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Peace of Mind を求めて…

悲しいことがあっても、必ず新しい朝は来るのですよね

冬休みのDVD

2008-01-09 22:39:45 | 映画・テレビ
冬休みは大掃除、買出しやおせち料理作り、おまけに子どもの宿題の手伝い()で慌しく過ぎ去ってしまいましたが、その合間を縫ってDVDを3本観ることができました。

3本共、映画館で上映されていた際、とっても観たかったのに見逃していた作品です。

★『檸檬のころ』(監督:岩田 ユキ)
  
携帯電話は登場せず、女子の制服のスカートは膝小僧が隠れるくらい長い!!
いじめも出てこないし、男女交際(古!)も清らかで初々しさに溢れている☆☆
○十年も昔、自分が高校生だったころを思い出してしまいました。(テヘ!)

秋元(榮倉奈々)と西(石田法嗣)の中学時代の淡い思い出…秋元はレモン味の愛用しているリップクリームで…あとはヒミツ)……「ありえね~!!!」って観ているほうが気恥ずかしくなるくらい初々しくて可愛いんだけど、高校になってからの秋元は西と同じ野球部のエース佐々木(柄本佑)と付き合い始めてしまうのです。

この微妙な三角関係と、音楽を通じて心を通わせる白田(谷村美月☆演技うまい!)と辻本(林直次郎☆演技ヘタだけど歌うまい!)の恋愛模様が交錯していきます…キラキラとまぶしいくらい5人が輝いていてとても素敵でした

欲を言えば、柄本佑と石田法嗣の配役が逆だった方がよかったかなぁ~?
柄本佑は、さわやか☆っというよりはちょっと怪しい雰囲気があるので、榮倉奈々と並ぶと少し違和感が…

でも、繊細で切ない気持ちをうまく表現している、私の好きな雰囲気が流れている愛おしい作品でした


★『ピアノの森』(監督:小島 正幸)


いくらコツコツ真面目に時間をかけて一生懸命努力しても、「素質」という、生まれつき備わっている、神様が選んだ者にだけ与えた才能には勝てないことがある…
悲しいけれど、それが現実です…

森の中に捨てられたピアノを友とし、貧しいけれど自由奔放に育った自然児カイの弾く、日本のコンクールレベルからはみ出してしまうほど天才的なピアノ演奏を聴き、有名ピアニストの父のもと、言われるまま英才教育を受け、自分もピアニストになることをめざしてひたすら練習に励んできた雨宮はショックを受け、強い劣等感を持つ…

我が家の娘Sも微力ながら、小学1年のときからピアノ、エレクトーンアンサンブル、オリジナル曲等、数々のコンクールに出場したので、才能あふれる出場者たちの素晴らしい演奏をたくさん聞かせてもらってきました…。

そういう、生まれつきの「素質」というものに恵まれている人たちを何人も見てきたので、ショックを受ける雨宮の気持ちがよ~く分かります。(といっても雨宮だって充分実力も才能も素質もある逸材なんですが…)
いったんカイの素質を見抜いてしまうと、いくら阿字野先生に「人と比べる必要はない」「もっと自分のピアノを好きになったほうがいい」…と言われてもちっとも慰めにはならないんだよねぇ。。。

そうそう、映画の中で流れるピアノ演奏…なんだかぶっきらぼうで唐突な弾き方でヘタだなぁ~~と思っていたら、最後のエンドロールでアシュケナージの演奏だったことが判明!!! 

アシュケナージを敵に回し、ええ度胸しとるじゃないか~!!と自分自身にドッキリしてしまった一瞬でした

娘Sのときのことをいろいろ思い出し、身につまされる場面も多く(Sはコンクールの前日によく熱を出し、下痢に苦しめられましたっけ…)、またモーツァルトとサリエリのことを思い出したりしながら、惹きこまれた作品でした。

★『善き人のためのソナタ』(監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク)

最後に意外なサプライズが隠されていて救いがあり、後味の良い作品に仕上がっているのですが、観終わった後一番に思ったのは、「ちょっと甘すぎるんじゃないかなぁ~!」という疑念でした。

旧東ドイツで、共産主義体制を保持するための恐ろしい秘密組織「シュタージ」の忠実なしもべとして、(多分)罪のない一般市民に非人道的な尋問を繰り返し、それに何の疑問も持たずに長年生きてきたヴィースラー…

そんな彼が、劇作家ドライマン、その恋人クリスタや友人たちの会話、奏でる音楽を盗聴するうち、彼らの自由な思想や美しい音楽に触れ、あれほど信奉していたシュタージの任務を捨て、彼らのために陰ながら協力さえするようになるのですが…

おそらく数えきれないほど多くの一般市民の生活を監視し、罪のない人々を牢獄へ送り込んできたであろうヴィースラーが、なぜ急にそんなに人間的な感情を取り戻したのかが少し納得できなかったのです…

おそらくシュタージ内部の腐敗を感じ取り、自分が信じてきたものに対する不信感がつのっていたこともあるのでしょうが…

題名にもなっているピアノソナタも、私にとってはそれほど印象深い音楽には聴こえなかったため、ヴィースラーのほほを伝わる涙を見ても、「???…」だったのです…(私の感性が鈍いと言われたらそれまでですが…

ユダヤ人ピアニスト・シュピルマンの回想録をもとに制作された映画『戦場のピアニスト』にはかなりの衝撃と同時に深い感銘を覚えましたが、強制移住や大量殺戮の恐怖を生き延びたシュピルマンを最後に救ったのは、ドイツ軍将校ヴィルム・ホーゼンフェルトでした…

戦後シュピルマンは、ホーゼンフェルト大尉を探し出し、なんとか助けようと尽力したけれど、結局ホーゼンフェルトはソヴィエトの戦犯捕虜収容所で死ぬのです…

ヴィースラーにしろホーゼンフェルトにしろ、1人の人間を救ったからと言って、それまでの大罪がすべて払拭されてしまうわけではない…ヴィースラー自身の心は最後に救われただろうけれど、彼の後ろには、彼によって人生を狂わされてしまった多数の犠牲者がいる…と考えてしまい、この作品の最後に素直に感動できなかった、ちょっとへそ曲がりな私なのでした。

『PEACE BED』(監督:デヴィッド・リーフ&ジョン・シャインフェルド)

2007-12-29 23:21:44 | 映画・テレビ

久しぶりにシネマクレールのレイトショー(20時45分~)に出かけた。

あのジョン・レノンについて描いたドキュメンタリー『PEACE BED』。

特にビートルズの歌が好きなわけではなかった私にとって、ジョン・レノンといえばビートルズの一員で、オノ・ヨーコと再婚して1人息子を儲けたが、若くして狂信的なファンによる銃弾に倒れたミュージシャン…という程度の知識しか持ち合わせていなかった。。。(昔愛読していた音楽雑誌にジョンとヨーコがベッドに横たわる写真や、2人が世界の指導者たちに「どんぐり」を送って平和を訴えた記事等が掲載されていたのは今でもよく覚えているけれど)…


