない!!! そこで…

映画の公開にあわせて、監督がそれまでの紆余曲折、この作品に込めた思いを綴った著書『精神病とモザイク』(タブーの世界にカメラを向ける)を買ってきて読みました。

想田監督とは…

絵に描いたような優等生で、当然のように東京大学へ入学し…でも、「東大新聞」の編集長に祭り上げられた末、「燃え尽き症候群」になり…

「学歴をドブに捨てるようなものだ」と言われながら手探りでニューヨークへ渡り、美大の映画学科で学んだ後、ドキュメンタリー作りにのめり込む…

そして、優れたNHKのドキュメンタリー番組を何本も発表していくのですが、前もって入念に作り上げられた台本をなぞる「やらせ」に近い撮影、パワハラだらけの日本のテレビ制作現場に身も心もボロボロにされ…

リストラされたのをきっかけに、自前で、割の良い企業用ビデオの製作会社を設立し…気力と体力を少しずつ回復させながら、自主制作で自分の作りたいドキュメンタリーを追求していくだけの精神的・経済的な準備を整え……

奥さんのお母様が関わっておられる「こらーる岡山」へ撮影の申し込みをするに到った…と書かれています。

こらーる岡山では、テレビのやり方の正反対をしよう!と、撮影前の打ち合わせ、リサーチを一切せず、台本も書かず、奥さんと2人だけで長回しで撮影されたそうです。

患者さん1人1人に声をかけ、撮影の許可を求め、許可してくれたらその場で撮影を進めていき…だから、撮影する時点では、被写体である患者さんとは面識も信頼関係も無く、その人がどういう病歴なのかも全く知らなかったとのこと…

しかし撮影後に、監督は被写体になってくれた方たちと否応なしに深く、誠実に、責任を持って付き合っていかざるをえなくなります…

撮影した後で「やっぱりやめて欲しい」と心変わりされたり…
釜山国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した後、岡山で当事者の方たち対象の試写会を行った際、一番心配していた当事者の女性から、自分の大事な場面は流れてないですよね…と言われたり…(このときの監督の心情は「人生最大級の修羅場」だったとか…)

それでも当事者の方たちと「振り返り会」を設けたり、座談会を開いたり、何度も話し合う中で、監督は「信頼し、信頼される関係」を構築していくのです…

当事者の方たちとの座談会の内容がものすごくおもしろかった!!!
山本先生の診察の様子など、思わず「そうそう!うちもそう!!」と共感して笑えたり…
こんなにユーモアのある会話をされる患者さんたちにすごく好感を持ちました!
いつかこらーるでお会いしたら、お話してみたい!

でも当事者の方たちにとっては、「精神」は予告編であり、自分たちの本当の苦しさはあんなもんじゃない!「1日1日をどんなに苦しい思いで暮らしているかが全然映し出されていない!」と不満もあるようです。(診察に来ているときは、比較的症状が安定しているときですものね。本当にしんどいときは外に出られないでしょうから…)

しかしこの作品で、タブーに挑んだ監督は、これから先、重い責任を負うことになります…
被写体となった患者さんたちが、心無い人たちから非難を浴びる可能性だってある…

「映画がきっかけで自ら命を絶つ患者さんが出るのではないか」
「映画を公開することで傷つく人々に対して自分は責任を取れるのか」

モザイクをかけさえすれば、何の問題もなかったであろう当事者の方たちへの重い責任を、監督はこれから一生背負っていかなければならないのでしょう…
(これは本当にしんどいと思います…)

まだ、映画を観ていないのに、被写体となった患者さんたちにとても親近感を覚え、作品の中で(そして実際にいつの日か、こらーる岡山で!)お会いするのがとても楽しみになってきました☆
初日にシネマクレールへ駆けつけようと思っています!!!

…そして…

具合の悪い状態が続いていて、「生きているのがしんどい」と訴える夫に観せるのは、まず私が観て、内容的に大丈夫かどうか判断してからにしようと思います…。


やったぜ!お楽しみ抽選会!!

