ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

コート

2022年02月07日 | 日記

 今冬の寒さはなんだかやけに体にこたえる。

そんな理由からでもないのだが、例年になく手持ちのコートをたくさん出して、とっかえひっかえ着ている。

その中の一枚に、ジョシュア・エリス社のカシミア生地で仕立てたものがある。

同社は創業250年以上の、イギリスで最も古い生地ファクトリーの一つだ。

 もう20年以上前のこと、初めて訪れた出張先で、時間調整にと古いデパートに立ち寄った。

地場の銘菓をお土産に買い、それでも時間があったので紳士服売り場へ足を向けると、陳列棚の一番上に光沢のある毛足の長いグレーの反物が置かれ、そこに場違いなほど可愛らしいポップがちょこんと載っていた。

「ジョシュア・エリスの最高級カシミア生地でコートを作りませんか、セールです!!」

ミスマッチだなあ、としげしげ眺めていると、いかがですか?と声を掛けられた。

顔を上げると、店員さんの屈託のない笑顔があった。

「遠方なのですが、送っていただけますか?」(何を言っているのだ、僕は!)

もちろんです!

「じゃあ、お願いします。」

ちょうど腕に抱えていたラルフ・ローレンの紺のロングコートの寸法を参考にしながらで、採寸はあっという間に終わった。

ずいぶんお安くなっていますね、と尋ねると、最後の一枚分なので、お値引きさせていただきました、と納得の答えが明るく返ってきた。

 今思うと一つだけ残念なのは、完全アウェイだったのと、値段が値段だけに、冒険せず無難な同系色の裏地を選んだことだ。

こんなにも長持ちして、今年これほど着るのなら、裏地をもっと派手なものすればよかった、いっそのこと交換しようか、とも考えたけれど、工賃だけでちょっとしたスーツのお仕立て代ほどかかってしまう。

あと何年、何回着るかと思うと、ためらいが胸に湧き上がってくるのだ。

 

日本での取扱法人のHP↓

http://greenwich-showroom.com/brand/joshua_ellis/history

 

コメント
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