ロック探偵のMY GENERATION

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消費税10%時代

2019-10-01 11:13:10 | 時事
いよいよ、消費税10%時代がやってきました。

消費税に関しては、いろいろな議論があるでしょう。
この点について野党間で意見の隔たりがあり、支持者の間でも激しい議論になっていたりしますが……
現時点では、私は必ずしも消費税反対ではありません。
条件付きで、ありだと思ってます。
社会保障や財政のことを考えれば、消費税というところに財源を求めるのも一定程度やむをえないんじゃないかと。
こういうことをいうと「なんちゃって為政者目線」みたいに批判されたりもするんですが……しかし、社会保障や財政が壊れたときに起きる破綻は相当に深刻なものになるはずで、その点を心配するのはそんなに実生活からかけ離れたことではないと思うんです。消費税減税/廃止派は、「天下国家を語るより目の前の生活を」というかもしれませんが、財源論でヘタな手を打てば、「目の前の生活」が崩壊する可能性は決して低くないのではないでしょうか。
今後もおそらく、社会保障は肥大化の一途をたどります。財政も、このままずっと赤字を出し続けて大丈夫なのか……私は、いわゆるMMTには懐疑的です。この問題の根底には少子高齢化があると思われますが、そこに解消のめどが立たない以上、消費税というものが一定程度存在するのは致し方ないのではないかと。

ただ、あくまでも条件付きで、です。

最近の消費税をめぐる議論の中でもっとも納得できたのは、「消費税を下げるよりも賃金を上げることを考えるべき」というものです。
一番重要なのは、そこだと思うんですね。
世の中一般の生活者に、じゅうぶんなお金が出回っていること……すなわち最終消費層に十分な体力があれば、消費税を上げても大丈夫でしょう。
逆にそうでなければ、消費増税は日本経済に致命的なダメージを与える恐れがあります。
増税を前にして「ニンジンの皮を食べて飢えをしのごう」とか、「買いたいものをとにかく我慢すれば物欲がなくなる」みたいな話がありましたが、みんながそれをやったら、経済はすさまじい勢いで地盤沈下していくでしょう。その強力なデフレ圧は、これまでの数年間やってきた脱デフレの努力を――それがうまくいっていたかどうかは別として――根こそぎに吹っ飛ばしてしまいかねません。“合成の誤謬”という、経済学のもっとも基本的なジレンマにはまりこんでしまうのです。
そして、現在の状況は、かぎりなくその悪いほうのシナリオに近いでしょう。
この状況での消費税10%に、果たして日本経済は耐えられるのか……深刻な負の連鎖に陥らないように、祈るばかりです。


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