今回この作品を観て、2人がこれほどまでに深く反戦運動に関わっていたこと、60~70年代の不穏な時代を生きる若者たちに強く反戦を呼びかけていたこと、さらにその影響力の大きさを脅威に感じたニクソン政権から、身の危険を感じるほどの圧力をかけられていた(電話はすべて盗聴され、外出する際はいつもFBIに監視されていた)にもかかわらず、命を張って時代を動かすために自分たちの信念を曲げず行動していた事実を知り、ただただ驚愕した。


ホワイトハウスを取り巻く反戦デモ参加者たちが口ずさんでいたのはジョンが作った曲(Give Peace A Chance)であり、マリアナ2本で懲役10年の刑を言い渡された反体制活動家ジョン・シンクレアを助けるための集会で「ジョン・シンクレア」を歌い上げ、次の日に彼を釈放するまでに世論を動かした2人の影響力…。ニクソン政権が、理不尽な国外退去命令を出してまで2人を追い出そうとしたのは、このカリスマ的な影響力を心底恐れたからに違いない。


マスコミの前で雄弁に発言し論争するジョン…その横には、寡黙ではあるがいつも真摯な眼差しでピッタリ寄り添い、夫を支えるヨーコの姿があった。


ビートルズが解散したのは彼女のせい…と悪く言われたりもしたけれど、この作品の中に登場するヨーコは私から見ても不思議な魅力に溢れていて(意志の強そうな黒くて太い眉、ヒッピー風スタイルの黒髪が印象的!)、ジョンがヨーコを、妻として同志としてどれほど頼りにしていたかは想像するに難くない。(2人の結婚生活で、どちらが先に新聞を読むかが問題になった際、新聞を2部とることで解決した…というエピソードを昔、何かの雑誌で読み、さすが~と感心したことがあったが、ヨーコの存在は対等か、きっとそれ以上だったのでは??)


場面ごとに当時の心境、状況についてインタビューに答える現在のヨーコは、年をとったとはいえ、知的な目の輝きは今も健在だ。


少し前に彼女について書かれた本が出版されたのを雑誌で読み、興味を惹かれたのだが、そのままになってしまっていた。


この映画を観て、改めてオノ・ヨーコという女性についてもっと知りたいという気持ちになった。彼女に関する本を探して読んでみようと思う。


クリスマスの時期になると必ずラジオから流れてくるジョンの名曲「ハッピー・クリスマス」…子ども達のコーラスが入っていて可愛くて覚えやすくて、単純にいい曲だな~と思って聴いていたのだが、この曲に「WAR IS OVER IF YOU WANT IT 」とい力強い反戦のメッセージが込められていたことを今回初めて知った。。。(英語が聞き取れてなかったってことですね…お恥ずかしい


今度聴くときには、全く違った気持ちでこの曲に接することになりそうだ。


『パンズ・ラビリンス』(監督:ギレルモ・デル・トロ)

2007-10-30 23:39:04 | 映画・テレビ

夫の頭痛も治まり(一過性のものでした。ご心配をおかけしました!)ホッと一安心したので、月曜日の夜はさっそくシネマクレールのレイトショーに出かけた。


20時45分から上映された『パンズ・ラビリンス』!!

何の予備知識も持たず、チラシに書かれていた「驚くべき作品」「美しい。わくわくした」…等の文字に惹かれ、大人のファンタジーかぁ~どんなんだろ~?…くらいの軽いノリで観にいったのだが…。。。。。。


娘Tを一緒に連れていかなくてホントによかった!…(PG-12でしたけど)


ハリーポッターを観るような気分で行くと、どんな目にあうか保障できない!!…それくらい衝撃的でダークな作品で、観終わった後(夜の11時)、駐車場までの道を、あまりに重い余韻のため、なかなか現実の世界に戻れず、フラフラ・クラクラしながら歩いた…


この映画についてなんと形容してよいものやら…


「美しい」?…確かに美しいけれど、おどろおどろしくて胸が悪くなる美しさ…


「わくわくする」?…というより、私は最初の10分で、ものすごい不安感にとりつかれ、今に何か悪いことが起きるぞ、起きるぞ…という底知れぬ恐怖感からずっと逃れられなかった…


あまりに残酷なシーンに絶えられず、目を閉じ、耳をふさいだことも1度や2度ではない…


時代は1944年スペイン…


独裁者フランコ将軍が築き上げたファシズム体制に対し、人民戦線の残党たち?が必死の抵抗を続けている…

主人公の少女オフェリアは、本が大好きな11歳の少女…
未亡人だった母親が冷酷無比な大尉と再婚したため、危険な戦地へ臨月の母親と共に連れてこられる…


武器、食料の面からも圧倒的に不利な状況の中、死を省みず勇敢に戦う人民軍に対し、残虐非道な大尉!(誤って捕らえた無実の農民をも無慈悲に強殺し、すでに死んでいる兵士に執拗に何発もの弾丸を撃ち込む異様さ…)


私は、自由を求め、ファシズムに抵抗して命を落としていくレジスタンス運動に関わった人たちを描いた映画を観るたび、胸が張り裂けそうになる…


20代のころ、高田の馬場のビルの1室にあったACTシアター(今もまだあるのかな?)で観た、ロベルト・ロッセリーニ監督の『無防備都市』やアンジェイ・ワイダ監督の『地下水道』…(今でもその鮮烈なシーンを思い出す…)

イングリッド・バーグマンとゲイリー・クーパーが出演した『誰が為に鐘は鳴る』…(号泣した!)


当時小学校5年だった娘Sを連れて観にいき、Sが今でも一番好きな映画と言い切る、フェルナンド・フェルナン・ゴメス主演の『蝶の舌』…(抵抗運動ではないけどね…)


抵抗運動に関わる活動家たちは、たいてい強力な軍事力を保持するファシスト軍に捕らえられ、拷問されたり惨殺されたりするので、今回も、フランコ軍の下女として働く人民軍のスパイ・メルセデス(少女オフェリアの良き理解者・この作品での演技はとても印象深い…)や、誠実で内に真の強さを秘めた温厚な医師がいつ捕まえられてひどい目に遭わされるのか、心配で心配で、ずっと緊張しながら見守ることになった…(実際、メルセデスは窮地を救われホッとしたのだが、予想外の受け入れがたい、あまりに悲しい結末が待っていた!!!)


義父に対する言い知れぬ恐怖、嫌悪感…死と隣り合わせの危険な外の世界…そんな悲惨な現実から逃れるため、オフェリアはファンタジーの世界へと身を投じていく…


迷宮の守護神「パン」に言われるまま、3つの試練に立ち向かうオフェリア…
次々と現れるグロテスクな化け物たち…

2つ目の試練の際、妖精たちはなぜオフェリアに誤った鍵穴を示したのか??
何も食べるな、飲むなとあれほど忠告されていたのに、オフェリアはなぜ葡萄を口にしてしまったのか…
メルセデスはなぜ、大尉を殺さなかったのか??
オフェリアは、大尉の酒のグラスに何かの薬をたらしたはずなのに、何の効果も表れなかったのはなぜか??

