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遊里跡の探訪録など。
ブログの日時は、行動日・撮影日に合わせております。

蒲郡 歓楽荘

2011年07月30日 17時30分00秒 | ◇愛知
三河湾、竹島、蒲郡温泉に近在したカフェー街。
場所柄、観光客向けの遊里だったと思われるが、詳細はわからず。
昭和30年、業者数10、従業婦数27

インターネットで仕入れた情報によると、以前は蒲郡駅南口前に大きな娼楼が
5~6軒建っていたそうだが、その後取り壊されてしまったらしい。
しかし周辺にまだ何か残っているかもしれないと思い、本日の締めくくりに探索してみた。


明らかに普通の住宅ではない和風建築。しかし、遺構と断定できるほどの決定打はない。

 
入口が2つある小料理店。20歳未満お断りのプレートは三谷観楽荘のものと同一。


一見なんの変哲もない砂利道だが、入口に埋め込まれた石が意味ありげ(車止め?)。


砂利道に入ってみると、突然こんなパブが現れた。
入口が閉ざされ、すでに廃業状態とはいえ、どうしてこんな路地にという驚きが大きい。

 
同じ路地にあった木造平屋。玄関には割烹旅館の看板が。
上記のパブ同様、路地裏という言葉さえそぐわない立地。やはりそういう場所だったのか。


広い道(国道23号線)に面したところにも雰囲気のある物件が残っている。
凝った桟や出格子は妓楼を思わせるが、こんな街道筋に堂々と妓楼があるものか疑問。

三谷 歓楽荘

2011年07月30日 16時00分00秒 | ◇愛知
三河湾、三谷温泉の近くに存在したカフェー街。
温泉客をあて込んだ遊里と思われるものの、資料が乏しく、詳しいなりたちは不明。
昭和30年、業者数10、従業婦数29

 
不自然に広い横道(車両通り抜け不能)に面した小料理屋。
玄関に20歳未満お断りのプレートがあった。18歳ではなく20歳というのはめずらしい?


この界隈でもっとも雰囲気の感じられる割烹旅館。複雑な構造をしている。
赤紅色と肌色に塗り分けられた壁や、玄関脇の丸窓と角窓の組み合わせが目を引く。

 
左の路地へ入ると、門柱にプレートが。こちらは18歳未満お断りになっている。


リフォームされた邸宅に残されていた装飾。

 
ちょっと見は一般住宅のようだが、二階の欄干に彫り抜きの細工を発見。
ところが、彫り抜きの柄が妙に子どもっぽい。木の材質も微妙で、証拠とはいえないか。


玄関はタイル張り。薄い青系統の色調でまとめられたスタイリッシュな外装。

どういうわけか、この町は、遊里特有の妖しいオーラがほとんど感じられない。
花街色の強い町だったのだろうか。
あるいは、八幡園と名楽園で濃厚な空気を吸ってきて、感覚が麻痺しているのか。
いずれにしても、もう少し調べてみる必要がある。

素盞男神社

2011年07月30日 14時05分00秒 | ◇愛知
中村遊廓ゆかりの神社。読みは「すさのお」。




中村一の大楼、四海波の名が刻まれた玉垣。


ここにも四海波の名前が。旅行会社に転業したようだ。

 
和合楼の玉垣。


少し読みにくいが、灯籠の石柱に「中村樓 林久五郎」とある。

名古屋 名楽園 ~拾遺編~

2011年07月30日 14時00分00秒 | ◇愛知
中村遊廓やその周辺などを、落ち穂拾い的に掲載。


大門(南側)。信号の名前も「大門」。


大門(北側)。南側とデザインが若干異なっている。


ポルノ映画館「中村映劇」。遊廓の南東入口あたりにある。


こんな路地にソープランドの裏入口が。表がスーパーと向き合う立地ゆえの配慮か。


遊廓の西側に位置する「寿湯」。銭湯は遊廓に欠かせない存在だ。


長寿庵(旧・千尋)の入隅に置かれている鬼瓦。昔使われていたものだろうか。

名古屋 名楽園

2011年07月30日 13時30分00秒 | ◇愛知
遊廓(旭遊廓)→移転(中村遊廓)→赤線(名楽園)
昭和12年、業者数138、娼妓数2000
昭和18年、業者数19、娼妓数220
昭和28年、業者数81、従業婦数900
昭和33年1月、売春防止法施行の2ヶ月前に自主廃業


大型スーパーとソープランドが向かい合う奇妙な光景。
日が高かったことも手伝って、まるで白昼夢でも見ているような気分にさせられた。
スーパーの建っている場所の角地には、かつて名楽園組合の事務所があったという。


旧・第二トヨタ楼。相当リフォームされているが、鮮やかなタイルと丸窓はカフェーの証。


旧・春福楼。玄関の欄間に文字看板が残っている。
左側の取ってつけたようなモルタル造りは、カフェー風に利用していたものだろうか。


屋号不明。格子が張りめぐらされた典型的な妓楼建築。
渋い色合いの中、赤錆色の欄干と緑白模様のタイルがアクセントになっている。

 
旧・千尋。艶っぽい建物もさることながら、壁面に飾られたシンボリックな美人画が白眉。
警備会社のステッカーは無粋だが、盗難対策のためにはいたしかたないのだろう。

 
旧・酒井楼。その格調高くも重厚なたたずまいは圧倒的。塀は色調を抑えつつ華やか。
中村遊廓でも指折りの大楼だったことは想像に難くない。

 
旧・稲本。この地域では四海波に次ぐ大店だったという。
日本と中国の建築様式を織り交ぜた豪華絢爛な店構えは、他に類例のないものだ。