もう少し七条探索を続行。
カメラは先ほどから、バッテリーの要充電を警告する点滅がはじまっている。
[左]タイル張りのファサード。売物件の看板が寂しい。無事に売れてくれればいいが。
[右]ホール状になった玄関。絶妙なカーブに吸い寄せられそうになる。
まるで和風建築に四角い箱を被せたかのような、見れば見るほど不思議な外観。
普通の和洋折衷とはひと味もふた味も違った魅力がある。
タイル張りが半分残されたカフェー建築。パステルカラーが華やかでありつつ目に優しい。
転業旅館と思われる。二階のガラス張りに驚かされるが、従来この姿だったのだろうか。
出格子や欄干は当時のままのようだ。赤い壁は近年塗り直されている可能性が高い。
和風とも洋風とも中華風ともつかないエキセントリックな三階建て。
一階のごく普通の居酒屋風のたたずまいが、かえって違和感があるように思えてくる。
横に長い和風建築。欄間とすだれ掛けのななめ格子がアクセントになっている。
二階のガラス越しに一直線の廊下が見える。
和洋折衷の一軒。窓の造りがユニークだ。
右へ回ると、こちら側にも入口が一つ。かなりの奥行きを持っていることがわかる。
カメラは先ほどから、バッテリーの要充電を警告する点滅がはじまっている。
[左]タイル張りのファサード。売物件の看板が寂しい。無事に売れてくれればいいが。
[右]ホール状になった玄関。絶妙なカーブに吸い寄せられそうになる。
まるで和風建築に四角い箱を被せたかのような、見れば見るほど不思議な外観。
普通の和洋折衷とはひと味もふた味も違った魅力がある。
タイル張りが半分残されたカフェー建築。パステルカラーが華やかでありつつ目に優しい。
転業旅館と思われる。二階のガラス張りに驚かされるが、従来この姿だったのだろうか。
出格子や欄干は当時のままのようだ。赤い壁は近年塗り直されている可能性が高い。
和風とも洋風とも中華風ともつかないエキセントリックな三階建て。
一階のごく普通の居酒屋風のたたずまいが、かえって違和感があるように思えてくる。
横に長い和風建築。欄間とすだれ掛けのななめ格子がアクセントになっている。
二階のガラス越しに一直線の廊下が見える。
和洋折衷の一軒。窓の造りがユニークだ。
右へ回ると、こちら側にも入口が一つ。かなりの奥行きを持っていることがわかる。
さらに七条新地を探索。
鋭角の角地に建つカフェー建築。水色の円柱と縦に長い窓が特色。
扱いにくい敷地とはいえ、強引な設計だ。入口がなかば向き合うような角度になっている。
角ばった印象の建物だが、玄関のアールや二階窓のくぼみなど、曲線的な表現も。
七条のトレンドだったのか、薄茶色のスクラッチタイル張りの物件をあちこちで見かけた。
橋を渡り、高瀬川の東側へ移動。
カメラのバッテリーがだんだん心許なくなってきた。撮影枚数を制限しながら歩く。
妻の壁面に派手な絵が描かれているが、残念ながら昔からのものではないらしい。
円柱にタイルに彫刻と、注目の意匠が詰まっている。傷みがひどいのが気にかかる。
ピンク色のタイルがなまめかしく一階を彩る。床一面の市松模様は爽やかな青系統。
トタンで覆われた二階の造りも気になるところだ。
全体的に白いイメージの物件。一見地味なようで、当時は逆に目立ったのかもしれない。
角地という立地条件も、こういう場所では強みといえる。
じつに豪華な構えの和風建築。かつては七条を代表する大店だったことだろう。
鏡写しにしたかのような外観がおもしろい。鬼瓦にはありし日の屋号が残っている。
鋭角の角地に建つカフェー建築。水色の円柱と縦に長い窓が特色。
扱いにくい敷地とはいえ、強引な設計だ。入口がなかば向き合うような角度になっている。
