音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Dying is fine

2009年01月15日 | CDの感想
  
○RA RA RIOT「THE RHUMB LINE」(2008)
 「2008年に出た新譜を2009年に聴く」その2。
 といいながら、このアルバムについては年内に聴いて、その後もぽつぽつと聴き返していたんだけど。最初に知ったのはHMVの試聴機にて。

 ニューヨーク州シラキューズ出身。基本的にはギターバンドだが、メンバーにチェロ&ヴァイオリン担当がいるところは、ベル&セバスチャンを連想させもする。

 全編にただようふらふら感。それはある種の「疲労感」でもある。オレ基準では、そういうバンドは信用できることになっている。だって、この世で生きてりゃ必然的に疲れるんだから。

 もちろん、生きることの疲労感をふっとばして疾走するバンドの中にも大好きなものはいくつもある。
 でも、こういう疲労感をポップミュージックに昇華させるバンドには、いやおうなしのシンパシーを抱いてしまう。一見地味な音に思えるが、繰り返し聴くたびに身体に刺さってくる。

 カヴァー曲がケイト・ブッシュだというのもいい。しかも曲は「Suspended in Gaffa」だ。あの気狂いじみたアルバム(誉め言葉です。念のため)「The Dreaming」収録曲。

 なんでこういうすぐれたアルバムの日本盤が出ないんだろうね。

 試聴はここで。

「知ってるだろ 死ぬのは素敵なこと/でも 死が善きことならば 俺は死を好きになれない/たとえほんとうに 死が善きことだとしても