いくつか疑問に思うこともあったけれど、その裏には何か深いものが隠されているような気もする…


ファシズムに対し、自由を求める大人たちが武器を持って立ち向かっていたちょうどそのとき…多感な思春期を迎えた1人の少女は、極限状態の中、迫り来る巨大な力と必死に向き合いながらファンタジーの世界に身を起き、そこでの試練に立ち向かうという、彼女に出来る精一杯の方法で、このファシズムという巨悪に抵抗し、健気に闘っていた!!


とにかくこの作品はものすごいインパクトがあった!
1日経ってもまだ頭の中では、いろんな場面がフラッシュバックしているし、あの場面はどういう意味があったのだろうか…?と思い巡らしたりしている…

でもでも、どうかグロテスクな生き物たちが、夢の中にまでは出てきませんように… 

 


『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』(監督:シドニー・ポラック)

2007-10-12 23:20:03 | 映画・テレビ

遊び心たっぷりの奇抜な作品で知られるトロント生まれの建築家、フランク・ゲーリーのドキュメンタリーを観ました。撮ったのは彼の親友であるシドニー・ポラック。


建築について詳しいわけではないので、フランク・ゲーリーの名前を知ったのも、作品を見たのも初めて。。。
 でも、次々と登場する作品を見て、ぶったまげましたよ!!


建築物といえば、地面に対して垂直に建っているものという常識が見事に覆されてしまいました!…な~んかゆがんでます~!! (笑)
建物というよりは、SFっぽい宇宙からやってきた巨大な宇宙船みたいだったり…(作品はココを見てね!)


最初、彼の作品は funny だとか weird だとか stupid-looking だとか言われたようですが、「変に見えるところがいいんだ!」 と開き直ってからは独創的な作品を次々と造り上げていきます。


まず最初の模型は、若手助手と、厚紙をテキトーにジョキジョキ切ったり、セロテープでペタペタ貼ったりして作られるのですが…なっなんだそれ~!?まるで小学生の工作じゃないか~!!
 それに設計図なんてとても設計図といえるような代物じゃあないよ~!(抽象画っぽい殴り書きのような…でも、うまいです!)


こんな風に一見テキトーに、自由奔放に考え出されたかのように見えるカタチが、パソコンに取り込まれることによって、緻密に計算された、「奇抜でも見事に秩序を保っている」作品へと実体化されていくのです!!


どれも独特のカタチで、SFの世界に登場する宇宙都市に似合いそうな建物なのだけれど、やっぱりスペインのグッゲンハイム美術館が一番圧巻ですね!
いつの日か、実物をこの目で見て、中へ入ってみたいな…☆


彼自身から、子どものころの思い出(おばあちゃんと木くずで町を作って遊んだ話)、若いころ運転手をしていた話など語られるのですが、「ユダヤ人としてたたかっていた」ころのこと、奥さんや子どもさんとのこと(うまくいかなくなり離婚し、別の女性と再婚した?)、セラピーに通うようになったいきさつなど、サラッと語られただけだったので、天才建築家として貫禄を備えた現在の姿ばかりでなく、若かりしころの苦悩した時代の話をもうちょっとじっくり聞きたかった気もしました。


でも、才能ある芸術家(フランク・ゲーリーも建築家というよりアーチストという感じです)の作品の創作過程を観ることができてワクワクし、新鮮な幸福感に浸ることができました☆


先週の癒し系は…

2007-09-23 23:45:22 | 映画・テレビ
先週は、映画『殯の森』『天然コケッコー』を観に行きました。

どちらもとても好きな作品だったので、もう一度観にいこう!と思っていたのに、残業続きで夜抜け出せず、『殯の森』は上映を終了してしまいました。残念!

『天然コケッコー』は、まだ1日1回の上映が残っていたので、今日娘Tを連れてシネマクレールで2回目を観てきました。
 
もちろん原作がとても素晴らしいのですが、映画の方も映画独自の解釈と思われる表現があって、こちらはこちらで納得のできる、うまくまとまった素晴らしい作品に仕上がっていました。

いつも7人一緒に行動する兄弟姉妹のような子ども達、「いってかえりまーす!」「いってきんさい」…という祖父母のいる家族のぬくもり、東京からやってきた一見クールな大沢君がさりげなく見せる優しさ、素朴で生徒思いの暖かい先生たち…これが本当にあの『バカの箱舟』や『松ヶ根乱射事件』を撮った山下監督の作品なの??!!っと思うくらい爽やかさ100パーセントの純粋な映画なのでした☆

 出演者たちはみんなはまり役で、特に子役たちは可愛いだけでなく、微妙な人間関係も見事に表現していたんだけれど、その中でも最年少のさっちゃんには、ほんと癒されました☆…おしっこをもらして片足を犬みたいに持ち上げられるさっちゃん☆、膀胱炎の件で落ち込んで見舞いに来たそよのほっぺたをスイカでこするさっちゃん☆、そよのバレンタインデーのチョコが貧相で、一瞬場が凍りついたとき、「そよちゃん、愛がないん?」とだめ押しするさっちゃん☆、なわとびの二重跳びを20回跳ぶことだと思っているさっちゃん☆、1人で、おいしいジュースやさんごっこをするさっちゃん☆…さっちゃんが画面に現れるたび、心が和むのでした。。。

そよ達女の子がみんな自分のことを「わし」と言い、男言葉の方言を使うのも、とても自然でかわいらしい。。。大沢くんの坊主頭も初々しかった~☆☆

それから先週癒されたものがもう一つあります。

五十嵐大介さんの『カボチャの冒険』です。
 いつも読んでいる雑誌に小さく紹介されていたのを見て、その表紙の絵に魅かれて買ってみました。
東北の山の中で自給自足の生活をしている五十嵐さんが、猫のカボチャとの何気ない日々の出来事を描いているのだけれど、特に事件が起こるわけでもないのに、本能の赴くまま、サワガニ、ネズミや鳥を捕まえてきて食べちゃうカボチャの様子、作者の気を引こうと屋根の上に登り、わざと降りられないふりをしてニャーニャー鳴くカボチャと作者とのかけ引き…甘やかさないぞ!と言いながら、ちゃっかりカボチャのペースに巻き込まれている作者のあったかい優しさが、1コマ1コマ丁寧に描かれた絵からあふれ出ていて、とても安らかな気持ちになれます。
 随分むかしに『What's Michael?』っていう猫のコミックがはやり、猫のしぐさやギャグに大笑いした記憶があるのですが、この『カボチャの冒険』もカボチャの気ままに生きる表情やしぐさに思わず頬がゆるんでしまいます!

