GWに読む本を借りよう!と幸町図書館へ行った際、新刊図書を並べた書架から4つのつぶらな瞳がじっとこちらを見つめているのに気づきました。
黒と白の2匹の可愛らしい子犬がチョコンと座ったモノクロ写真の表紙の本…でもその眼差しはとても真剣で、必死に何かを訴えかけているようでもあり、怯えているようでもあり…思わず手にとって中を開きました。
ショックでした…掲載されているたくさんの写真を見て、胸がふるえ、心が凍りつきました…。これは絶対に読まなければいけない!という思いに突き動かされ、この小さな本を胸に抱きしめて帰宅しました。
ゴミを回収するのと同じシステムで、決められた日時にやってくる収集車に積み込まれていく犬たち…「また産まれたから」「もう飼いきれないから」「病気になったから」「年をとったから」…元飼い主たちは、簡単な書類を書き込み、料金を支払い、「いのち」を捨て終わると、一度も振り向くことなく、ひとかけらの罪の意識もなく走り去る…
ケージに詰め込まれた犬たちは、光と風が遮断され、コンクリートに囲われたセンターへ送られ、冷たい床の上で6日間を過ごした後、最後の日を迎える…
自分の身に起きていることが理解できず、無邪気に近づいてくる子犬たち…いつかは迎えにきてもらえると信じ、襲いくる不安と闘いながら静かに寄り添っている犬たち…家族を求めてのどが張り裂けそうなくらい叫んでいる犬たち…虐待されていたと思われる形跡のある、あばら骨が浮き出た犬たち…年老いて病み、汚れた床の上で力なく横たわる犬たち…
6つの部屋を仕切る鉄の柵は横に動き、犬たちは1日ごとに奥の部屋へと誘導され、6日目には最後の部屋へと送られる…
最後の日……ガス処分機の中で、怯えて動き回っていた犬たちは、次々と膝を折り、崩れるように倒れこみ、もがき、痙攣し、泡を吹き、息絶えていく… (この酷い惨状は、私にはどうしてもナチスドイツのユダヤ人虐殺を想起させ、恐怖で胸が苦しくなります…)
この本を手にしただけの私でさえ、裏切られてもまだ人を信じている犬たちの真っ直ぐな瞳に心を突き刺され、涙がこぼれてとまらないのに、取材し、写真を撮り、この本を作られた方たちは、どれほどつらかったことでしょう…
この本は、殺処分、保護犬問題について精力的な動物保護活動をされている、渡辺眞子さん(文)・山口美智子さん(写真)、そしてこのお二人に影響を受け、つらい編集作業を進められた石黒謙吾さん(プロデュース・構成・編集)によって作られています。 あと書きによると、石黒さんは写真選び初日、山口さんから受け取った4000枚の写真を見て、仕事中に吐いてしまったそうです……どこまでを本に載せるべきか、何日も迷い続けたそうです。
そんな3人の方たちの強い思いが伝わってくる、心に深く訴えかけてくる、たくさんの人の手にとって読んでもらいたい力作だと思いました。
かわいそうな犬たちの写真を見るたび、一生懸命「おすわり」や「お手」を繰り返し、私にほめてもらおうとシッポを振る、健気で愛らしい我が家のリンの姿が目に浮かんで切なくなり、また涙があふれてきます。
殺処分される数に比べ、保護、譲渡される犬たちの数はほんのわずか…でも、自分の生活を犠牲にしながら、地道な保護活動をされているボランティアの方たちが大勢おられます。
ナチスを生み出したドイツも、現在は、動物の殺処分ゼロ、殺処分の施設も無く、代わりに「動物の家」と呼ばれるシェルターが500以上あり、寄付とボランティアで成り立っているのだそうです。
この本も、保護活動によって救い出された犬たちの、幸せそうな希望に満ちた写真で締めくくられていて、ほっとします。こんな、安心感と喜びに包まれ、キラキラ輝く目をした犬たちが、もっともっと増えてくれますように…