角ばった印象の建物だが、玄関のアールや二階窓のくぼみなど、曲線的な表現も。
七条のトレンドだったのか、薄茶色のスクラッチタイル張りの物件をあちこちで見かけた。
橋を渡り、高瀬川の東側へ移動。
カメラのバッテリーがだんだん心許なくなってきた。撮影枚数を制限しながら歩く。
妻の壁面に派手な絵が描かれているが、残念ながら昔からのものではないらしい。
円柱にタイルに彫刻と、注目の意匠が詰まっている。傷みがひどいのが気にかかる。
ピンク色のタイルがなまめかしく一階を彩る。床一面の市松模様は爽やかな青系統。
トタンで覆われた二階の造りも気になるところだ。
全体的に白いイメージの物件。一見地味なようで、当時は逆に目立ったのかもしれない。
角地という立地条件も、こういう場所では強みといえる。
じつに豪華な構えの和風建築。かつては七条を代表する大店だったことだろう。
鏡写しにしたかのような外観がおもしろい。鬼瓦にはありし日の屋号が残っている。
遊廓(芸娼混在)→赤線
明治5年、業者数234、娼妓数973、芸妓数37
大正元年、業者数238、娼妓数906、芸妓数26
昭和9年、業者数241、娼妓数1326、芸妓数0
昭和30年、業者数168、娼妓数750
昭和32年、業者数179、娼妓数693
売春防止法施行後、「五条楽園」と改名し、平成22年まで存続。
まず高瀬川の西側から回る。
大きな丸窓とステンドグラスが象徴的な建物。壁や地面のタイル張りも見逃せない。
二階部分は大きくリフォームされているようだ。
上の建物の隣に並ぶ和風建築。軒下には電球が全部きれいに残っている。
あえて複雑さを排除したかのような木材の組み方に、シンプルな構成美を感じられる。
ピンクの豆タイルがかわいらしい。
玄関脇に屋号を筆書きしたとおぼしき表札が残っているが、「樓」から上が読み取れない。
大型の下地窓が黒壁に映える。すだれで隠れた部分も繊細な造りになっている様子。
重厚なカフェー建築。ゆるやかなカーブを描くフォルムが出色。そのほか見どころは多い。
もっとも気になったのは右の写真の装飾。何か描かれているようだが、よくわからない。
小規模ながら出格子を備えた和風建築。右のほうにお茶屋の鑑札が残っていた。
全面が市松模様のタイル張りになっている。狭い路地にあって強烈な存在感を放つ。
状態がとても良好で、窓の造作や軒の装飾といったディテールも必見。
明治5年、業者数234、娼妓数973、芸妓数37
大正元年、業者数238、娼妓数906、芸妓数26
昭和9年、業者数241、娼妓数1326、芸妓数0
昭和30年、業者数168、娼妓数750
昭和32年、業者数179、娼妓数693
売春防止法施行後、「五条楽園」と改名し、平成22年まで存続。
まず高瀬川の西側から回る。
大きな丸窓とステンドグラスが象徴的な建物。壁や地面のタイル張りも見逃せない。
二階部分は大きくリフォームされているようだ。
上の建物の隣に並ぶ和風建築。軒下には電球が全部きれいに残っている。
あえて複雑さを排除したかのような木材の組み方に、シンプルな構成美を感じられる。
ピンクの豆タイルがかわいらしい。
玄関脇に屋号を筆書きしたとおぼしき表札が残っているが、「樓」から上が読み取れない。
大型の下地窓が黒壁に映える。すだれで隠れた部分も繊細な造りになっている様子。
重厚なカフェー建築。ゆるやかなカーブを描くフォルムが出色。そのほか見どころは多い。
もっとも気になったのは右の写真の装飾。何か描かれているようだが、よくわからない。
小規模ながら出格子を備えた和風建築。右のほうにお茶屋の鑑札が残っていた。
全面が市松模様のタイル張りになっている。狭い路地にあって強烈な存在感を放つ。
状態がとても良好で、窓の造作や軒の装飾といったディテールも必見。