作者の五十嵐さんってきっと自分にも人にも(猫にも?)誠実で、宮沢賢治のような心を持った人なんじゃないかなぁ~って思っています☆
この本意外にもいろいろ出版されているようなので、他の作品も読んでみようと思います。

映画2本

2007-09-09 23:53:04 | 映画・テレビ
先週観た映画は『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(監督:吉田大八)と『絶対の愛』(監督:キム・ギドク)。


★『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

佐藤江梨子、佐津川愛美、永作博美の怪演におののき、そのブラックユーモアを堪能させてもらった!女優3人の凄みのある存在感に対し、永瀬正敏は演技が真面目すぎてちょっとつまらなかったけどね…。(佐藤江梨子との関係だって、血はつながってないんだから、そんなに思いつめるほどの重圧感は必然性がないように思えたんだけど…)
岡山市デジタルミュージアムで、7月から8月にかけて明和電機のナンセンス=マシーンズ展2007をやっていて、その、役に立たない物作りにかける遊び心がとても面白かったのですが、その明和電機の社長さんが映画監督役でちょこっと出演しておられました!笑ってしまいました!

★『絶対の愛』

同じキム・ギドク監督の「うつせみ」が静謐な作品だったのに比べ、主人公の女性が、愛情の強さゆえ激情をほとばしらせ、嫉妬のあまり恋人を人前で大声でなじり、道端で泣き叫び…!ここまで人を愛せるのか…と思うほど感情を溢れさせた驚愕のシーンが繰り広げられる…。
 恋人が整形し、別人となって自分の前に現れていたことにショックを受けた男は、自分も整形し、彼女の前から姿を消してしまう…半年後、恋人を捜し求めていた女の前についに彼が現れるが…その後が…あまりに衝撃的で…!!何もかもが無に帰してしまう、今までの2人の想いも苦悩もすべてが…。。。何のためにここまでして生きてきたのか…衝撃のラストへと上り詰めていくのです!!
 整形外科医の先生が、異様に存在感があって、手術に対しても患者に考え直す猶予を与える良心があったのに、最後の展開はちょっと唐突な気がしたな…。
2人が何度も訪れる海辺の彫刻公園は作品がグロテスクだけど、行ってみたい気持ちになる素敵な空間でしたね…。

どちらも、女性の恐ろしいほどの逞しさ、強烈なパワーを放つ異色の作品で見ごたえがありましたよ~!!




原爆に関する2つの映画

2007-08-20 23:33:07 | 映画・テレビ
8月が来るたび、各メディアでは様々な戦争特集が組まれますね。
シネマクレールでもこの8月、原爆を題材にした映画が2本公開されています。

『夕凪の街 桜の国』(監督:佐々部清)と『ヒロシマ ナガサキ』(監督:スティーヴン・オカザキ)です。

私の中でも、「この2本はどうしても観ておかなくちゃいけない!!」という思いがあり、つらくなりそうな予感を胸に映画館へ足を運びました。

★『夕凪の街 桜の国』(監督:佐々部清)
 
 別の映画を観にいった際、この映画の予告編が流れ、麻生久美子さんの儚げな美しさと「うちはこの世におってもえんかね…」という切ない台詞(だったと思う)等に胸を打たれ、短い予告編なのに涙がボロボロ出てきて…よ~し!絶対に観よう~!と上映を待ち望んでいた作品でした。
 
 麻生久美子さんと吉沢悠さんの初々しくて微笑ましいカップルも良かったし、現代っ子すぎるかな…と懸念していた田中麗奈さんも、母親と祖母を亡くし、自らの被爆のルーツに一抹の不安を抱きながら生きる繊細さをうまく表現していたし…
 田中麗奈さんの母親役で粟田麗さんが出演していたのも、とってもうれしかったし…(「東京兄弟」の粟田麗さん、素敵でしたよね!!)

それなのに、ああそれなのに…結論から言うと、「なぁ~んか違う。。期待していたのとどこか違う。。」…と首をかしげながら映画館を後にするはめになってしまいました…。
 
確かにじわ~っとくる場面はたくさんあったのですが、全然涙が出てきません…
専門的なことはよくわからないのですが、感動の場面の映し方がな~んかダサイ!(死語)
あまりにベタな演出にシラ~ッとすることも…。皆美が亡くなる場面等も、延々と長時間映すので間延びしてしまい、演技のあらが見えてしまって感動できない…
 最後に、田中麗奈が父母の若い時代の映像に入り込み、父母の姿をそっと見守っているシーンもなぜか違和感を感じてしまったし…

それに別の視点なんですけど~
 「伊崎充則」→「堺 正章」は、まあ許せるとしても
 「吉沢 悠」→「田山諒成」は やめて欲しかった~見たくなかった~!!
 (おまけに伊崎充則さんを、「バーバー吉野」に出ていた石田法嗣くんだとばかり思っていた!…とっても似てると思うんだけど…私だけ??)

この作品を市川準監督が撮ったらどうだっただろう…?、あるいは河瀬直美監督だったら…?? 原作が好きだっただけに、ちょっと残念な気がしました…。

★『ヒロシマ ナガサキ』(監督:スティーヴン・オカザキ)
 そしてもう1本は、日系3世のスティーヴン・オカザキ監督が、25年の歳月をかけ、500人以上の被爆者に会い、完成させたドキュメンタリー「ヒロシマ ナガサキ」です。

今まで、テレビや映画で戦争や原爆に関する作品は数多く見てきたし、広島や長崎の原爆資料館にも出向いたことがあります…でも、この作品はこれまでに観たどの作品よりも強く、激しく、生々しく、原爆投下がもたらした恐ろしい悲劇を私に訴えかけてきました!!
 …それはもう、正直自分が情けなかったのですが、途中で動悸が激しくなり吐き気が襲ってきて、ふがいないと思いながらも、目を閉じることでようやくその場を持ちこたえたほどの衝撃でした!(本当に本当に申し訳ありません!!)
 若き日の、あるいは幼いころの写真を胸にカメラの前に佇む被爆者の方たち…現在の年老いた、ケロイドでゆがんだ顔立ちの中に、その写真の面影を見出したとき、50年という歳月を、どれだけの苦しみと共に生きてこられたのか…その勇気、その強さに、畏敬の念を抱かずにはいられませんでした。
 
 「原爆の投下によって、戦争終結が早まり、日米両国の多くの命を救った」と、自らの行為を頑なに正当化するアメリカ…(アメリカの教科書にもそう書かれているらしい…)
 アジアの一小国である日本など、原爆の威力を確かめるための実験材料としか思われていなかったに違いないし、(1発でも充分であったろうに、2発も落とした!!)そこにはアジア人に対する人種差別が厳然として存在していたとも思われるし(白人国家ドイツには原爆を落とさなかったですからね、ベトナムやイラクに対しても同じ人間だと思っていないのでは…?)、原爆を2発も落としておいて、そのせいで酷い姿になった原爆乙女たち(25名)を治療と称して米国に招待してくれても、そんな態度は偽善としか思えなかったし…私が昔から、なんとなくアメリカという国が好きになれないのは、こういうアメリカの優越意識や偽善的態度が鼻につくからかもしれない…