2009-06-21 23:16:25 | 日記
日曜日の朝、いつものように娘Tをジュニオケの練習に送り届けた帰り道、生協が9時半に開店するのと同時に入店し、食料を買い込みました。

今日は父の日で、お店の片隅では父の日お楽しみ抽選会が開催されています。

数週間前から生協では、1000円買い物するごとに抽選券を1枚配っていて、今日がその抽選日でした。
 抽選券3枚で1回福引ができるのですが、私は15枚たまっていたので5回、ガラガラ(?)を回しました。
1回目…白玉がポトリ
2回目…また白玉がポトリ
3回目…青玉が出た!(受け皿の中に出ていたのは白玉ばかりだったので、何かが当たったらしい!ラッキー☆ 係りの人に「4等です!!」と言われる!)
4回目…今度はピンクの玉が出た!! (係りの人がエッと驚いた顔をされ、「1等が出ました!!」と言われる!)
5回目…何が起こったのか半信半疑のまま、ドキドキしながら最後にもう1回回す!白玉がポトリ。

と、とにかく1等が当たったらしい!!!

係りの人が「少々お待ちくださいね!」と言ってどこかへ行ってしまわれたので、待っている間によくよく看板を見ると…

1等 和牛ステーキ&ローストビーフセット(10,000円相当) 1本
2等 メロンセット              ( 5,000円相当)   2本
3等 無洗米こしひかり                      3本
4等 商品券500円                       20本
5等 しょうゆ                           75本
(残念賞?の白玉は5ポイントのポイント券)

と書かれている…

ちょっとちょっと!!私ってひょっとしてスゴイ~!!???
だって1等は1人だけなのよ~!!!

しばらくすると、係りの方がもどってこられ、「おめでとうございます☆」と言って紙袋を渡してくださいました。

中身はコレ!!!

1万円相当の霜降り和牛とローストビーフです
こんな豪華なお肉☆今まで我が家で買って食べたことがありません
なんかすごいことになっちゃったぞ~と、うれしいような気恥ずかしいような複雑な気持ちで、そそくさとお店を後にしました。

でも、帰りの車の中でだんだんうれしくなってきて…
「ふっふっふっ…後から来られたそこの奥様方。。。すみませんね~、もう1等は出ちゃいましたよ~、私がもって帰ってますよ~!(ヤなやつ)と知らず知らずほくそえんでしまう私って…

こんなに運のいい私なんだから、きっとこれからもいいことがあるに違いない!!!絶対そうに決まってる!!!

…絶不調で横たわる夫の姿を横目で見ながら、今度は宝くじでも買ってみようかな~と調子に乗る私なのでした(笑)

『青い鳥』 重松 清 著(新潮社)

2009-06-10 23:30:34 | 

重松清さんの『青い鳥』を読みました。

重松さんの「きよしこ」という作品を、以前読もうとしたけれど、そのときはなぜか心惹かれず、結局読み終えないまま古本屋へ売り飛ばしてしまった(!)…という申し訳ない過去があり…

重松さんの作品にはそれっきり手をつけていませんでした…

そんなとき…

重松清さんの作品が相次いで映画化されました…☆

「きみの友だち」(監督:廣木隆一)「青い鳥」(監督:中西健二)です…☆

2作品とも娘Tと一緒に観たのですが、どちらも胸を打つ真摯な作品で、親子共々感動し、観終わった後、深い余韻が残ったのでした…☆

原作も読んでみたいな~と思っていたら、娘Tも同じ思いだったのか、先日中学校の図書館で『青い鳥』を借りてきてくれました…☆
わ~!うれしい~!読みたかったのよ~!…とさっさと横取りし!(笑)、母が先に読ませてもらいました!

