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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ゆりの木通りのハレの日

2016年10月03日 | 家・わたくしごと

 昨日、一昨日の土日は、家の前のゆりの木通りが、年に2回だけ大賑わいする二日間だった。正確には2回4日間である。なぜなら春と秋の2日間、この通りの歩道で市民参加型の手作り品バザールが開催されるからである。数十の手作り製品を売る個人や仲間が、400メートルほどのゆりの木通りの両側の歩道に小さなお店を出し、その製品を求めて市内からたくさんの方々が集まってくるのだ。
 ゆりの木通り、この名前を聞くととてもお洒落で、いったいどんなお店があるんだろうといろいろ想像してしまうのではないか? 20年前にはそれはそれは賑わいある商店街だったらしい。近くに映画館もあったと聞く。しかし、駅ビルの整備や郊外型ショッピングセンターの開発などで、今ではすっかりさびれてしまった感がある。シャッターの閉まったままのお店もちらほら。それでも若い人たちが、この商店街の再生に取り組んでいると聞く。
 日曜日の昨日は、普段は閑散とする商店街を通過するのもたいへんなほどの人出だった。なんだか同じ商店街とは思えない。子供のはしゃぎ声、どこからか聞こえるアナウンス、店やの人々の呼び声、どれも私の心を踊らせる。毎回、この日だけは、ゆりの木通りに住んでよかったと思うのだ。
 月曜日の今日は、もう昨日までの賑わいが夢だったかのような静かな商店街に戻っている。「静」への回帰。でも日常の「静」があるから年に4日間の「動」が目もくらむほど眩しいのだ。来年の春、また雪解け水で勢いを増した小川が朝日に照らされて、キラキラと輝くようなそんな手作り市を楽しみに待っている…。ハレの日ともいえる「動」とのしばしのお別れ。