それでもこの映画が、そんなアメリカのテレビでも放映されるらしい…

カメラの前で、思い出したくなかったであろう、想像を絶する今までの体験を語り、服を脱いで、やけどでひきつった傷跡を見せてくださった被爆者の方たち…どれほどつらかったことでしょう…勇気を出して話してくださったこと…本当にありがとうございました!! 皆さんの勇気が日本とアメリカの原爆投下に対する、決して越えることのできなかった深い溝を埋めるきっかけになるかもしれません…

皆さんが話してくださったことを私も決して忘れないし、周りの人たちにも伝えていきたいと思っています。

夏休みの映画

2007-08-15 23:34:55 | 映画・テレビ
仕事が夏休みになり、時間を作っては映画館へ足を運んでいます。

最近観た映画は
「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」
「フランドル」
「キサラギ」
「河童のクゥと夏休み」です。


★「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」(監督:デヴィッド・イェーツ)
 話題作ですからね!娘Tのリクエストに答えて劇場へ。でも原作を読んでいないし、前作も観たけれど登場人物名等よく覚えていないため、ストーリー展開および激変する場面展開になかなかついていけない~!ハリーのキスシーンもなんだかとってつけたかのよう…ま、ファンサービスなんでしょうか?…でもハリーの精神的な成長がすばらしく、大きくなったなぁ~としみじみ…。

★「フランドル」(監督:ブリュノ・デュモン)
 この作品は観終わった後もしばらく頭から離れませんでした…衝撃的な場面も多かったのですが、今現在イラクで、アフガニスタンで、同じような(もっと恐ろしい?)悲劇が至る所で起こっているに違いない…と連想してしまったからかもしれません。
 荒涼とした人気のない広大な農村地帯…(こんなところで殺人事件が起きても、何ヶ月も誰にも知られないんじゃないか、と思うくらい寂しい村…)、この村の若者たちが、変わり映えのしない退屈な日常から逃れるかのように、戦場へと赴いていく…しかし、そこで待ち受けていたのは、人間性が蝕まれていく凄惨な地獄の戦場!
 恐ろしい場面が続くのですが、アメリカ映画のように、緊張感を高めていって高まったところで事件が起こる…という撮り方ではなく、淡々と、すぐ目の前で、何かを考える余裕もなく、あっけなく事件が起きては過ぎ去っていくのです…(日常的に人が死んでいきます) 
 そして、次々と仲間が殺されていく修羅場を経験するうち、人間としての尊厳をも失っていく男友達の苦しみを、遠く離れた故郷の村ですべて感じとり、受けとめ共有し、それゆえに精神を病んでいく少女バルブ…最初はただのふしだらな女の子にしか見えなかったバルブが、聖なるもの、すべてを包み込み赦す「母なる存在」に思えてくるラストが秀逸でした。

★「キサラギ」(監督:佐藤祐市)
 脚本がうまいですね!どんでん返しに次ぐどんでん返し!
えっ!そうだったの~?うっそ~!?…と意外な展開に驚かされっぱなし!
くすくす笑っていたのに、小栗旬のファンレターの件では不覚にも泣いてしまったし…。最後の、ミキちゃんの歌に合わせて5人が踊る応援ダンス(?)がとっても楽しくて好きでした。最後の最後に宍戸錠さんが出てきたシーンは、(そこまでサービスしなくても、もう充分では…?)と思っちゃいましたけどね。

★「河童のクゥと夏休み」(監督:原 恵一)
  夏休みの映画で一押しなのは、実はこの映画なのです☆
 
 テレビで流れていたCMを見て娘Tが観たい!とせがむので、岡山県で唯一上映しているMOVIX倉敷のモーニングショー(朝8時25分から!)を観るため、朝5時半に起きて、電車とバスを乗り継いで出かけたのですが(私、車の運転苦手なんです(~_~;))やぁ~行った甲斐があったわ~!
 子供向けのアニメ、と思っていたら見事に裏切られ、細部に渡って神経が行き届いた上質の脚本に、大人も子どもも感動させられたのでした。

 うまいなぁ~と思ったところは…
・主人公康一の妹、瞳が(最初の出会いが良くなかったからか?)ずーっとクゥを敵対視し、意地悪をするのだけれど(このへんの、やり場のない反抗心が健気!)、クゥとの別れの日、「今度いつ来るの?」と言って泣く場面…
 クゥからもらったガラスのかけらを、ソファーの隙間に隠しているところ…  (お母さんに「そんなところに物を入れるのやめなさ~い」と言われてました

・康一が、クゥの仲間を捜しにクゥと2人?だけで遠野へ行くことになるのですが、息子を玄関先で見送った母親が、さっさと行ってしまった息子に対し「振り向きもしない…」とつぶやき涙ぐみ、父親に八つ当たりする場面(うんうん、わかるわかる!)

・遠野で見つけた清流で、康一とクゥが一緒に泳ぐシーン!(クゥの本来の姿はこうなんだよ~と強く心に響く場面です!…ガムラン音楽もとても心地よい!)

・クゥの存在がしだいに隠せなくなり、ワイドショーのレポーター、新聞雑誌の記者たちに自宅の周りを取り囲まれ大騒ぎになっているのに、家の中で自分の映っているワイドショー番組を見て「ふけて見えるわ~」と呑気にテレビ映りを気にしているお母さんには笑ってしまったけれど、「俺のせいで、友佳里(お母さん)がふけちまった…」とつぶやくクゥには大爆笑!! 

・康一が好きな女の子(菊池)に対して、「バ~カ!」とか「ブ~ス!」とか言ってしまうところ…(ほんとに小学生の男子ってアホですよね!)
(菊池はクラスの女の子たちから陰湿なイジメを受けても決してやり返さない…)
 康一と菊池が一緒に歩いているところをクラスの男子グループがからかい、あまりにひどいイジメに怒りをこらえきれなくなった康一が、初めて相手に手を出し、クゥとの相撲の成果でけんかに勝つのですが、「初めてケンカをした」と打ち明ける康一に対し、菊池は「しない方がいいよ…」とつぶやくのです…

・引越しを明日に控えた菊池にクゥを一目会わせようと、康一が菊池のマンションを訪ねた際、「1人なの?」と訪ねる康一に対し菊池は首を横にふり、玄関に置かれた男物の靴を見せる…
 康一、クゥと菊池が本当に心を通わすことができた後、菊池はその靴を、マンションの廊下の手すりから下へと捨て去るのです…
 その靴を置いておくことで、自分を守ってきた菊池が、自分の居場所が見つけられなくて、心細さと闘ってきた菊池が、やっと自分の存在を肯定的に受け止めることができたのかなと…とても印象深いシーンでした!

