先日、思い立ってバルドーのサイン入り写真を額装しました。
26、7年前にパリのフォンダション・ブリジット・バルドー(動物愛護に熱心なバルドーが設立した基金)の事務所兼店舗で購入したものです。
これは250㍉×200㍉の大判ですが、小ぶりのものも含めてすでに何枚かあちこちに飾っていて、とてもいいカンジです。
娘には小さいころから、ファーコートだけは買わないように、バルドーから脅しの電報が(ソフィア・ローレンへのように)届くからね、と教えてきました。
「ビバ!マリア」(1965年)の衣裳です
フランス・ギャル逝去の報(1月7日)に接し、追悼の意を込めて代表曲の「夢見るシャンソン人形」(1965年)を再掲します。
作曲家/歌手セルジュ・ゲンスブールが彼女のため、その才能とセンスのすべてを惜しみなく注いで作り上げた、名曲中の名曲です。
夢見るシャンソン人形
(作詞・作曲 セルジュ・ゲンスブール
歌 フランス・ギャル)
私は蝋の人形
おがくず人形
私の心は私の歌に刻まれているわ
蝋の人形、おがくず人形
私が一番、私がビリ、と
サロンに置かれた人形たちは騒ぐけれど
人生なんてバラ色のボンボンみたいなもの
蝋の人形、おがくず人形
私のレコードは鏡
その中で歌っている私が見える
私は同時にどこにでもいる
声がいくつにもちりぢりに割れて
私の周りで
ぼろ布人形たちの笑い声が聞こえる
私の歌に合わせて踊ってる
蝋の人形、おがくず人形
ぼろ布人形たちったら、ウイやノンで
簡単に誘惑される
愛は歌の中だけにあるだけじゃないのね
蝋の人形、おがくず人形
時々ため息をついて
独り言を言うの 「何にもならない」
「わけもなく愛の歌を歌っても、
男の子のことなんて何も知らないのに」
私は蝋の人形 、おがくず人形
私の髪は太陽のようなブロンド
私は蝋の人形 、おがくず人形
でもいつか私の歌のように生きるつもり
私は蝋の人形 、おがくず人形
男の子たちの情熱を恐れないで
私は蝋の人形 、おがくず人形
Poupée de cire, poupée de son
Je suis une poupée de cire, une poupée de son
Mon cœur est gravé dans mes chansons
Poupée de cire, poupée de son
Suis-je meilleure, suis-je pire qu'une poupée de salon?
Je vois la vie en rose bonbon
Poupée de cire, poupée de son
Mes disques sont un miroir
Dans lequel chacun peut me voir
Je suis partout à la fois
Brisée en mille éclats de voix
Autour de moi, j'entends rire les poupées de chiffon
Celles qui dansent sur mes chansons
Poupée de cire, poupée de son
Elles se laissent séduire pour un oui, pour un nom
L'amour n'est pas que dans les chansons
Poupée de cire, poupée de son
Seule, parfois je soupire
Je me dis: «À quoi bon»
«Chanter ainsi l'amour sans raison»
«Sans rien connaître des garçons?»
Je n'suis qu'une poupée de cire, qu'une poupée de son
Sous le soleil de mes cheveux blonds
Poupée de cire, poupée de son
Mais un jour je vivrai mes chansons
Poupée de cire, poupée de son
Sans craindre la chaleur des garçons
Poupée de cire, poupée de son
思い立って安価な再生専用のビデオデッキを購入し、録りためてきた古い映画を久しぶりに何本か観ました。
自宅にあるデッキは二台ともずいぶん前から故障していて、もうテープも全部捨ててしまおうかな、とも思うのですが、(繰り返し観た)市販されていないフランス映画のテレビ吹き替え版や、DVD化されていない作品のことを考えると決心が鈍ります。
「そうさ、僕はなにもわかっていない、男はみな何もわかっていない、男は愛についてアマチュアなのだ」
「あなたと一緒では苦しくて生きられない、あなたなしでは生きられない」
「昔、女性のスカートの下は神秘的だと思っていた」「今は?」「時々ね」
「僕の名前はなんだ?本当に知っているのか?だったらなぜ他の名前を呼ぶ?きみが寝ながら呼ぶ名前を教えてやろうか?」
まだ珍しかった、ふかふかの座席、定員入れ替え制、飲食禁止のミニシアター、新宿のシネマスクエアとうきゅうで公開時(1982年)に観た際は、場内が明るくなっても膝がガクガク震えてなかなか席から立つことができませんでした。
これが愛なら、自分の中にはないし、自分には無理だ、とも思ったものです。
ブリジット・バルドーには、ボーダーがよく似合う。
裕福な家庭に育った彼女には、毛皮や宝石といった高価なものへの渇望などなかったのだろう。いつも裸足か、レペットのバレエシューズ。あるいは裸か、ワンピース。いつもシンプルで、すっきりとしている。
「ビバ!マリア」(1965年)より。アナーキストの娘で父親譲りの爆破魔。麻のスーツにボーダーT、キャスケットがとても可愛い。
「ビバ!」の一本前の「軽蔑」(63年)。同じブレスレットを着けている。
自分にそっくりなひとに、たった一度だけ会ったことがある。
20代前半の頃、下北沢のスーパーマーケットでのこと、友人の買い物に付き合うのに疲れて、レジの脇のベンチに腰を下ろした。
視線を感じて顔を上げると、正面のベンチにそのひとは座っていた。
黒いフレッドペリーのポロシャツに千鳥格子のパンツ、黒いローファー、おまけに黒縁のメガネまで同じだった。
少し前から僕に気がついていたらしく、目が合うと彼女は間髪を入れず立ち去って行った。
よほどばつの悪い表情を浮かべていたのだろう、会計を済ませた友人にどうしたの?と尋ねられたので、ウイリアム・ウイルソン(自分の分身を見てしまうドッペルゲンガー現象を題材にした、エドガー・アラン・ポーの同名小説の主人公)に会ってしまった、と答えたところ、ハンバート・ハンバート(ウラジミール・ナボコフの小説「ロリータ」の主人公)じゃなくて?とまぜかえされ、しゃれたことを言う、と内心感心しながら、違う違う、と激しく首を振った。
全三話のオムニバス映画「世にも怪奇な物語」(1967年)の中で、アラン・ドロン主演で映像化されている。