このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「サキノハカといふ黒い花といっしょに」
サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやってくる
ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
おほよそ卑怯な下等なやつらは
みんなひとりで日向へ出た蕈(きのこ)のやうに
潰れて流れるその日が来る
やってしまへやってしまへ
酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも
じぶんだけで面白いことをしつくして
人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつらも
そいつらみんなをびしゃびしゃに叩きつけて
その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
それらをみんな魚や豚につかせてしまへ
はがねを鍛へるやうに新らしい時代は新らしい人間を鍛へる
紺いろした山地の稜をも砕け
銀河をつかって発電所もつくれ
上の「サキノハカといふ黒い花といっしょに」は昭和二年に宮沢賢治が書いた未発表詩だ。
サキノハカという植物は存在しない。
賢治先生の造語である。
その意味に関しては、「釈迦の墓」であったり、暴力という文字を分解したものだなどと諸説あるが、どうもしっくりこない。僕だけか。
花巻をハーナムキヤ、仙台をセンダードと素敵にもじった賢治先生のパターンではないように思える。
もう一つ、冒頭から激しい言葉が続いて行くが、最後の二行でぐんと上昇曲線を描く。
この曲線が急で、印象深い半面、このあとがもう少し続くのではないかと長く思っていた。
そこは誰も何も言っていない。これも僕だけか。