 他にも、クゥとクゥの父親との胸が詰まるほどつらいシーンもあるけれど、康一のお母さんが、クゥの大事な「それ」を入れる袋を縫ってやることで、なんだか救われた気持ちになりました。

 うん、素敵な名場面が満載の「河童のクゥと夏休み」オススメで~す!

『選挙』(監督:想田 和弘)

2007-07-14 01:19:56 | 映画・テレビ

久しぶりにシネマクレールに出かけました。
今日観たのは、想田和弘監督がたった1人で撮影・編集を手がけた映画『選挙』です。
今日(7月13日 20:45~)がシネマクレールでの最終上映だったからか、レイトショーにしては観客が多く(40人くらい?)、家事もそこそこに飛び出し、ぎりぎり3分前に到着した私は前から2列目で画面を見上げるはめになりました。

監督は、東大の同級生だった山内和彦さん(といっても彼はほとんど大学に顔を見せなかったらしい…)が自民党公認で、縁もゆかりもない川崎市宮前区の市会議員の補欠選挙に出馬するときき、自由気ままな異色の東大生だった山内さんと自民党とのミスマッチに興味が湧き、今回の撮影となったらしい…

確かに一般的な東大卒のイメージからすると、出世街道から大きくはずれていると思われる山内さん!(切手コイン商ということですが…)…古そうな軽四自動車で出勤し、今まで持ってもいなかった背広に身を包み、自民党先輩議員、事務所の責任者たちに頭の下げ方、演説のしかた、握手のしかた等、怒られまくりながら投票日まで怒涛のような日々を駆け抜けて行くのです!!

先輩議員たち(県議会議員の持田文男さんや衆議院議員の山際大志郎さん)の堂々とした演説や自信に溢れた物腰(ちょっと鼻につきますけどね!)と比べ、いかにも頼りなく、軽そ~で胡散臭さを隠し切れない山内さん!
 そんな山内さんが苦戦しながらも結果的に勝利を収める事ができたのは、これはもう自民党の強力な組織力以外の何ものでもありません。
(個人的に言わせてもらえば、地元で地道な福祉活動に20年以上携わっておられる民主党の女性候補者が当選した方が、よっぽど川崎市のためになると思っちゃいましたけどね!)

朝のラッシュ時、駅のホームにあふれたお客を駅員さんたちが次々に駆けつけて来てギューギュー押し込んでいるシーンをはじめ、選挙戦を通じて繰り広げられる舞台裏とか…当事者たちにとっては大真面目で、一生懸命なんだろうけれど、一歩退いて改めて見てみると、とっても滑稽で、苦笑するしかないですね~。。。

選挙では今時「妻」という言葉が禁止なのもビックリです!! ひたすら「家内」として、有給休暇をとって「主人」の選挙運動を手伝った山内さゆりさん!!…知的でしっかり者で、和彦さんよりよっぽど仕事ができそう!…そんなさゆりさんが事務所の人たちに、「仕事をやめて主人を支えろ」と言われ、怒りをあらわにするシーンには大いに共感!!…最後、当選確定後に選挙事務所に現れたさゆりさんの疲れ果てた笑顔のかけらもない表情…あのボロボロになったさゆりさんの表情に今回の選挙のすべてが集約されていたように思いました。。。


結局、山内和彦さんは次の選挙には出馬せず、今は主夫をしておられるとか…さゆりさん、仕事辞めなくてホントによかったね!! 
それにしても、なぜ山内和彦さんは自民党から立候補したのか、未だに疑問が残りますけどね・?・?

そうそう、実は今夜の上映中、中盤で画面が真っ暗になってしまい、映画が中断してしまったのですよ~! プロジェクターのランプが汚れていて交換したようです。20分くらい待たされて、お客さんもかなり怒っていましたが…こんなこともあるんですね~!帰宅時刻が遅くなってしまいましたけど、最後まで鑑賞できたから、まっ良しとしましょう。

おりしも現在、7月29日の参議院議員選挙に向けて、選挙運動の真っ最中!!
我が家の近所にも選挙カーが連日やって来て、ウグイス嬢が候補者の名前を連呼しています!ウグイス嬢のアナウンスもよく聞いていると「天下分け目の戦い!」だとか、ちょっとお愛想をしただけの道端の人にも「素敵な笑顔で心よりご声援くださり…」だとか、かなり笑えますよね! 映画「選挙」を観てから舞台裏が想像できて、ますます笑えるようになってしまいました!

とりあえず、29日は楽しく選挙に行こうと思っています☆


今週のシネマクレール

2007-06-24 23:36:07 | 映画・テレビ

今週もシネマクレールのレイトショーに通いました。

観た作品は、新海誠監督のアニメ『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』と山下敦弘監督の『松ヶ根乱射事件』です。

新海監督のことは何の予備知識もなく、ただチラシを見て繊細なイメージだったのでちょっと観たくなって出かけました。
 新海監督の2作品を観て感じたのは、「男の人って、思春期に出逢い、刻み込まれてしまった深い想いからは、いつまでもいつまでも抜けきれず、逃れられないんだなぁ~…」ってこと…。

何を隠そう!私はその被害者だからね~。。。

私の前夫は、死ぬほど好きだったのに些細な行き違いで別れてしまった中学時代の初恋の女性から17年ぶりに手紙を受け取り、一気に想いが再燃し、当時1歳だった娘Sと私を捨ててその女性と一緒になってしまいました…。

ズタズタに傷ついて娘をつれて実家にもどった私は、それから随分つらい思いもしたけれど、その当時、それほどまでにお互いを大事だと思い、思春期の想いを今成就させようとしている2人のことが少しうらやましくもあったのです…。
私には思春期に、同じ時を共有し、そこまで心を通い合わせた大切な人はいなかったから…

今でも2人が、その当時と同じ気持ちを持ち続けて一緒に暮らしているのかどうかはわからないけれど…昔を思い出して、ちょっぴり複雑な気持ちで観てしまった2作品でした。

でも2作品とも、繊細で情感にあふれた、きゅ~とくる作品でした…
風景がかなり細かく丁寧に描き込んであってその美しさを堪能しました…
音楽もよかったんだけれど、『秒速5センチメートル』の山崎まさよしさんの主題歌は、私にはちょっと耳に強すぎて(あんなに大音響で流さなくてもいいのに~)じゃまだったですね。(スマン!)