私も微力ながら、自分に一体何ができるのか…考えていきたいと思っています。
黒と白の2匹の可愛らしい子犬がチョコンと座ったモノクロ写真の表紙の本…でもその眼差しはとても真剣で、必死に何かを訴えかけているようでもあり、怯えているようでもあり…思わず手にとって中を開きました。
ショックでした…掲載されているたくさんの写真を見て、胸がふるえ、心が凍りつきました…。これは絶対に読まなければいけない!という思いに突き動かされ、この小さな本を胸に抱きしめて帰宅しました。
ゴミを回収するのと同じシステムで、決められた日時にやってくる収集車に積み込まれていく犬たち…「また産まれたから」「もう飼いきれないから」「病気になったから」「年をとったから」…元飼い主たちは、簡単な書類を書き込み、料金を支払い、「いのち」を捨て終わると、一度も振り向くことなく、ひとかけらの罪の意識もなく走り去る…
ケージに詰め込まれた犬たちは、光と風が遮断され、コンクリートに囲われたセンターへ送られ、冷たい床の上で6日間を過ごした後、最後の日を迎える…
自分の身に起きていることが理解できず、無邪気に近づいてくる子犬たち…いつかは迎えにきてもらえると信じ、襲いくる不安と闘いながら静かに寄り添っている犬たち…家族を求めてのどが張り裂けそうなくらい叫んでいる犬たち…虐待されていたと思われる形跡のある、あばら骨が浮き出た犬たち…年老いて病み、汚れた床の上で力なく横たわる犬たち…
6つの部屋を仕切る鉄の柵は横に動き、犬たちは1日ごとに奥の部屋へと誘導され、6日目には最後の部屋へと送られる…
最後の日……ガス処分機の中で、怯えて動き回っていた犬たちは、次々と膝を折り、崩れるように倒れこみ、もがき、痙攣し、泡を吹き、息絶えていく… (この酷い惨状は、私にはどうしてもナチスドイツのユダヤ人虐殺を想起させ、恐怖で胸が苦しくなります…)
この本を手にしただけの私でさえ、裏切られてもまだ人を信じている犬たちの真っ直ぐな瞳に心を突き刺され、涙がこぼれてとまらないのに、取材し、写真を撮り、この本を作られた方たちは、どれほどつらかったことでしょう…
この本は、殺処分、保護犬問題について精力的な動物保護活動をされている、渡辺眞子さん(文)・山口美智子さん(写真)、そしてこのお二人に影響を受け、つらい編集作業を進められた石黒謙吾さん(プロデュース・構成・編集)によって作られています。 あと書きによると、石黒さんは写真選び初日、山口さんから受け取った4000枚の写真を見て、仕事中に吐いてしまったそうです……どこまでを本に載せるべきか、何日も迷い続けたそうです。
そんな3人の方たちの強い思いが伝わってくる、心に深く訴えかけてくる、たくさんの人の手にとって読んでもらいたい力作だと思いました。
かわいそうな犬たちの写真を見るたび、一生懸命「おすわり」や「お手」を繰り返し、私にほめてもらおうとシッポを振る、健気で愛らしい我が家のリンの姿が目に浮かんで切なくなり、また涙があふれてきます。
殺処分される数に比べ、保護、譲渡される犬たちの数はほんのわずか…でも、自分の生活を犠牲にしながら、地道な保護活動をされているボランティアの方たちが大勢おられます。
ナチスを生み出したドイツも、現在は、動物の殺処分ゼロ、殺処分の施設も無く、代わりに「動物の家」と呼ばれるシェルターが500以上あり、寄付とボランティアで成り立っているのだそうです。
この本も、保護活動によって救い出された犬たちの、幸せそうな希望に満ちた写真で締めくくられていて、ほっとします。こんな、安心感と喜びに包まれ、キラキラ輝く目をした犬たちが、もっともっと増えてくれますように…
私も微力ながら、自分に一体何ができるのか…考えていきたいと思っています。