ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

先輩のことば

2022年02月18日 | 珠玉

 今年もまた、「社会人として出発する諸君におくる先輩のことば」という、卒業シーズンに合わせた企画広告を、地元紙から依頼された。

僕の他には、市内の名士や有力経営者の方々が20名ほど名を連ねていて、なぜオファーが回って来るのかよくわからない。

その方々の昨年のはなむけの言葉に目を通すと、「前途洋々」、「万事如意」、「一生勉強」、あるいは「和を以て貴しとなす」などとあり、若干苦笑させられた。

僕は意外なくらい迷った末に昨年同様、いつも相手を励ます時に使うフレーズに決めた、「自信と誇りを持って」と。

 

ローラ:わたし、きれいって、どこが?
ジム(紳士の訪問客):どこでも―眼もと、髪の毛。きみの手―きれいだなあ! 僕が、お世辞を言ってると思ってますね、きみは―ご馳走になったんだから、お礼のつもりだろうってんですね、そりゃあ、僕だって、お世辞も、言いますよ! 心にないことを並べ立てもします。しかし、今夜は、ちがいますよ―心から、言ってるんです。きみには、例のインフェリオリティ・コンプレックス(劣等感)ってやつが、ある―さっき、気がついて、言ってあげましたね―そいつがあるから、人と気がるに附き合えないんですよ。だれか、きみに、自信をつけたげなくちゃあ―うんと、自分を、高く買うように―うんと、高く!
《ローラの体を差しあげて、小卓の上に立たせる。》
そんなに、恥ずかしがったり、目をそらしたり―あかくなったりしないように、誇りを持たせてあげる人間が―だれか―いなくちゃあ。

                                       テネシー・ウイリアムズ作「ガラスの動物園」(田島博訳、新潮文庫刊)

 

「ガラスの動物園」(1950年)、カーク・ダグラスが紳士の訪問客(ジェントルマン・コーラー)を演じている。

 

 

コメント
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