『松ヶ根乱射事件』は山下監督の本領発揮!といった感じの、ある種異様で戦慄の場面続出の…でもどこかが変で、なぜか苦笑してしまう作品でした。

実際身近であんなことがあったら、家族崩壊!恐怖のどん底!一家心中!!…となってもおかしくないのに、いつのまにかそれぞれが、何事もなかったかのように日常にもどり、溶け込み、また日々の生活を続けているのです…。

ダメ親父を演じた三浦友和さん、酒やけしただらしない顔を見ているうちに、「アレ?この役者さんは三浦友和さんじゃなかったのかな?」「アレ?違う役者さんだったっけ?」と悩んでしまうくらい別人になりきっていて、いつもと違う驚きの名演技でした。

衝撃のラストシーンは、『バカのはこ船』のときと同じく思わず脱力し、次に笑が込み上げてきましたよ!「やられた~!!」って感じですね!

山下監督の次回作『天然コケッコー』もおもしろそう! 楽しみです!!


週末はシネマクレールへ…

2007-06-10 23:19:11 | 映画・テレビ

今週末(6月9・10日)はシネマクレールに通いました。

心に大きな不安があるときは、なかなか映画館に行く気持ちになれません。気分転換に映画館へ行く人もいるのでしょうが、私の場合、本当に落ち込んでいるときは映画館に出かける元気も出ず、映画の世界を楽しむ心の余裕もないので、そんなときは家の中でじ~~っとその不安感が時間の流れと共に小さくなっていくのを待つのです…

今週末はクリニックの先生の言葉で少し元気を取り戻し、精神的に少しゆとりができたのでシネマクレールへ出かけることができました。

土曜日は娘Tと一緒に国分太一さんが落語家を演じる「しゃべれどもしゃべれども」を観ました。
 浅草寺、ほうずき市、演芸ホール、水上バス…格子戸、打ち水…着流しがよく似合い、落語も見事に披露した国分太一さん、梅干をつける佇まいの美しい八千草薫さん…自分をうまく表現できなくてぶっきらぼうで仏頂面だった香里奈さんが最後に見せたピカピカの素敵な笑顔!…さわやかで後味の良い作品でした。

日曜日はTをジュニオケの練習場に送り込んだ後、「ロストロポーヴィチ 人生の祭典」を観ました。
この4月27日に逝去したロシアの巨匠ロストロポーヴィチ氏のドキュメンタリー作品…のはずなのですが、どちらかといえば、ロストロポーヴィチ氏よりも奥さんのガリーナさんに重点を置いて構成されていたような気がします…。
 偉大なチェリストである一方、人権活動や慈善活動にも力を注いだロストロポーヴィチ氏なのに、そういった思想面がほとんど描かれていなかったのがちょっと残念でした。(ロシア映画だから??)
 豪華で贅沢を極めた夫妻の金婚式(列席者の顔ぶれが尋常じゃあないよ!)を延々と映し出されても、「反体制派」だったころの話を聞きたかった私にとっては、ひどく違和感があり、な~んだかなぁ~という気持ちでした。
 ただ、氏のチェロを演奏する場面はさすがで、とても80歳とは思えない迫力ある姿に圧倒されました。個人的にも親しい小澤征爾氏が鼻メガネ(笑)で指揮し、2人が息の合った演奏をするシーンは最高の見せ場でした。小澤征爾氏の談話シーンとかもあったらよかったのにね!

どちらもそれぞれ個性的な作品だったので楽しんだのですが、上記2作品よりももっと心を揺さぶられたものがありました。

それは上映前に流された「夕凪の街 桜の国」の予告編でした!!

3年くらい前(?)に、こうの史代さんのマンガ「夕凪の街 桜の国」を読み、その静かな痛みを伴う美しさにじ~んとしたのですが、それが今回映画化されたようなのです。主人公の薄幸の女性を麻生久美子さんが演じていて、これがまた原作のイメージにピッタリで、切なくなるくらい美しい!!…バックに流れる叙情的な音楽にも煽られて、短い予告編なのに涙がドヒャ~とあふれてきました。隣に座っていたおばさんもメガネをはずして涙をふいていましたよ!こんなこと、初めてです!予告編でこんなに泣かされてしまったら本編では一体どうなるのでしょうか…!!!

ともあれ、今月は観たい映画が目白押しなので、必死で時間をこしらえてシネマクレールに通いそうな気がしています!

 


河瀬監督 おめでとう!!

2007-05-29 23:11:20 | 映画・テレビ

河瀬直美監督がカンヌで開かれていた「第60回カンヌ国際映画祭」でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞した!!

「萌の朱雀」「火垂」「沙羅双樹」「につつまれて」…河瀬監督の作品はどれも静かに深く心に沁みこんできて、映像も美しくて…素晴らしい感性を持った方だとずっと注目していた。

先日、劇団「維新派」を観に平城遷都際に出かけたら河瀬監督にお会いでき、直接お話して「殯の森」のサポーターになり、喜んで帰ったところだった。

監督のブログ を拝見すると、3歳になった「みつき」ちゃんの子育てをしながら、毎日仕事に家事に頑張っておられる様子がとても微笑ましくて、共感できて、素敵だなぁ~と思う。監督の作品の原点とも関わる「家族」への眼差しがとても暖かい…

「殯の森」…早く岡山でも上映してくれないかな~!っと思っていたら、29日午後8時からNHK衛星ハイビジョンで放送されてるじゃないか~!!
くぅ~! うちのテレビじゃ映りませ~ん!

日本国内よりも外国での評価の方が高い河瀬監督が、この受賞を機に国内でも注目されるのはうれしいけれど、今までの生活や姿勢を変えることなく、独自の世界観を持った作品をこれからも創り続けて欲しい… 本当におめでとうございました!!

 


『奈良美智との旅の記録』(監督:坂部康二)

2007-05-26 01:10:02 | 映画・テレビ

楽しみにしていた奈良さんの映画をやっと観ることができた。

奈良さんのことを知ったのは、もう随分前に、当時ドイツに留学していた奈良さんの日常を取材したNHKのドキュメンタリー番組を観たときからだ。そのころの奈良さんは孤独で寡黙な若者で、殺風景な寒々しいアパートにひっそりと息を潜めながら暮らし、研ぎ澄まされた感性で、あのつりあがった、にらみつけるような目の女の子の絵を描いていた。

そんな奈良さんがこの映画の中では別人のように穏やかな、優しさを湛えた目をしている。孤独を抱えながら「ひとりで作り続けてきた」奈良さんが、クリエイティブユニットgrafという最強の理解ある仲間たちを得、一人ではなし得なかったであろうユニークなインスタレーション作品を次々に創り上げていく。

絵を描く奈良さんの姿がとても素敵だ。
いろんな音楽をガンガン鳴らしながら(曲名がわかったのは「ある日突然」だけでしたけど…)、タバコをくわえ、壁に貼り付けた白いキャンバスに立ち向かう奈良さん…

パステルカラーで描かれていた輪郭が、幾重にも色を重ねていくうちに、いつのまにか深い海の底のような、無限に広がる宇宙のような深遠な愁いを帯びた大きな瞳の女の子の姿に変わっていく…
このpureな大きな瞳にまっすぐに見つめられると、ある種の宗教的な、敬虔な気持ちが呼び起こされる…(私だけかな?)

