Peace of Mind を求めて…

悲しいことがあっても、必ず新しい朝は来るのですよね

『犬と、いのち』(渡辺眞子=文 山口美智子=写真)朝日新聞出版

2010-04-30 23:57:35 | 
GWに読む本を借りよう!と幸町図書館へ行った際、新刊図書を並べた書架から4つのつぶらな瞳がじっとこちらを見つめているのに気づきました。

黒と白の2匹の可愛らしい子犬がチョコンと座ったモノクロ写真の表紙の本…でもその眼差しはとても真剣で、必死に何かを訴えかけているようでもあり、怯えているようでもあり…思わず手にとって中を開きました。 

ショックでした…掲載されているたくさんの写真を見て、胸がふるえ、心が凍りつきました…。これは絶対に読まなければいけない!という思いに突き動かされ、この小さな本を胸に抱きしめて帰宅しました。 

ゴミを回収するのと同じシステムで、決められた日時にやってくる収集車に積み込まれていく犬たち…「また産まれたから」「もう飼いきれないから」「病気になったから」「年をとったから」…元飼い主たちは、簡単な書類を書き込み、料金を支払い、「いのち」を捨て終わると、一度も振り向くことなく、ひとかけらの罪の意識もなく走り去る…  

ケージに詰め込まれた犬たちは、光と風が遮断され、コンクリートに囲われたセンターへ送られ、冷たい床の上で6日間を過ごした後、最後の日を迎える…  

自分の身に起きていることが理解できず、無邪気に近づいてくる子犬たち…いつかは迎えにきてもらえると信じ、襲いくる不安と闘いながら静かに寄り添っている犬たち…家族を求めてのどが張り裂けそうなくらい叫んでいる犬たち…虐待されていたと思われる形跡のある、あばら骨が浮き出た犬たち…年老いて病み、汚れた床の上で力なく横たわる犬たち…   

6つの部屋を仕切る鉄の柵は横に動き、犬たちは1日ごとに奥の部屋へと誘導され、6日目には最後の部屋へと送られる…

最後の日……ガス処分機の中で、怯えて動き回っていた犬たちは、次々と膝を折り、崩れるように倒れこみ、もがき、痙攣し、泡を吹き、息絶えていく…  (この酷い惨状は、私にはどうしてもナチスドイツのユダヤ人虐殺を想起させ、恐怖で胸が苦しくなります…)

この本を手にしただけの私でさえ、裏切られてもまだ人を信じている犬たちの真っ直ぐな瞳に心を突き刺され、涙がこぼれてとまらないのに、取材し、写真を撮り、この本を作られた方たちは、どれほどつらかったことでしょう…

この本は、殺処分、保護犬問題について精力的な動物保護活動をされている、渡辺眞子さん(文)・山口美智子さん(写真)、そしてこのお二人に影響を受け、つらい編集作業を進められた石黒謙吾さん(プロデュース・構成・編集)によって作られています。 あと書きによると、石黒さんは写真選び初日、山口さんから受け取った4000枚の写真を見て、仕事中に吐いてしまったそうです……どこまでを本に載せるべきか、何日も迷い続けたそうです。

そんな3人の方たちの強い思いが伝わってくる、心に深く訴えかけてくる、たくさんの人の手にとって読んでもらいたい力作だと思いました。

かわいそうな犬たちの写真を見るたび、一生懸命「おすわり」や「お手」を繰り返し、私にほめてもらおうとシッポを振る、健気で愛らしい我が家のリンの姿が目に浮かんで切なくなり、また涙があふれてきます。

殺処分される数に比べ、保護、譲渡される犬たちの数はほんのわずか…でも、自分の生活を犠牲にしながら、地道な保護活動をされているボランティアの方たちが大勢おられます。

ナチスを生み出したドイツも、現在は、動物の殺処分ゼロ、殺処分の施設も無く、代わりに「動物の家」と呼ばれるシェルターが500以上あり、寄付とボランティアで成り立っているのだそうです。

この本も、保護活動によって救い出された犬たちの、幸せそうな希望に満ちた写真で締めくくられていて、ほっとします。こんな、安心感と喜びに包まれ、キラキラ輝く目をした犬たちが、もっともっと増えてくれますように…  

