2月21日付NZZ(新チューリヒ新聞)に全1ページの60周年記念記事が載りました。
ゴジラ映画60周年の記事です。
全ページ
ちょこっとアップ
タイトルは「海から来たモンスター」
サブタイトルには
60年前のゴジラ誕生の背後には、長らく隠蔽され現代では忘れ去られた核実験事故が隠されている
とあります。
記事の半分はアメリカの核実験による第五福竜丸被曝事件を紹介、後半で、核兵器への警告としてゴジラ映画が制作されたことを記しています。
記事の一部
太平洋に面した焼津は、他の多くの漁港と変わらない。漁港や工場があり、南アメリカやアジア諸国からの労働者も比較的多い。天気の良い日には富士山が良く見える。しかし焼津では目下、3月1日の60周年を迎える準備が進められている・・・
ビキニ環礁での核実験に先立ってアメリカは警告を発していた。しかも、第五福竜丸は危険水域から30キロ離れたところを航行していた。それにもかかわらず、乗組員は被曝した・・・
水爆の威力がアメリカの関係者による計算をはるかに上回ったからである。予想計算で水爆の威力はTNT火薬約600万トンであったが、実際にはTNT火薬1500万トン相当の爆発が起こった・・・
アメリカは核実験データを隠し、被爆者の治療を困難にした。亡くなった久保山愛吉の母親にはアメリカから2500ドルが贈られたが、核実験で亡くなったアメリカ人には7万5000ドルが支払われている・・・
第五福竜丸の被曝事件から8ヵ月後「ゴジラ」が上映され、一般観衆の間で大ヒットとなり、いまや映画史上のシンボルとなっている・・・
特撮技術の拙さにもかかわらず、これは名画である・・・
映画の終りで科学者が「ゴジラが、これだけで終わるとは思えない。核実験が続けられれば、またゴジラが現れるかもしれない」と述べている。これは、サイエンスフィクション映画の中のセリフとはいえ、決定的な発言である・・・
東京にはゴジラの記念像もあり、核兵器や原子力の恐ろしさを警告している・・・
しかし、かつてアメリカが行っていたように、現在の日本政府もまた情報を隠し、黙殺する方針を実行している。
ゴジラは、ひょっとすると世界で最も知られた「日本出身者」かもしれません。以前、スロヴァキアの知り合いが「ゴジラ」と言ったときにはビックリしました。Wikipediaのゴジラ記事は36言語あります。ドイツ語とスペイン語が詳しく、ゴジラ誕生の背後に第五福竜丸被曝事件があることも紹介されています。
えー、ところで、私はゴジラ映画をひとつも見たことがありません
Wikipedia:
第五福竜丸
Wikipedia:
ビキニ環礁