「昔描けなかったものが描けるようになった…」
「でも昔描けたものが描けなくなった…」

韓国で若い女性ファンに取り囲まれ、恥ずかしがりテレまくる奈良さん…
慕ってくれる韓国の7歳の女の子との出会いを大切にする奈良さん…

人との出会い、つながりを大事にすることは人間として大切なことだ。でも奈良さんはつぶやく…

「自分より人を大切にしているのはだめなんじゃないか…」
「もっとわがままになってもいいんじゃないか…」

…「いい人」であること、そして「芸術家」であること…この2つを両立することは簡単ではない。

こんなことを考えたのは奈良さんの経歴を見て、奈良さんが私の前夫の高校(青森の弘前高校)の同級生だと知ったからだ。

私の前夫は芸術家タイプで、平凡であることを忌み嫌い、敬語を使うことを拒否し、非凡な人間は常識を逸脱した行動をしても許される、またそうでなければ芸術作品など生まれないと公言する人だった。(モーツァルトとヘミングウェイをこよなく愛していた…)

「自分は小説家になって、後世に残る作品を書く」といつも夢を語ってくれた…でも結局夢はかなわず、今は某新聞社の学芸部で演劇や文学の記事を書いている。(元気にしてるか~!バカヤロ~!!!)

今でも彼が若いころの傲慢な芸術家思想を持ち続けているのかどうかは分からないが、奈良さんにとってもまた、「いい人」であろうとする自分と、純粋な「芸術家」であろうとする自分との葛藤に苦しむことは必然であり、避けては通れない道なのではないかと思ったりした。

grafの仲間たちが、でもきっとそんな奈良さんをそばで見守り、手を差し伸べ、そんなジレンマから救い出してくれる…そう願わずにはいられない。

 


『海より上 屋上より下』(監督:安井祥二)

2007-05-05 23:58:41 | 映画・テレビ
いよいよ安井監督の自主制作映画『海より上 屋上より下』の上映が天神山文化プラザで始まりました。


私も5月4日(金)・5日(土)と続けて2回観にいきました。4日(金)は夫と娘T、5日(土)は友人Kと娘T(作品が気に入ってもう1度観たいと言うので)を連れて行きました。

会場入口にはいつも安井監督がいて、知り合いの方が来られるたびに挨拶されており、私たちが行ったときもいろいろ話しに来てくださいました。いつものラフな格好ではなく、黒のスーツをビシッと着こなしてカッコイイ安井監督です。ちょうど助監督の土居さんも来られたので写真を撮らせてもらいました。
 土居さん、すっかりキレイになられましたね!私たちが参加した撮影現場ではいつも穏やかできびきびとよく動き、的確に指示を出し…素敵だな~と密かに感心しながら見ていました。

映画の方は「このシーンはちょっと唐突すぎるかも~」「セリフがうまく聞き取れないな~」「ここには音楽を入れてほしいな~」…など等感じるところもあったけれど、何のバックもない安井監督が、いろんな人々と出会うことで一歩一歩人脈を創り上げていき、ついには大勢の人々の協力のもと、熱い思いを込めたこの作品を完成させたこと(並大抵の苦労ではなかったよね!)…それ自体が素晴らしい一大プロジェクトだったと思う!

心に残るシーンがいくつもありました。

・玄関でアスカが父親に足蹴にされるシーン…父親役の役者さんの異様な迫真の演技!…うまいです!
・カイの荒れ果てた家で、精神を病んだ母親がうつむいて畳に座っている…それを直接映さずに、鏡に映ったその姿と椅子に座るカイの姿を同時に映し出す画面構成
・カイの父親が金をせびりに来てカイを殴りつけるシーン…舞台挨拶をされたときの父親役・小井手正勝さん、役のまんまでした(笑)
・アスカの母親(森田恵子さん・うまい!)がダンスの舞台を観に来ると聞いた際に見せるアスカのうれしそうな顔…その表情と、松葉杖姿でソファーに座り、愛情のかけらもない母親が机の上に置いていったお札を落胆して見つめるアスカの表情との対比!
・大雨の中での屋上シーン…アスカがカイの胸を突き、しだいに泣き崩れていくシーン…アスカ、熱演でした!
・アスカの自宅を訪ねたカイに、「お母さんのことを悪く言わないで!」とアスカがカイを非難するときのアスカの目…。
・海辺のシーン…これは一番感動するシーンでした!会場のあちこちからすすり泣きが…凍えながら過酷な撮影をされた成果が出ていました!
・最後、カイがアスカの自宅を訪ねた際の玄関でのアスカの横顔…美しかった!

学校でのシーンはほとんどモノトーンの色彩で統一されていて、アスカやカイにとって決して居心地のいい場ではなかった学校という空間が、無味乾燥で空虚な世界として描かれていたように思う。視覚的にはこのモノトーンはとても美しかった…

最後に流れる主題歌も、映画によく合っていて素敵です!
海辺のシーンで流れていた女性ボーカルの曲もとてもよかった!

安井監督、私が一瞬だけ映っている場面も残しておいてくださったのですね!1回目観たときには自分でも見つけられなかったけれど、2回目にやっと発見しました!(笑)エンドロールにも娘共々名前を入れてくださり、ありがとうございました!一生の思い出になりました!

自分の表現したいものをしっかりと持っておられ、それを一つ一つ形にしていく実行力、同じ志を持った仲間を引き寄せる人間的魅力も併せ持つ安井監督!これからのご活躍を期待していますよ~!

『海より上 屋上より下』 いよいよ上映です!

2007-04-26 23:31:49 | 映画・テレビ

昨年秋、娘Sがエキストラで出演させてもらった安井祥二監督の映画海より上 屋上より下が、いよいよこの連休に公開されます。

今日お昼過ぎに安井監督が忙しいスケジュールの合間を縫って、私の職場まで、チケットとポスターを持ってきてくれました。(ありがとうございました!)

とりあえずチケット20枚を買い、ポスターやチラシを預かりました。
職場の興味を持ってくれそうな人たちに話したら、みんな「行きたい」と言ってくれ、チケットはすぐになくなってしまいました!もっと買っておけばよかった~!!

このポスターがまたとても素敵なんですよ~!!
主役の2人が海辺に並んで座っている後姿の写真なのですが、素朴な海の色、砂の色…真ん中に2人…それだけなのにとても心惹かれます!なんだか切なくなります! さっそく職場の目に付くところへ掲示しておきました!

撮影現場に立ち会って、安井監督の良い作品を作りたいという情熱に敬服したのを今でも思い出します。(厳しい撮影でしたね!)

いよいよ上映です! なんだか自分のことのようにドキドキしている私です!

この岡山の地で、岡山の熱意ある人たちの力を結集して創り上げたこの作品!みんなで盛り上げて上映会を成功させてあげたい!!…微力ながら周りの人間を引き連れて応援に行きますからね~! がんばれ~!!!