『青い鳥』には映画の原作になった作品も含めて8つの短編が収録されていて、どの作品にも村内先生が登場します。

村内先生は、吃音でうまくしゃべることができず、聞いているほうが息苦しくなるくらい激しくつっかえる、中学校の国語の先生です。生徒たちからも相手にされず心無い言葉をあびせられたりもします…

でも、集団生活の中で自分の居場所を見つけられず、心の中で助けを求めている子どもたちにとって村内先生は、静かに隣に座り、寄り添っていてくれる、「特別な」救いの存在なのです…「うまくしゃべれないから、たいせつなことしか言わない」先生なのです…

ハンカチ」…場面緘黙症で、いつもスカートのポケットに入れたハンカチを握りしめることで心を落ち着かせている女子生徒…
ひむりーる独唱」…担任教師をアーミーナイフで刺してしまい、少年鑑別所に入った後、元のクラスに戻ってきた男子生徒…(田舎の祖母の家で、カエルを殺し続けます…)
おまもり」…父親が、運悪く交通事故で相手女性を死なせてしまい、その罪を家族で背負って生きている女子生徒…
青い鳥」…いじめによる自殺未遂でクラスの男子生徒が転校し、いじめた側にいて、人を苦しめていることに気づかなかった自分の責任と向き合おうと苦しむ男子生徒…
静かな楽隊」…クラスを扇動して教師を休職にまで追い詰める女子生徒…その傍で、その息苦しさと痛みを感受し、苦しむ女子生徒…
拝啓ねずみ大王さま」…父親が電車に飛び込んで自殺して以来、「みんな」が大嫌いになってしまった男子生徒…
進路は北へ」…閉鎖的で陰湿ないじめがはびこる、名門女子大付属中学からそのまま付属高校へ進むことを拒否し、周囲の圧力に屈せず公立高校を受験しようとする女子生徒…
カッコウの卵」…カッコウの卵のように親から捨てられ、愛されることなく養護施設で育った少年と少女…

 8つの短編の中には、声には出せない助けを求めている子どもたちが出てきます…

そして、村内先生に出会い、「そばにいるよ」「ひとりぼっちじゃないんだよ」「間に合ってよかったなあ。会えてよかったなあ」…と言ってもらうことで救われていくのです…

中学校の生々しい現場で実際に子どもたちと毎日向き合っている先生方からみれば、きれいごとすぎる!と言われるのかもしれません…

でも、村内先生のような先生がいれば、思春期の…嫌悪したり憎んだり、ねたんだり追い詰められたり…そんな集団生活に息苦しさを感じている子どもたちの心がほっと安らぎ、本当に大切なことに気づき、自分を取り戻していけるのだろうな…

重松さんも少年時代に吃音に苦労されたとか…思春期の子どもたちの心情を描く、その手腕に感服した1冊でした。


必ず新しい朝は来る…

2009-06-04 20:58:50 | 日記

また、このブログを書き続けることができること…

なんとか心の平安を取り戻しつつあること…

あ~。。。なんとか私はがんばっている…

頭の中が真っ白でからっぽになり…

目の前が真っ暗になり…

身体が絶望感で鉛のように重くなり…

もうダメ! もうおしまいだ!って思っても…

そんなときは、だれかに救いを求める余裕もない…

助けて!って気持ちを伝えるにも気力が必要なんだということを思い知らされた…

そんなときでも、必ず新しい朝がやってきて…

太陽が昇ってきた…

心の中で涙をこぼしながら、渦巻く不安感を隠しながら、日常生活をこなしていく…

少しずつだけど、落ち着きを取り戻し…

顔を洗い、ご飯を食べ、歯を磨き、服を着替え、外へと飛び出す!

何も望まない、平凡な日常、時間が静かに過ぎていき、娘が笑っていてくれる…

ちっぽけな…愛しい日々がこれからも続いていってくれますように…

私と私の家族の周りにいてくれ、支えてくれた人たち…

本当にありがとう!!!