自分が近頃新聞を、まじめに読まなくなったせいか、こんな無責任なコラムを、読んだことが無かった。今まで何度か書いているように、我家では(結婚する前も、結婚してからも)50年以上朝日新聞と、日本経済新聞が途絶えたことは無い。ここで話題にしているのは、日経新聞12月10日14版3面に載った、論説委員 滝田洋一 「最長景気、勢い不足の意味」と題する、けいざい解説なるコラムです。コラムはまず中国の統計が16.8%の上方修正となり、統計の激変に「依然、途上国か」と思ったものだという記載から始まっている。その修正は何㌫が16,8㌫に修正されたのかは記載していないので、わからないのだが、それに対比する形で、日本の実質成長率が、従来2%であったものが0,8㌫に下がったとかかれている。これって予測の40%ですよね。この比率を中国の予想に当てはめると、従来は10%そこそこの数字が、16,8%になったということですよね。しかしこんなことをなぜ事改めて取り上げるのでしょう。批判するなら、これだけ発展している日本国の、官庁統計が不備なのかを追及すべきであって、中国を引き合いに出す必要は微塵も無いのではありませんか・・・さらにコラムは、日本企業の業績が回復しているのは、企業が海外へ進出していることだけが原因だと断定する。そして企業の稼ぎ頭は海外で、世界的な景気拡大こそが最高益の大きな原動力だと・・ さらにコラムは続く 海外景気も為替も一寸先は分からない。そう考えているからこそ、手元にキャッシュフローが積みあがっているのに、企業は従業員への利益還元を押さえ気味だ。経営者は強欲なのでなく、慎重なのだ。高度成長期やバブル景気とは違い、成長の成果が国内にくまなく行き渡る時代は去った。企業の力を強くするしか日本は生き残れないが、そんな経済の絵姿には「草枕」の一節を駆りたくもなる。契機の山路を登りながら考えた。とかくに人の世は住みにくい。
ここに大きな疑問があります。企業が強くなれば日本は生き残れるのか・・・経営者はここで取り上げているように純粋無垢に企業のことだけを考えているのか。自分の時がよければそれでよいのではないか。アメリカを見てください、企業は強いです。しかし自分で物を作る能力を失い、印刷機を回してドルを印刷することによりかろうじて国として成り立っているのではないですか。なぜ企業が良くなれば日本は生き延びられるのですか。銀行を見てください。銀行の業績が良くなった分、日本は良くなったのですか。手数料や、もっと大事な預金金利は上がったのですか。税金も払っていないけれど、自民党に献金はするそうです。トヨタは世界一になるかも知れません。しかしそれが国民の利益にどれだけ結びついているのですか。なぜ企業が良くなれば日本が、あるいは日本国民が生き延びられるのかもっと充分な考証を願いたいと思います。これではあまりにも安易です。