さらに松島界隈を歩く。
重なり合った屋根が特色。二階のすだれ掛けには、くり抜かれた扇模様が涼しげに並ぶ。
こちらも屋根が入り組んでいる。玄関まわりには、花街にも似た華やかさがただよう。
側面を見ると、その窓の配置から、小さな部屋がぎっしり並んだ間取りが想像できる。
この建物も、上の建物と同様、小ぶりの部屋が並んだ間取りのようだ。
屋根の構造もよく似ている。松島ではこういう屋根が流行していたのかもしれない。
和と洋が異様な合体を遂げた建物。おそらく改築なのだろうが、恐るべき力技だ。
欄間の透かしガラスには「菊泉」の文字が。その両脇には菊の彫刻が施されている。
カフェー調の物件。これは三階建てだろうか。
全面塗装されているものの、そのフォルムには円柱の形状が見て取れる。
奇妙な外観だ。入母屋の建物を半分に割ったかのように見える。
どっしりしたうだつを見るかぎり、もともとこういう造りだったと考えるのが自然か。
一見地味な建物の側面にタイルが残る。かなり剥がされてしまっている様子。
いま「側面」と書いたが、看板建築然とした上部を見ると、こちらが正面のようにも思える。
しかし、こちらが正面だとするなら、入口がないのはおかしい。なんとも不思議な建物だ。
重なり合った屋根が特色。二階のすだれ掛けには、くり抜かれた扇模様が涼しげに並ぶ。
こちらも屋根が入り組んでいる。玄関まわりには、花街にも似た華やかさがただよう。
側面を見ると、その窓の配置から、小さな部屋がぎっしり並んだ間取りが想像できる。
この建物も、上の建物と同様、小ぶりの部屋が並んだ間取りのようだ。
屋根の構造もよく似ている。松島ではこういう屋根が流行していたのかもしれない。
和と洋が異様な合体を遂げた建物。おそらく改築なのだろうが、恐るべき力技だ。
欄間の透かしガラスには「菊泉」の文字が。その両脇には菊の彫刻が施されている。
カフェー調の物件。これは三階建てだろうか。
全面塗装されているものの、そのフォルムには円柱の形状が見て取れる。
奇妙な外観だ。入母屋の建物を半分に割ったかのように見える。
どっしりしたうだつを見るかぎり、もともとこういう造りだったと考えるのが自然か。
一見地味な建物の側面にタイルが残る。かなり剥がされてしまっている様子。
いま「側面」と書いたが、看板建築然とした上部を見ると、こちらが正面のようにも思える。
しかし、こちらが正面だとするなら、入口がないのはおかしい。なんとも不思議な建物だ。
遊廓→赤線
昭和5年ごろ、業者数260、娼妓数3700
昭和30年、業者数140、従業婦数900
入口を広くとった和風建築。二階の窓の装飾が遊び心にあふれており、見ていて楽しい。
[左]一部を洋風に改装したように見えるが、もともとこういう造りだったようにも見える。
[右]緑と茶の市松模様が目を引く。意外なところに水道の蛇口が。
和風の構えながら、壁の造りは西洋の技法を用いているように見える。
軒下の行灯風の照明がおもしろい。近年取り付けられた可能性もありそうだが。
こぢんまりとした建物。丸窓にしつらえられた細工は何をデザインしたものだろうか。
右側面にはごつごつした石材が貼られている。正面の雰囲気からすると意外な趣向だ。
木彫りをあしらった丸窓は、月と鶴の図案か。風流な眺めにしばし足が止まる。
植木でふさがれた玄関をのぞいてみると、欄間に当時の屋号が残っていた。
和洋折衷のたたずまい。丸窓には色ガラスがはめ込まれている。
ひょうたんの装飾は上塗りされているようだが、ひょうたん自体は昔からのものだろうか。
松島では数少ないカフェー建築。左右似ているようで、案外違っているのがおもしろい。
気になるのは中央。両側が渡り廊下などでつながっているのか興味深い。
