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宮廷のみやび展

2008-01-18 17:29:25 | 展覧会から
主催者の「ごあいさつ」にはこうある。・・・今もみやびな京文化の源は、平安時代の宮廷にあります。近衛家は藤原家の宗家の家柄です。代々摂政・関白の重職に就く五摂家の筆頭として、常に朝廷の政治の世界に関与しました。・・・書や和歌に秀でた人物が多く、宮廷文化の中心的な存在でした。このため近衛家には、歴史的に重要な文書や美術品が数多く遺されています。陽明文庫は、昭和十三年、近衛家29代近衛文麿により設立、・・・・・近衛家に伝来した国宝八件、重要文化財五十九件を含む二十万点の文化財を保管しています。以下略」
いみじくも、この挨拶の中でも述べられているが、今回の展示物を見ていて、何かいつもと違う違和感がしていた。それは美術的にも、歴史的にも重要な品では有るのですが、それが当事者が係っているものとして、言葉が分かりませんが、当事者の生の声として今に伝えられていることです。誰をどんな地位につけるとか、僧侶を昇進させるとか、あるいは、天皇から帰ってきた勘返状(カンベンジョウ こんなものが有るとは知りませんでした。解説では頻繁にやり取りし、現在のメールのようなものと解説していましたが、たとえば甲から乙に書を送ると、その書の行間に甲は乙への返事を書き、乙に戻す。これが頻繁に行われていたらしい。特定のごく親しい人達の間でのみ許されていた様式?天皇と関白だから許された??)
実際は分からないが、自分には「書」が展示の中心になっていたように思われた。しかもその内容が「詩」や「芸術」にかかわることでなく、実務であったように思われる。それが1000年を超えて同じ家に伝わっている凄さに圧倒された。家熈の世界においては、江戸時代中期、近衛家21代当主にして、関白・摂政を歴任、太政大臣となった家熈の書や絵画、収集品を紹介している。文字の品格なぞまったくわからないが、宇治拾遺物語絵巻や春日権現霊験記絵巻を複製させ、その詞書を家熈自身が書いているが、その長い詞書をまったく乱れなく書きこなして居る事に感嘆する。さらに、花木真写における、その表現の確かさに驚く。これが書家なり画家がこれを書いたのなら、あるいは当たり前だと思うかも知れない。しかし近衛家の当主がそれをなしたところに、その凄みを見る。いずれにしても得がたいものを見せてもらいました。
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