seishiroめもらんど

流野精四郎&東澤昭が綴る読書と散歩、演劇、映画、アートに関する日々の雑記帳

poetry note No.9

2020-08-16 | ノート
朽ちかけた樹の根元にも生命はひそんでいる。
生きてさえいればどうにでもなるよ、と囁かれたような気がした。
明日のことばかり気にしたってしょうがないよ。
いま、この瞬間を一生懸命生きるんだ。

75年前の夏を思う。75年という時間を思う。
幾人ものひとが死に、幾人ものひとが生まれ、みな必死に生きた。
死は終わりを意味しない。
その生きた時間はこの蒼空に充満し、この地上に堆積し、
人々の心にとどまり、朽ちかけた樹の根元にもひそんで、
いまを生きるぼくたちを鼓舞する。





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