昭和5年ごろ、業者数260、娼妓数3700
昭和30年、業者数140、従業婦数900
入口を広くとった和風建築。二階の窓の装飾が遊び心にあふれており、見ていて楽しい。
[左]一部を洋風に改装したように見えるが、もともとこういう造りだったようにも見える。
[右]緑と茶の市松模様が目を引く。意外なところに水道の蛇口が。
和風の構えながら、壁の造りは西洋の技法を用いているように見える。
軒下の行灯風の照明がおもしろい。近年取り付けられた可能性もありそうだが。
こぢんまりとした建物。丸窓にしつらえられた細工は何をデザインしたものだろうか。
右側面にはごつごつした石材が貼られている。正面の雰囲気からすると意外な趣向だ。
木彫りをあしらった丸窓は、月と鶴の図案か。風流な眺めにしばし足が止まる。
植木でふさがれた玄関をのぞいてみると、欄間に当時の屋号が残っていた。
和洋折衷のたたずまい。丸窓には色ガラスがはめ込まれている。
ひょうたんの装飾は上塗りされているようだが、ひょうたん自体は昔からのものだろうか。
松島では数少ないカフェー建築。左右似ているようで、案外違っているのがおもしろい。
気になるのは中央。両側が渡り廊下などでつながっているのか興味深い。
飛田随一の格式を誇った大楼。
現在は「鯛よし百番」という現役の料亭。平成12年(2000年)、登録有形文化財に。
国の文化財なので、いまのうちに記録しておかなければ、というようなあせりもなく、
のんびり撮影。
遊廓と聞いて多くの人が想像するであろう典型的な遊廓建築。
軒下に並ぶ提灯、擬宝珠をあしらった欄干、欄干を支える持ち送り、欄間や桟の装飾、
などなど、微に入り細に渡ったその意匠はまさしく圧巻。
間近で見ると、その細やかさを一層実感できる。
玄関には百番と書かれた大看板が掲げられている。この看板も貴重なものだろう。
奥行きがありすぎてレンズに収まりきらない。
左手の入口。床は網代模様を色分けしギザギザに演出したようだ。欄間は獅子の彫刻。
二階に目を転じると、欄干の下の小窓(下窓だろうか)に凝った細工が。
右手の入口。欄間には帆船が彫られている。扉に施された桐紋も見過ごせない。
建物はさらに右へとつづく。そして、ここから様子が一変する。
[左]どういうわけか、突然洋風の装いに。その剛健な外観に驚く。
[右]さらに右へ回ると、ふたたび和風に戻る。さすがに裏手は質素なたたずまい。
いつか、外観以上に絢爛豪華だという内部も、食事をかねて見学したい。
現在は「鯛よし百番」という現役の料亭。平成12年(2000年)、登録有形文化財に。
国の文化財なので、いまのうちに記録しておかなければ、というようなあせりもなく、
のんびり撮影。
遊廓と聞いて多くの人が想像するであろう典型的な遊廓建築。
軒下に並ぶ提灯、擬宝珠をあしらった欄干、欄干を支える持ち送り、欄間や桟の装飾、
などなど、微に入り細に渡ったその意匠はまさしく圧巻。
間近で見ると、その細やかさを一層実感できる。
玄関には百番と書かれた大看板が掲げられている。この看板も貴重なものだろう。
奥行きがありすぎてレンズに収まりきらない。
左手の入口。床は網代模様を色分けしギザギザに演出したようだ。欄間は獅子の彫刻。
二階に目を転じると、欄干の下の小窓(下窓だろうか)に凝った細工が。
右手の入口。欄間には帆船が彫られている。扉に施された桐紋も見過ごせない。
建物はさらに右へとつづく。そして、ここから様子が一変する。
[左]どういうわけか、突然洋風の装いに。その剛健な外観に驚く。
[右]さらに右へ回ると、ふたたび和風に戻る。さすがに裏手は質素なたたずまい。
いつか、外観以上に絢爛豪華だという内部も、食事をかねて見学したい。