私も微力ながら、自分に一体何ができるのか…考えていきたいと思っています。

家族が増えました☆

2010-04-18 23:25:29 | 愛犬リン
我が家についに新しい家族☆天使のように愛らしい子犬がやって来ました!
名前は「リン」です。メッチャかわいいでしょ~!!!(親バカ



ハート徳島さんから譲渡していただく予定だった白い子犬が病気で亡くなり、悲しみにうちひしがられ…その後も、我が家にはどうしても心を癒してくれる新しい存在が必要だ!と思い、毎日毎日、朝昼晩!と「里親募集中」のHPを開き…我が家に来てくれるかわいい子犬はいないか、祈るような気持ちで捜し続けていました。

娘たちが春休みで、受け入れ態勢が整う3月中にどうしても見つけ出したい!!!と、娘も私も焦る気持ちがあり、本当に毎日必死の思いでした……そんなある日、香川県のNPO法人(アニマルサポートネット)の方が掲載されていた茶色い子犬の写真にハッと目が留まりました。
これがそのときの写真です。(掲載者の方の許可をもらいました)

つぶらな瞳に特徴的な長い耳☆ちょっと宇宙人っぽいこの写真に、私も娘たちも一目ぼれし、「この子がかわいい☆この子にしよう!!!」と意見が一致しました☆

さっそく掲載者の方にこれまでの我が家の子犬捜しの経緯と、今度こそこの子を家族の一員として迎え入れ、大切に育てたいので譲っていただけないかと切なる思いをメールで伝えました。

すぐにいただいたお返事には、この子が兄妹でダンボール箱に入れて捨てられていて、保健所に連れて行かれるところだったこと…そして、実はこの子も前の子犬と同じ致死率80~90%と言われる感染症に罹り、生死の境をさまよったけれど、入院治療により、見事病気を克服したことが書かれていました。

これを読んだとき、亡くなった子犬のことを考え何か運命的なものを感じ、この子を絶対に我が家で大切にしたい!!!という思いを強くしました。

「一度見に来てください」と言われ、さっそく香川県坂出市の保護してくださっている方のお宅まで、娘Tと一緒に瀬戸大橋を渡って訪ねて行きました。
駅まで迎えに来てくださった方の車で、保護してくださっている方のお宅を訪ね、毛布にくるまりブルブル震えて出てきたリンと初めて対面しました。
写真どおりの愛らしさで、すぐにでも連れて帰りたいぐらいでしたが、飼育環境を見てから譲渡するというしっかりした信念を持たれているようで、わざわざ次の日、坂出から車で我が家まで連れてきてくださったのでした。

春休みで帰省していた娘Sが家にいて受け取りをしてくれたのですが、連れてきてくださった女性2人が、我が家の受け入れ準備万端の環境を見てくださり、「この子は幸せになるね!生まれてきてよかったね!」と言ってくださったとのこと…それを聞いて私はありがたくて、胸がつまってしまいました。。。

アニマルサポートネットの方たちは、全くのボランティアで、多くの犬や猫を保護し、一匹でも多くの命を助けようと活動しておられます。
生活に余裕があってこういう保護活動をされているわけではなく、自分のことよりも犬や猫のためにお金や時間を使っておられるお姿を見て、本当に頭が下がる思いでした。
リンを連れてきてくださったときも、たくさんの缶詰や犬用おもちゃ、おいしい讃岐うどんまでお土産に持ってきてくださり、かえって申し訳ない思いでした。

我が家にやってきた当初のリンです。

新しい環境の中で不安なのか、怯えてブルブル震えていて、いつも静かにソファの上にじっと伏せていました。
見ている者を自然に笑顔にしてくれる、我が家のセラピー犬です☆

この後……切ない夜鳴きで家族を不眠に陥れたり、ウンチを何度もふんずけて洗面所で手足を洗わされたり、じゅうたんやソファのカバーに毎日のようにおもらししたり、トイレシートをメチャメチャに食いちぎって中の綿を散乱させたり、ドドドドッ、ダダダダッと部屋中を弾丸のように駆け回って暴れたり…

…なんてことが起こるとは、このときは思ってもいなかったのでした(笑)