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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

余裕がないとできないこと

2016年10月04日 | 家・わたくしごと

 日々のルーティーンにしたいと思いつつも、余裕がないとできないこと。それが朝のコーヒーを入れる作業である。私は、一般に使われる電気コーヒーメーカーではなく、手動でコーヒーを入れる。当たり前だが、コーヒーをセットして水を入れスイッチを入れるだけのコーヒーメーカーよりやたらと時間がかかるわけだ。
 とりわけコーヒーに凝っているわけでもないし、「おたく」でも「マニア」でもない。ましてや、定年になったらカフェを開こうなんて思ったこともない。でもコーヒー豆は、深くローストしたイタリアンローストと決めている。高級なブルーマウンテンのような高価な豆ではないが、深くローストしたコーヒーの独特の香りと味が大好きだ。そんなコーヒーをいれるために、挽いた豆を蒸らしてお湯を少しずつ、ゆっくりと注いでいく。一気にお湯を入れようなんて思ったら、美味しいコーヒーは入れられないし、香りを楽しむこともできない。すでにコーヒーを楽しむ過程はここから始まっている。
 お湯を入れるポットはライデンの台所製品をたくさん扱う雑貨屋で購入したものだ。旧市場の近くにあってよく出かけた店だった。これは大きい方、一人用の小さいものも大学においてある。軽くてとても入れやすい。お湯がたくさん落ちないのも魅力。日本ではお目にかかれない逸品である。
 当然、コーヒーを口にするまで手間がかかるわけで、朝、どたばたと急いでいたらコーヒーを入れるなんて作業は不可能である。ときには数日、コーヒーが飲めないときもある。まあ、自業自得だ。しかし余裕がない時でないければ入れられないからこそ、手間暇かけて入れたコーヒーを飲むときもまた「余裕」がある時なのである。香りを楽しみ、ゆっくり味わう。いい朝だな、そんな風に思える朝であれば、たいてい一日幸せに過ごすことができるものだ。